品質管理の基礎知識と考え方

品質管理111

▶︎そもそも、品質とは何か?

▶︎【ISO 9000:3.1.1品質(quality)】

『本来備わっている特性の集まりが,要求事項を満たす程度』

  • 要求事項・・・明示されている,通常,暗黙のうちに了解されている若しくは義務として要求されている,ニーズ又は期待。
  • 本来備わっている特性・・・そのものを識別するための性質(物質的、感覚的、行動的、時間的、人間工学的、機能的、様々な種類がある)

▶︎【旧 JIS Z 8101:1981(品質管理用語)】

『品物又はサービスが,使用目的を満たしているかどうかを決定するための評価の対象となる固有の性質・性能の全体』

品質とは、「特性が顧客の要求またはニーズを満たす程度」のこと。つまり、「提供する製品やサービスが、顧客が求める特性との合致度が高ければ品質が高い」ということです。

▶︎品質管理とは何か?

▶︎【3.2.10品質管理(quality control)】

『品質要求事項を満たすことに焦点を合わせた品質マネジメントの一部』

  • 品質マネジメント・・・品質に関して組織(3.3.1)を指揮し,管理するための調整された活動。
  • 品質・・・本来備わっている特性の集まりが,要求事項を満たす程度。
  • 組織・・・責任、権限及び相互関係が取り決められている人々及び施設の集まり。

▶︎【JIS Z 8101:1981(品質管理用語)】

『買手の要求に合った品質の品物又はサービスを経済的に作り出すための手段の体系』

  • 品質管理を略して ”QC” ということがある。
  • また,近代的な品質管理は,統計的な手段を採用しているので、特に統計的品質管理(statistical quality control 略して SQC)ということがある。

品質管理とは「顧客の要求品質を満たす製品作りのマネジメント活動」のこと。つまり、「顧客の要求を満たす製品やサービスを経済的に作り出すための手段の体系」ということです。

品質を高めるために3つを管理する

  1. 『要求品質(顧客が求める品質)』・・・顧客が求める要求品質で、現状の製品への不満などを吸い上げるリサーチ力が求められる企画段階の品質です。
  2. 『設計品質(ねらい品質)』・・・顧客の要求品質に対して、企業の設計技術や生産技術、生産能力などを加味して、形にする設計を行う上で狙った品質です。
  3. 『製造品質(出来栄え品質)』・・・製造された製品の品質で、顧客の要求品質や設計品質に対して、どのくらいの適合度であるか?実際の出来栄えで評価される品質です。

品質管理で行う主な業務

  1. 「品質管理システムを構築する」・・・品質保証体系を確立して運営する仕組み作り
  2. 「顧客の要求品質の把握」・・・顧客がどのような製品やサービスを求めているのか?それをどのようにして作るのか?
  3. 「製品企画と製品設計」・・・顧客のニーズを製品という形に変換する
  4. 「品質基準の設定」・・・顧客の要求品質と自社の技術力を考慮して決定する
  5. 「工程内監査」・・・品質・生産効率・コストに影響する重要項目であり、確かな製品が作れるかを監査する
  6. 「クレーム対応」・・・顧客からのクレームの原因究明・再発防止の源流対策を行う
  7. 「トレーサビリティーの確立」・・・顧客の手に渡るまでの、材料・製造・流通など、各段階での記録を保管し、安全性・信頼性を高める

品質管理:問題解決の8ステップ(QCストーリー)

  • 【問題解決手法の基礎】・・・「上手に問題解決をするための基本的ステップのこと」
     
    経営や仕事は問題解決の連続です。ここでいう問題とは、”あるべき姿と現状との差”のことであり、この差を埋めることを問題解決と言います。今回、説明する問題解決のステップとは、問題を「合理的・科学的・効果的・効率的」に解決するための段階のことです。問題解決手法の基礎を身につけることで、「問題とは何か?」の定義が決まり、「どうすれば解決できるのか?」解決手法がマスターでき、「ありたい姿と現状の差=問題」を効率的に解決することができます。
  1. 【問題の明確化】・・・「ありたい姿と現状の差を明確にし解決すべき問題を決定する」
     まずは、この問題の定義をきちんとしておかないと、関わる人がみんなバラバラの方向に進むと、効果的な問題解決どころか、結果を出せないダメ会社となってしまいます。
  2. 【現状の把握】・・・「現状を調査・分析し、データなど”事実”を把握する」
     
    問題解決しようとする管理特性について、現状の状態を正確に客観的に掴み、要因解析の手掛かりを掴むステップです。
  3. 【目標の設定】・・・「目標に対して何を、いつまでに、どのように実行するかを決める」
     その取り組むべき目標設定を行います。目標設定のポイントは「ニーズに基づいた具体的な目標設定を行う」ということです。
  4. 【要因解析】・・・「原因と結果との関係を明らかにすること」
     
    「ありたい姿と現状の差」の原因を突き止めることで、問題解決の中で最も重要なステップになります。今まで分かっている事実を収集・整理して解析するステップです。
  5. 【対策立案】・・・「対策案の洗い出しと検討を行い、具体的な実行計画の立案のこと」
     
    対策立案とは「問題解決の対策案の洗い出しと検討・評価を行い、具体的な実行を行なう計画の立案のこと」ことです。
  6. 【対策実施】・・・問題の情況に応じてとる手段を実際に施行すること
     
    対策実施とは「問題解決のために立てた具体的な計画を実行すること」ことです。関係者の協力のもと行うので報連相は欠かせません。
  7. 【評価(効果の確認)】・・・「どれだけの価値・価格があるかを見定めること」
     
    立てた目標に対し、どの程度達成できたかを把握し評価する。つまり、対策を実施した結果、変化や効果があったかどうか確認することが必要です。
  8. 【標準化と管理の定着】・・・「元に戻らないよう標準化し、効果の拡大を図ること」
     改善を行って、良い結果が得られた場合は、二度と改善前の状態に戻らないよう標準化して再発防止を図りましょう。

品質管理:統計的な6つの考え方

  1. 【QC手法】・・・「仕事を効率的に進めるための手法」
     データや思考を見える化するためのツールです。仕事を効率的に進めるために問題解決の各ステップで使うと便利な手法です。
  2. 【チェックシート】・・・「データが分類項目別にどこに集中しているか?視覚化する
     データの取得・整理を容易にし、また点検・確認項目がもれなく行えるように、あらかじめ設計された様式・フォーマット。(QC7つ道具の一つ)
  3. 【パレート図】・・・「原因を分類して視覚化。重点指向、優先順位を付けやすい」
     
    パレート図とは、値が降順にプロットされた棒グラフとその累積構成比を表す折れ線グラフを組み合わせた複合グラフ。(QC7つ道具の一つ)
  4. 【特性要因図】・・・「要因解析の時に使う特性と要因の関係を線で結んで表した図」
     この特性要因図は、問題解決の7ステップの中の「要因解析」で“原因と結果との関係を明らかにする”一番重要になるステップの一部です。(QC7つ道具の一つ)
  5. 【バラツキ管理】・・・「バラツキに注目し、ばらつく原因をつかむこと」
     
    製品の品質を保つためには、このバラツキを管理していくことが重要であり、品質を一定の水準に安定させることを品質管理といいます。
  6. 【層別】・・・「データを何らかの基準(尺度・視点)によって分類すること」
     
    データの共通点や特徴に着目して分類することで、複雑な事柄を解きほぐし問題点を具体化していくことです。

▶︎品質保証とは何か?

品質保証「消費者が安心して満足して買うことができ、それを使用して安心感、満足感を持ち、しかも長く使用することができるという、品質を保証すること」と新版品質保証ガイドブックには定義されています。詳しくは『品質保証の基礎知識と考え方』を参照ください。

これには、以下の4つが含まれています。

  1. 顧客・社会のニーズを把握し、それに合った製品・サービスを企画・設計する活動
  2. これを経済的に提供できるプロセスを確立する活動
  3. 顧客・社会のニーズが満たされていることを確認し、満たされてない場合には必要な処置をとる活動
  4. 顧客・社会に信頼感・安心を与える活動

つまり、品質保証とは「顧客・社会のニーズを満たすことを確実にし、確認し、実証するために、組織が行う体系的活動」のことをいいます。

品質保証を行う上で、重要な12の考え方

  1. 【PDCAサイクル】・・・「仕事を効果的・効率的に進めるための手順(定石)のこと」
     仕事には、QCDSM(品質・コスト・納期・安全・モラル)の目標があり、それに沿ったP(計画)・D(実施)が重要です。そして、どの程度狙い通りにいったのか?というC(確認)・A(処置)を確実に実施することも重要です。PDCA(計画・実施・確認・処置)のサイクルを回すことは、よい仕事の基本です。
  2. 【ファクトコントロール】・・・「事実に基づいてデータでものをいうこと」
     データほど、事実を客観的に表しているものはありません。“データ”という“事実”によって現象を把握することにより、的確な判断ができます。つまり、ファクトコントロールとは“データでものをいう”ということです。
  3. 【プロセス重視】・・・「結果でなく、仕事のプロセスを管理していくこと」
     良い結果・悪い結果に関わらず、そのプロセスを押さえることが重要です。PDCA(計画・実施・確認・処置)の“C(確認)”に絡めていえば、“結果”をチェックするだけではなく、その結果を出した“プロセス”をチェックすることが重要です。
  4. 【標準化】・・・「標準を作り、守り、それを活かしていく」
     標準化とは、書類にして“標準化が完結した”とするのではなく、その標準を守り、活かしていく行為が“標準化”であり、改善し続ける行為が重要といえます。
  5. 【源流管理】・・・「プロセスの下流でなく、プロセス上流で管理すること」
     問題が起こると対症療法で対応し、それで対策完了としてしまいがちですが、それでは真の解決にはなりません。源流管理で根本から解決すれば同じ問題でも、トータル的な手間が少なくて済みます。
  6. 【現地現物】・・・「問題が起きた現地に足を運び、現物を見ながら考えること」
     事実を大切にし、盲点を作らないよう物事を客観的に見るという姿勢・価値観です。実際に問題が起きた現場に出掛け、自分の目と足で確かめ、頭で考える「現地現物主義」の徹底は問題解決の基本です。
  7. 【品質第一】・・・「品質優位により利益確保を目指すこと」
     品質(Q)・コスト(C)・納期(D)のバランスをとった上で、品質(Q)を最優先とする考え方のことです。ここでいう「品質」とは製品やサービスの質だけでなく、仕事の質など、すべての質のことを意味します。
  8. 【顧客志向】・・・「お客様の真に要求するモノ・サービスを提供すること」
     顧客ニーズを掴み、顧客が求めるモノ・サービスを提供していこうという考え方のことです。消費者指向やマーケットインなどとも言われます。
  9. 【後工程はお客様】・・・「後工程に喜んでもらえるモノやサービスを提供すること」
     ここでいう”後工程”とは、自分の仕事の結果が影響する工程のことです。つまり「後工程はお客様」とは、自分より後の人に喜んで受け取ってもらえるように仕事を進めることです。
  10. 【重点指向】・・・「複数の問題から重要問題を選定し、優先的に取り組むこと」
     考えられる限りある資源(人・モノ・金・時間など)を有効に使い、最大限の効果を得るために、様々ある問題の中から、重要問題を選定し、これに優先的に取り組むという考え方です。
  11. 【再発防止】・・・「根本原因を見極め対策することにより問題を再発させないこと」
     同じトラブルが二度と発生しないよう、問題の根本的な原因を究明し、その原因を取り除く改善や対策を行うことです。
  12. 【未然防止】・・・「一歩も二歩も先を読み、想定される問題に対してあらかじめ手を打つこと」
     問題が発生して、あたふたと対策するのではなく、事前に問題を予測して発生しないように、予め、その原因に対策しておくという考え方です。

まとめ

品質向上活動によって、売上(新規受注獲得・リピート獲得)+原価低減が可能になり、「品質(Q)・コスト(C)・納期(D)」も改善されるので、しっかりと利益が残る企業体質になります。

この「顧客の要求品質を満たす製品作りのマネジメント活動」のことを品質管理と言います。売上が高まり、原価低減でき、利益が残る企業を目指して作っていきましょう。

そして、これは利益アップ活動の一つです。会社の利益を伸ばすには、新規受注を獲得して売上を伸ばすという方法もあります。こちらの『製造業のホームページは、どのように作ればよいですか?』を参照して、新規受注も獲得して売上を一気に伸ばしていきましょう。

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