金属加工の技術:接合加工用語と解説

  • 「接合」とは、つなぎ合わせること。
  • 「加工」とは、原材料に手を加えて製品を製作すること。

接合加工には、「溶融・圧接・ろう接」という技術がある。

▶︎【溶融】7種類

接合加工を代表する、溶接は金属材同士を金属または熱可塑性物質で溶融・一体化させる工程である。通常、金属材の接合部を溶かし充填材を付加することで溶融物質のプールを形成し、それが冷却することで一体化する。熱と同時に圧力を加えて溶融させることもある。【wikipediaより引用】

①:アーク溶接

アーク溶接とは、溶接ワイヤ(又はタングステン棒)を電極とし、空気中のアーク放電を利用することで、材料との間にアークを発生させて溶接する。同じ金属同士をつなぎ合わせる溶接法。母材と電極の間に発生させたアークによってもたらされる高熱で、母材および溶加材を溶融させて分子原子レベルで融合一体化する接合法。母材は鉄鋼が多いが、アルミやチタンなどにも普通に利用される。

1-1:被覆アーク溶接

被覆アーク溶接は、被覆材を塗布している溶接棒と母材との間にアークを発生させて行う溶接方法である。被覆材を塗布している溶接棒は、金属の棒(心線)に被覆と呼ばれるフラックスや保護材などを巻いている。被覆は酸素や窒素などの進入を防ぎ、溶融金属の保護とアークを安定にし、さらに溶着金属中に合金元素を添加するなどの目的で塗布されている。

1-2:ティグ(TIG)溶接

TIG溶接とは、電極として高融点の金属(タングステン)を用い、電極消耗を抑えるためにシールドガスとしてアルゴンやヘリウムなどの不活性ガスを用いて、母板との間にアークを発生させて行う溶接法。

タングステン・イナート・ガス溶接の略で、電気を用いた溶接方法の一種でありタングステンを電極に用いる。ティグ溶接の特徴として、美しい溶接ビードでありながら高品質が得られ、あらゆる金属の溶接に適用できるので、多くはステンレスやアルミニウムなど非鉄金属の溶接に採用されている。

1-3:アークスポット溶接

アークスポット溶接とは、アークを熱源とするアーク溶接法のひとつで、重ね継ぎ手部の板の片側からアークで加熱して、点状に溶着させる溶接法である。自動車ボディの溶接で代表される抵抗スポット溶接は、鋼板継ぎ手部分を両方向から電極で加圧するが、このアークスポット溶接法は、ボディ構造上、袋状となっていて抵抗スポット溶接ができない部位に使われる。抵抗スポット溶接に比べ、コストは高いが適用の自由度に優れている。

1-4:アークスタッド溶接

アークスタッド溶接とは、主に板状の母材と、ボルトや丸棒などの母材(スタッド)を溶接するための溶接方法のこと。スタッドの先端と母材との間にアークを発生させ、そのアークの熱エネルギーで金属を溶融させ、溶融部分にスタッドを押し付けて行う溶接法である。一瞬でスタッドと母材が溶接されるため、熱変化が非常に少なくいことが特徴で、母材に穴をあけたり、ねじ加工をする必要がなく、短時間で加工ができる。

溶融金属の保護及び鋳型(溶融金属の成形)の役目などの目的で使用されるアークシールド材の中で、スタッド(ボルト・ピンなど)の先端と母材との間でアークを発生させ、その溶融金属で接合する方法。

1-5:セルフシールドアーク溶接

セルフシールドアーク溶接とは、アークや溶着金属を大気から遮へいするためのシールドガスを外部から供給しないで、ノンガスで行うアーク溶接のことです。ノンガスで行うセルフシールドアーク溶接は、外部からシールドガスを供給しないかわりに、フラックス入りワイヤを用います。フラックス入りワイヤとは、金属外皮の内部にアーク安定剤、脱酸剤、スラグ形成剤、金属粉末などが充てんされている溶接ワイヤです。

 1-6:サブマージアーク溶接

サブマージアーク溶接とは、粒状のフラックス(融剤)と溶接ワイヤを使用する溶接である。 予め粒状フラックスを溶接線に沿って散布しておき,その中にソリッドワイヤを送給装置によって連続的に供給し,フラックスに覆われた状態で母材とワイヤ間にアークを発生させて融接することである。

1-7:磁気駆動アークフィレット(MIAF)溶接

磁気駆動アークバット溶接とは、溶接継手の端面間にアークを発生させ、アークに直角方向に加えた磁界によってアークを駆動し、溶接全長を加熱した後、アプセット力を加えて行うアーク溶接のこと。

1-8:ガスシールドアーク溶接

アルゴン(Ar)やヘリウム(He)などの不活性ガスを噴射しながら、ガスで溶接面を空気から遮断(シールド)しつつ溶接を行うアーク溶接方法。アークや溶融池を空気から遮断し、溶融池を保護しながら溶接する方法。シールドガスには「アルゴン(Ar)ヘリウム(He)など不活性ガス」、他には「炭酸ガスやアルゴンと炭酸ガスの混合ガスなど活性ガス」が使われます。ティグ溶接、ミグ溶接、マグ溶接等が含まれる。

  

1-8-1:マグ(MAG)溶接

マグ(MAG)溶接とは、アーク溶接の一種で、消耗電極である溶接ワイヤーの周囲からアルゴンとCO2を混合したシールドガスを流しながら溶接を行う方法。おもに薄板軟鋼材の高速溶接に用いられ、スパッターが少なく、アークが安定化し易いのが特徴。

シールドガスに不活性ガスと炭酸ガス(CO2)を混合して使い、半自動溶接の一種として使われる溶接である。特徴として、アークを細くしてエネルギーを集中させる作用のある炭酸ガス(CO2)を不活性ガスに混ぜたものをマグ溶接という。炭酸ガスが化学反応を起こすため、アルミニウムなど非鉄金属の溶接には不向きである。

  

1-8-1-1:炭酸ガス(CO2)アーク溶接

   

炭酸ガス(CO2)アーク溶接とは、シールドノズルからCO2ガスを流出させ、アークや溶融金属を空気(酸素や窒素)から遮蔽しながら行う消耗電極式アーク溶接方法。

シールドガスに炭酸ガスを使うアーク溶接のことで、半自動溶接として使われる。空気中の二酸化炭素から抽出できる「炭酸ガスアーク溶接」が、もっとも一般的である。鉄系材料に使用され、アルミニウムなどの非鉄金属には不向きである。

    

1-8-1-2:混合ガス(Ar-CO2)アーク溶接

混合ガス(Ar-CO2)アーク溶接とは、Ar-CO2の混合ガス(アルゴンと炭酸ガスの混合ガス)を用い、溶接ワイヤにソリッドワイヤを使用する溶接である。

  

1-8-2:ミグ(MIG)溶接

ミグ(MIG)溶接とは、消耗性ワイヤーを電極としてワークとの間にアークを発生させ、シールドガスとしてアルゴンなどの不活性ガスを用いる溶接方法。主としてステンレス鋼やアルミ部品に適用。

大気と遮断させるシールドガス(アルゴンやヘリウム)を使って溶接するため、空気中の酸素の影響を受けずに溶接が進行し、熱の発生が局部的に留まるので、熱影響による歪みの発生が少なく、薄板鋼板の溶接に適している溶接である。

  

1-8-3:エレクトロガスアーク溶接

エレクトロガスアーク溶接とは、母材端と水冷銅壁で溶融池を囲み、溶接ワイヤにはソリッドワイヤやフラックス入りワイヤが用いて、炭酸ガス(CO2)などでシールドしてアークを発生させて行う一種の溶接である。

1-9:プラズマ溶接

プラズマアーク溶接は,プラズマガスと拘束ノズルによる熱的ピンチ効果を利用して細く絞ったプラズマアークを熱源とする溶接方法です。プラズマアーク溶接の大きな特徴として、集中した熱源となるため,母材に向かっての拡がりは少なく,幅が狭く,深い溶込みが形成できる。プラズマアーク溶接やプラズマジェット溶接がある。

拘束ノズルによる熱的ピンチ効果を利用して絞った高温プラズマ流を形成させ、これを溶接熱源として用いる溶接法。裏波溶接(キーホール溶接)で使われることが多い。また被溶接材を溶融するだけなのでビード余盛は、ほとんどない。継手としては主に突合せ継手に適用される。

②:ガス溶接

ガス溶接とは、可燃性ガス(アセチレン・水素・LPG)と酸素が結び付き、燃焼する熱を利用して、金属を加熱し接合を行う溶接する方法です。ガス溶接は、ガス制御が容易であるという特徴があるため、薄板や溶融点の低い金属などの溶接に適しています。アーク溶接と比較すると、熱の集中が悪く分散するため、溶接時の加熱範囲、加熱時間が大きく、金属によっては強度の劣化などが考えられます。

③:エレクトロスラグ溶接

エレクトロスラグ溶接とは、電導性の溶融スラグに電流を通じて高温を発生させ、スラグ中に連続的に溶接棒を供給することで、母材とともに溶接ワイヤを溶融させて行う溶接法です。溶融スラグの抵抗熱で溶融した母材と溶接ワイヤとの溶接金属を、おもに25mm以上の厚鋼板の突合せ縦向き溶接に、下から順次上方向に盛り上げて溶接していきます。溶融したスラグ・金属がこぼれないよう水冷銅壁で囲む特徴もあります。

④:電子ビーム溶接(EBW)

電子ビーム溶接(EBW)とは、高エネルギー密度の電子ビー ムを材料にあてると、瞬間的に溶融,沸騰し激しい蒸発飛散により搾孔現象を生じ、このビーム孔の壁がある程度の溶融層を持った状態で移動することにより溶接できます。真空中でフィラメントを加熱させ、放出された電子を高い電圧で加速させ、電磁コイルで収束させたうえで、母材に衝突させ溶接を行う方法です。特徴としては、溶接速度早く、深溶込みという長所もあるが、高真空雰囲気が必要で、磁界によりビームの偏向がおこるという短所もあります。

⑤:レーザービーム溶接(LBW)

レーザービーム溶接(LBW)とは、レーザー光線のエネルギーを利用して行う溶接のことです。高エネルギー密度のレーザ光を材料にあてると、瞬間的に溶融,沸騰し激しい蒸発飛散により搾孔現象を生じこのビーム孔の壁がある程度の溶融層を持った状態で移動することにより溶接できます。特徴として、大気中で溶接できビームの長距離伝送可という長所があるますが、一方で溶接開先は高精度必要で設備が高いということがあります。

⑥:光ビーム溶接

光ビーム溶接とは、大出力の光源から集光された光を溶接部に当てて、その光エネルギーにより溶接部を加熱して行う溶接です。

⑦:テルミット溶接

テルミット溶接とは、溶接継目のひとつで、酸化金属とアルミニウム間の脱酸反応を溶接に応用したものです。反応は強烈であり、生成する鋼の温度は、2,100〜2,400度といわれますが、取り扱いは比較的安全です。また、溶接設備が安く機動性があり、技術の習得が容易だという特徴があります。

▶︎【圧接】9種類

圧接加工とは、金属表面を密着させ、熱、圧力を加え接合する方法である。溶接の一種で、金属の表面を密着させ、熱、圧力を加えることで原子同士を金属融合させて接合する方法。【wikipediaより引用】

①:抵抗溶接

抵抗溶接とは、溶接したい金属の材料に電極を当て、加圧しながら電流を流しジュール熱を発生させ、その母体を溶解させ加圧する、金属の抵抗発熱を利用してナゲットをつくり溶融接合する。

1-1:重ね抵抗溶接

重ね抵抗溶接とは、溶接部である母材に強電流を流し、熱を利用して金属を接合する電気抵抗溶接である。抵抗溶接の一種で、溶接継手部に大電流を流し、発生する抵抗熱によって加熱し、重ね合わせた継手の両側から加圧し圧力を加えて行う溶接のこと。

 

1-1-1:スポット溶接

 

スポット溶接とは、材料に直接通電し、材料の抵抗および接触面の集中抵抗によるジュール熱を利用し溶融接合する。重ね合わせた継ぎ手の両側から、2枚の母材を電極で加圧したまま電極に短時間で大電流を流し、その接触面に発生する抵抗熱により母材内部で金属が溶解凝固を起して溶接する。電極チップと母材間の通電方式なので、電極は加熱されないように冷却水で冷却されている。3枚以上の板金を一度に接合することも可能であり、生産性が高く、製造コストが低いので、板厚の薄い鋼板を多く使う自動車などの大量生産でよく使われている。

【参照】:『スポット溶接(重ね抵抗溶接)の品質を安定させる基本』

 

1-1-2:プロジェクション溶接

 

プロジェクション溶接とは、抵抗溶接の一種。被溶接材の一部に突起を設け、突起部に電流を集中させることにより、効率的に溶接を行なうことを狙いとした溶接方法。ナットやボルトの溶接、電子部品の端子どうしの接合方法として、広く使われている。

2つの金属のうち、一方の溶接部にプロジェクション(突起物)を設けこれにより電流及び加圧力の集中を図り、発熱効率の高い溶接を行う。母材に設けた突起部に集中して通電させるため、溶接する母材の板厚が異なる場合でも小電流で電流密度を高くすることが可能で、確実なナゲットを形成し、良好な溶接ができる。

 

1-1-3:シーム溶接

 

シーム溶接とは、ローラー状の円盤状電極の間に材料を挟み、電極を回転させながら加圧し、連続的に通電を行い、スポット溶接を繰り返し、溶接ナゲットを少しずつラップさせて接合する方法である。自動車では燃料タンクなど気密性が必要な部品や防水性が必要な部位などに使われている。

連続した溶接部を形成し、高い溶接強度と封止効果を目的とする溶接方法。抵抗溶接では、電極を回転させ連続的なスポット溶接部を形成する方法、レーザー溶接では連続又はパルスのレーザー出力に対しワークを回転させる方法などがある。

1-2:突き合わせ抵抗溶接

突合せ抵抗溶接とは、抵抗溶接の一種で、溶接する母材の溶接継手の端面を突き合わせた端面を、抵抗熱で加熱・溶融とともに加圧して接合する抵抗溶接である。アプセット溶接は、突き合わせた端面に、あらかじめ圧力を加えておいて電流を流す方法。フラッシュ溶接は、通電初期には強い圧力をかけず、接触部が溶融、飛散して生ずるアークによる発熱をも加熱に利用し、最終的に強い圧力をかけて溶接する。

1-2-1:アプセット溶接  
 

アプセット溶接とは、溶接継手の突き合わせた端面に、あらかじめ圧力を加えておいて加圧・通電しながら抵抗発熱で行う溶接である。その抵抗熱により溶融した断面に圧力が加わり接合されるが、溶接部には据込み(アプセット)が発生する。

 

1-2-2:高周波誘導圧接

 

高周波誘導圧接とは、突合せ溶接継手部を加圧しながら、高周波誘導加熱を利用して行う溶接である。高周波の誘導に棒状の誘導子を用いたり、コイルを用いる方法があり、主に鋼管の縦シーム溶接などに用いられる。

 

1-2-3:フラッシュ溶接

 

フラッシュ溶接とは、通電の最初には単に接触させるだけで強い加圧を行わず、溶接電流を通じ、接触部が火花になって溶融飛散し、溶接面全体が十分加熱されてから強い加圧力で接合する溶接である。

 

1-2-4:バットシーム溶接

 

バットシーム溶接とは、突合せ面の一部を加圧しながら溶接電流を通電して加熱し、これを連続的に行って溶接する抵抗溶接である。主に鋼管の溶接に用いられる。  

②:鍛接

鍛接とは、2つの金属材料の表面を密着させ、熱と圧力を加えることで金属の接合部を半溶融状態まで熱し、熱と圧力を加えることで接合する圧接の一種である。

③:ガス圧接

ガス圧接とは、接合端面を突き合せて、圧力を加えながら、接合部を酸素・アセチレン炎で1200~1300℃ に加熱し、接合端面を溶かすことなく赤熱状態でふくらみを作り接合する。

④:パーカッション溶接

パーカッション溶接とは、半導体の溶接の為に開発を進められてきた加圧アーク溶接法である。溶接したい母材を接触させ、あらかじめコンデンサに蓄えられている電気エネルギーを母材の接触面を通じて放電し、発生するアーク熱のエネルギーで接合部を集中加熱して溶接を行う。

⑤:磁気駆動アークバット(MIAB)溶接

磁気駆動アークバット溶接とは、溶接する母材の継手の端面間に発生させたアークに直角方向に加えた磁界により、溶接全長を加熱したうえで、アプセット力を加えて行う溶接のことである。

⑥:摩擦圧接

摩擦圧接とは、接合すべき面を接触させ高速回転による擦り合わせで摩擦熱で加熱した後加圧し、接合する方法である。摩擦圧接の特徴として、溶接品質(強度)の安定度が極めて高いが、継ぎ手形状が制約される。

⑦:常温圧接

常温圧接とは、金属(母材)の接合部を摩擦や爆発によって加熱し,圧力を加えて接合すること。

⑧:超音波圧接

超音波圧接とは、超音波溶接とも言われ、超音波振動を利用して行う固相溶接のことである。母材を音極間に支持し、加圧しながら超音波を与え、その超音波振動を利用して接合を行う。

⑨:爆発圧接

爆発圧接とは、爆発溶接とも言われ、二種類の金属を火薬を爆発させる爆発力によって高速で衝突させ、ユゴニオ弾性限界以上の圧力で結合させる加工法である。

▶︎【ろう接】2種類

ろう接とは、接合する部材よりも融点の低い合金であるろうを用いて、母材を溶融させずにぬれ現象で接合する手段の総称である。【wikipediaより引用】

①:ろう付

ろう付けとは、被溶接材より融点の低い金属(ロウ材)を用い、被溶接材を溶融させず接合する方法。代表的なロウ材としては、銀ロウ・銅ロウ・はんだなどがある。

接合する部材よりも融点の低い合金を溶かして、接着剤としての役割を用いる。母材自体を溶融させずに、薄板や精密部品の接合ができる。

②:はんだ付

はんだ付けとは、熱で溶かしたはんだによって金属を接合する作業のことである。金属の接合で、大きな強度を必要としない用途に用いられる。対象とする主な金属としては、銅、真鍮、鉄(トタン、ブリキなど)、およびそれらにニッケルなどをメッキしたもの。

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