金属加工の技術:機械加工用語と解説

機械加工とは、切削工具や工作機械を用いて素材を加工すること。

  • 「機械」とは、動力源から動力を受けて目的に応じた一定の運動を繰り返し、一定の仕事をする装置。
  • 「加工」とは、原材料に手を加えて製品を製作すること。

切削加工・研削加工・研磨などの方法があり、旋盤・フライス盤・ボール盤・研磨機・NC工作機械・マシニングセンタなどの工作機械が使用される。

目次

▶︎【切削加工】28種類

切削加工は、切削工具類を用いて対象物を切り削る加工方法である。 除去加工とも呼ばれる。

インチング

インチングとは、駆動部の寸送り操作のこと。正転や逆転を細かく行うこと。主に旋盤加工で削られた切くずが長くのびるのを防ぐため、1操作毎に小刻みに発停を繰り返し、小刻みに刃物の送りを断続的にし、切くずを短く切る方法。
単ステップで位置を駆動する操作のことで、押しボタンやスイッチを押したとき駆動し、離すと停止するような操作をインチングという。

上向き削り

上向き削り(アップカット・アッパーカット)とは、切削方法において、フライスの回転運動の向きと工作物の送られる方向が、相反する切削方法。
上向き削りのメリットは、工作機械の剛性が低くても切削可能であり、仕上がり面も光沢が得られる。逆に短所は、切削の厚さが0から始まるため摩擦熱で工具に負担がかかる。

エアカット

エアカットとは、工具が被削材を加工するため切削送りを始めてから実切削が始まるまでの間のことをいう。ワークから十分工具を放して機械を動かして工具の動きを確認する作業のこと。
この作業(エアカット)を荒加工から仕上げ加工まで行い、動作確認で問題なければ実際に加工を行う。また、工具抜け側をいう場合もある。加工をしていないロスタイムとなるため可能な限り短く設定される。

送り

送りとは、切削・研削作業を連続的に行うために、切削工具または工作物を移動させるバイトを進めていく速度を「送り」という。
送りが速いほど、加工速度が速くなるが、加工面は荒くなる。送りが遅いときれいな加工面に仕上がる。この量を数値で表すために、送り速度または送り量が用いられる。送りには、ハンドルを操作する手動送りと、レバーの操作の自動送りがある。

送り分力

送り分力とは、切削する際に、被削材がバイトを押し戻そうとする「主分力・送り分力・背分力」の3つの力の一つ。工具にかかる切削抵抗のうち、被削材回転軸に平行な方向、つまり工具の送り方向に働く分力のこと。切削の切り込み量が増えると、送り分力も増加する。

オフセット

オフセットとは、NC機械で工具の長さや径によって考慮すべき、工作物と工具通路の差のことで、オフセット量とも呼ぶ。または、その差をNCプログラム上で補正すること。
オフセットとは、基準となるある点からの相対的な位置のことで、その言葉の意味は、埋め合わせる、相殺する、補う、補正する、などの意味を持つ。

勝手

勝手とは、左右の区別を要するバイトは、バイトのすくい面を上にして、刃部からシャンクの方向を見た時、主切れ刃が右側にあるものを右勝手、左側にあるものを左勝手という。バイトの刃を取り付けた面を上にして、刃部からシャンクの方向を見たときに切れ刃がそれぞれ右、左を向いているものを右勝手と左勝手という。
また、使用上回転方向の区別を要するカッターなどは、主軸側から切刃の方向を見たとき、右回りで切削する場合を右勝手、左回りの場合を左勝手という。

乾式切削

乾式切削とは、摩擦抑制と冷却のための切削油剤を使用しないで切削加工を行うこと。
乾式切削のメリットとして、廃液処理が不要・加工物や環境が汚れない・加工中切粉が除去されやすいなどが挙げられる。デメリットとしては、切削加工中に粉塵が飛散したり、刃持ちが悪く加工面が悪くなる場合もある。

切りくず

切りくずとは、切削作用によって工作物から取り除かれた工作物の小片。被削材の材質、刃先の形状や材質、切削速度や切込み・切削油剤などの切削条件によって形状が異なるり、流れ形、せん断形、むしれ形、亀裂形の4種類がある。
「流れ形」は、バイトのすくい面を切りくずが流れるように出る。「せん断形」は、せん断面でせん断された、短い切りくずが出る。「むしれ形」は、被削材の表面がむしれながら切りくずが出る。「亀裂形」は、ねずみ鋳鉄のような、もろい材料を切削した時に出やすい切りくず。の4種類がある。

クレーター摩耗

クレーター摩耗(すくい面摩耗)とは、切屑が刃物のすくい面を高温、高圧の状態で擦過する時に生じるくぼみ状の摩耗のこと。切削中にバイト上面の組織が、発生する切り屑の裏側について少しずつ持ち去られ、その後が月面クレータのような形状になる。
一般に鋼の切削など、連続した切屑が発生する場合、擦過距離に比例しクレーター摩耗も大きくなる。原因は、工具材種が軟らかい・切削速度が高い・送り量が高いなどあり、切削速度を下げるなど対策を行う。

芯もみ

芯もみ(センターモミ)とは、ドリルによる穴あけや旋盤や研削盤で加工するための基準として、センタードリルで印を付ける加工のこと。円筒形ワークの両端の中心を求めるためのセンター穴を加工すること。
また、円筒部に潤滑穴等の穴加工を施す場合、ドリル先端は鋭くないため、加工時に位置が定まらずに振れるのを防ぐため、センターモミで位置を決め、食い付き時の求心性を確保しドリル加工を安定させる。

成形歯切法

成形歯切法とは、回転運動あるいは往復運動するカッターの切刃の歯形がそのままワークにうつり、歯形を形成するような歯切法。ラックの歯形形状をねじの様に1回転させた回転体の形状の工具である。そして所々に切り欠きがあって、この角が切削を行う歯になっている。
ホブ盤(歯切り用加工機)などNC歯車加工機が開発により、切削速度の調整や歯数の指定などが容易にできる。

切削抵抗

切削抵抗とは、切削時に被削材がバイトを押し戻そうとする力のこと。切削時に切粉を除去する反力と、工具と被削材との摩擦力により工具にかかる力である。
切削抵抗は、力のかかる方向によって、主分力・送り分力・背分力の3つに分けられる。また、工具、加工法により、1.主分力、送り分力、背分力と、2.トルク、スラストとを使い分けることができる。

創成歯切法

創成歯切法とは、歯切法の一種。歯車の元になる円盤にラック形の切削工具を押しつけることで、円盤の周囲を削り込む加工法。回転あるいは、往復運動するカッターの切刃と、その動きによって空間上に作り出される創成歯車とワークを、相対的に回転運動させて歯を作り出す。
創成歯切法は、精度の高い歯車ができる反面、加工コストがかかるデメリットがある。

タッピング

タッピングとは、ねじ切削加工法の代表的なもので、タップと称するねじ形状の工具を用いて行う加工法で、雌ねじを作るときはタップ、雄ねじを作るときはダイスを使う。
加工物と工具との間に相対的回転を与え、切削油を塗り、最初軸方向に適当な推力を加えて喰い付かせると、工具自身が持つリードによって軸方向の相対運動を生じ、タップをゆっくりと時計回りに回してねじ山を削り出す。また、細いタップは切り屑がたまったり変な力がかかってしまうと、簡単に折れてしまう。

断続切削

断続切削とは、切刃が被削材に対し、接触状態、非接触状態を繰り返しながら切削すること。刃先に繰り返し衝撃がかかるため、刃先の丸みを大きくしたり、靭性の高い工具材質を使うなどの工夫が必要。
断続切削の加工上の注意点は、切刃と材料との接触が途切れ途切れに発生する。一度材料から離れた切刃が再びワークと接触する時、切刃と材料が高速でぶつかることで、切刃の破損が起こりやすくなる。

チャンファリング

チャンファリングとは、製品のエッジ部や角部の面取りする加工法。ギアまたはスプラインの側端部に行う面取り加工のこと。先端にテーパがついたパンチで加圧して、穴縁の面取りを行なう加工する。
例えば、トランスミッションで、シフトをしやすくするために、スプライン同志の喰い付き部に行う角形状の角面取り加工をいう。エンドミルカッターなどを用い、片歯ずつ加工する。

転造

転造とは、被加工物に刃付工具を押付け、塑性変形により歯を創成する加工法。強い力を加えて素材を変形させる塑性加工の一つで、棒状の加工素材を回転させながら、転造ダイスと呼ばれる工具により成形する方法。
転造は、おねじの加工用に開発された加工方法で、ねじ・ウォーム・歯車・スプライン・球・ドリルなどの加工に用いられる。被加工物を加熱する熱間での方法と、加熱しない冷間での方法とがある。切削加工に比べて加工時間が短かく材料の歩留まりが良く量産向き。

倣い加工

倣い加工とは、モデルと同じ形に削り出す自動旋盤の一種である。モデルやゲージ形状を検出する機能で、トレース(原図を薄紙などに透かして敷き写す)することで、同一形状にワークを加工する。曲面倣い、輪郭倣い、三次元倣いなどの種類がある。

刃受け

刃受けとは、フライスカッター・リーマーなどの外周切刃の研削時に、割り出しとねじれ刃研削に使用する道具。研削する刃先を定位置に支えるもの。
万能工具研削盤で使用する工作物を研削するための刃先の位置を、研削が正常に行うことができる定位置に支えるための部品のこと。工具の分割精度・リード誤差に研削精度が影響を受けない方法である。

被削性

被削性とは、機械加工における削りやすさの総称。被削性の良い材料とは 、削りやすい材料のこと。反対に被削性が悪い材料は削りにくい材料」のこと。
被削性の判断基準は、加工する工具の寿命や、切りくず処理の難しさ、寸法精度の出しやすさ、加工面の仕上げやすさなど、様々な要素がある。1加工時の切削抵抗が低い。2工具の損傷が少なく、工具寿命が長い。3加工面のムシレ・ひびりなどがなく良好な加工精度が得られる。などにより総合的に判断する。

ピニオンカッター切り

まず、ピニオンカッタとは、歯車を歯切り盤で創成切削する際に用いられる歯車型をした切削工具のこと。
そのピニオンカッタを使うピニオンカッター切りとは、ピニオンカッターをカッター軸の方向に往復運動させ、切刃が現す仮想歯車と被削歯車が正しくかみ合いながら回るように、歯車材とピニオンカッターを回転させるとともに軸間距離を近づけていき、歯を創成する歯切法。

ブローアウト

ブローアウトとは、ノズルよりエアを放出し、穴の中に入っている切屑や切子など残留物を出すこと。通常、穴加工時に残った切屑を除去し、ねじ加工時にタップが切屑につかえて折損することを防ぐ目的で使われる。
工作機械の主軸や送り機構などの機能を単体として独立させたものをユニットを複数台配置し所要の加工を連続的に処理する工作機械群をトランスファーマシンという。そのトランスファーマシンの中で穴検知装置の検知棒とノズルを兼用させて行うことが多い。

ボーリング

ボーリング(中ぐり)とは、単刃(シングルポイントカッティングツール)を用い、粗材穴やドリル加工穴など円筒状の穴をくり広げて、必要な精度の穴に仕上げる加工法である。またドリルで開けた穴を大きくする過程のこと。
ボーリングは、直径、真円度、円筒度、真直度、位置度、相互間ピッチ、アライメント、表面粗さなど、穴の径をより正確にするためなど用途に応じ、それらを満足させる精度を得ることが可能。

ホブ切り

ホブ切りとは、ホブをホブ軸に取り付け、ねじ状工具(ホブ)に一定の回転運動を与えて、工具の切刃が作る仮想ラックと理想的にかみあう回転を歯車素材に与えることで、歯を創成加工する歯切法。平歯車、はすば歯車、ウォーム歯車などの歯車の歯切りに用いられる。

ミーリング

ミーリングとは、円筒外周に多数の切刃をもった切削工具(フライス)が回転して、工作物を直線運動させて所要の形状を削り出す切削加工。回転軸に平行に運動させ、工具の外周面を加工する平フライス削りと、回転軸に直角に運動させ、工具の円筒端面を加工する正面フライス削りがある。
ミーリングの特徴として、切れ刃が被削材に食い込み、切削加工が進行していく断続不均一切削であり、切れ刃には被削材に食い込むときの衝撃と、切削時の摩擦による急激な熱衝撃が挙げられる。

ラインボーリング

中グリ加工法の一つで、穴をバイトでくり広げる切削である。中ぐり棒と言われる両端を支えて中ぐりを行う棒の一端を中ぐり棒を外側で支える柱で支え、同一軸線上にある数カ所の穴を、1本のボーリングバーで、同時に加工する。

ローソク研ぎ形状

ローソク研ぎ形状とは、ドリルの先端切刃形状の一種。切刃形状がローソクの先端に似ていることが特徴。主に厚さの薄い鉄板の穴明け、スポット溶接の除去の穴あけに最適で、外周から削るため穴が真円に近く、穴あけスピードも早くバリも少ない。

▶︎【研削加工】26種類

研削加工とは、砥石を高速に回転して材料の表面を削る加工法のこと。

インフィード研削

インフィード研削(停止研磨)とは、センターレス研削盤でプランジカットをする研削方法。工作物はブレードと調整砥石によって支持され、軸方向の動きを停止させた状態で、研磨砥石と調整砥石を半径方向に送り込みプランジ研磨する方式である。
加工物の形状に適した調整砥石やブレードを使えば、段付きの軸やテーパ軸などの研磨も可能。ただし、調整砥石の幅以上の加工物の長さのものは研磨できない。

エキセントリックリリーフ研削

エキセントリックリリーフ研削とは、エンドミルカッターの外周切れ刃を研削仕上する形状の1つ。エンドミルとは、切削加工に用いる切削工具であるフライスの一種。
ドリルに似ているが、ドリルは軸方向に推進し、円形の穴を空ける用途であるのに対して、エンドミルは側面の刃で切削し、軸に直交する方向に穴を削り広げる用途に用いられる。円弧形状の膨らみをもっている。
刃先強度が高く、良好な加工面が得られるため、広く用いられる。その他、円弧状のへこみをもつコーンケイブ研削、直線形状のフラット研削がある。

液体ホーニング

液体ホーニングとは、液体ホーニング盤を用いる表面仕上法の一つで、細かい砥粒と水の混合液を液体に混ぜ、圧力をかけたエア、水とともにノズルから高速で噴射して、工作物表面の意匠仕上げ、バリ取りを行う表面を仕上げる加工法。
液体ホーニングの目的は、梨地面(微細凹凸状態) にすることを目的とし、加工した表面は耐摩耗性が向上する。

オシレーション研削

オシレーション研削(揺動研削)とは、高速回転するワークに対して、砥石が左右あるいは上下に、周期的に揺れる動きをしながら研削していく。
超仕上げ加工やカム研削、ラッピング等でも使われる研削法で、通常の研磨・研削に比べると面仕上が高精度で仕上がる傾向がある。

円錐研削

円錐研削とは、穴あけドリルの先端切れ刃を研削仕上する形状のひとつ。最も一般的な研削法で、逃げ面を円すい面として研削するため、外周よりも中心部に近づくほど逃げ角が大きくなる。
円錐面から成り立ち、原理が簡単で、しかも融通性が広いという特徴を持っている。ドリルの中心付近に大きな逃がし角度をとるのに適している。

円筒研削

円筒研削とは、加工物を図のように両センター間に支持し、回転させながら砥石の外周により行う研削加工をいう。
円筒研削は、円筒状の工作物の外面を研削する加工であり、工作物は両端のセンタで支持され、旋盤の場合と同様に回転運動が与えられる。砥石は同様に回転運動し、円形の側面で研削を行う。
この研削では、その送りの方法により、トラバース研削、プランジ研削に分けることができる。しかし能率的には、プランジ研削の方が高く、砥石の幅に比べ加工物が長いときだけ、トラバース研削が用いられる。

クリープフィード研削

クリープフィード研削とは、虫が這うような非常に遅い低速送りと、通常研削の数十倍から数百倍の切り込み量を与えて、砥石の切込量を研削取り代とほぼ同程度にすることで、1パスで仕上げを終了する研削加工法である。
研削能率が非常に高いため、砥石摩耗は比較的少なく、その進行も均一で、仕上面の粗さ、仕上面の精度の低下も少ない。

研削

研削とは、砥石を使用して工作物表面を削りとる加工法のこと。高硬度の研磨材を焼固めた研削砥石を高速回転させ、砥粒加工の角で工作物を少しずつ削って狙い形状、寸法、表面状態にする。
特徴としては、切刃がとがった微細な砥粒であるため、切り屑がきわめて細かいため、極めて精密に切削できる。ちなみに砥粒はきわめて硬く、通常バイトでは切削困難な焼入れ後の鋼製部品や超硬合金でも良質な加工が可能なため、最終仕上げ工程に用いられることが多い。

研削サイクル

研削サイクルとは、研削盤において、研削加工そのものの動きの一巡の流れのこと。砥石台早送り後、エアカット、粗削り、精密研削と徐々に切込みスピードを落とし微小研削の後、目標寸法位置で停止してワークの歪みを除去するスパークアウトを配する。
研削サイクルを伸ばす工夫として、砥石ドレスすることで砥石の寿命を延ばし、ドレスにより砥石と工具間の研削力が減少しサイクルタイムも削減。その結果、工具製造能力も改善し最終的に利益向上に繋がる。

研削抵抗

研削抵抗とは、研削加工中に、研削点から砥石に加わる力をいい、研削抵抗が大きいと、加工物が研削焼けや研削割れを起こしたり、研削砥石の摩耗の増大をまねく。
一般に、研削抵抗が小さい方が切れ味が良く、反対にこの研削抵抗値が大きい場合、砥石が対象を十分に削れていない状況が想定される。研削抵抗を減らすには、切込み量や送り速度を小さくしたり、研削速度を大きくするなどの方法がある。

研削比

研削比(グラインディングレシオ)とは、加工物を研削や研磨によって削り取られた体積と、それによって砥石が摩耗した体積の比のこと。研削砥石の摩耗度合い(コスト算出)を比較する時には、単なる摩耗寸法ではなくこの比で比較する有用な指標である。「研削比=加工物を研削した体積÷砥石が摩耗した体積」で計算され、値の大きい方が砥石の摩耗が少ない。

センターレス研削

センターレス研削とは、円筒研削の一種で、円筒形状の工作物を砥石車、調整車、ワークレストの三つにより位置決めして、固定された工作物支持刃と回転する調整車及び研削砥石の間で支持し、工作物の回転と送りを調整しながら工作物外周を研削加工を行うものである。
また、工作物の着脱が簡単であり、両センターを支持できない工作物の加工も可能なため、単純な円筒部品の量産化にも適している。

超仕上げ

超仕上げとは、砥石を用いる精密加工法の一種で、粒度が細かく結合度の比較的軟らかい砥石を回転する加工物に低い圧力で押しつけ、振幅1~5mm、振動数10~40Hz程度の相対振動を与えて、加工物を精密に仕上げる加工法である。
超仕上げの特徴として、表面粗さが小さく、加工変質層の厚みも小さい良好な加工面が得られる。一般に面粗度、真円度など0.1μm程度の表面粗さを必要とされる最終仕上げに用いられる。

ツルーイング

ツルーイングとは、異形となった砥石表面を形直しする作業のこと。取り付けられた砥石の振れを取り除いたり、加工物の形状に合わせて所定の形状に仕上げる作業のこと。
この工具としては、ダイヤモンドドレッサが多く使われている。ツルーイングを行えば、ドレッシングも同時に行うことになる。ドレッシングとは形直し後に砥粒の突き出し量を調整したり、鈍化した砥粒の切れ刃を創生する作業のこと。

トラバースカット

トラバースカット(トラバース研削)とは、円筒物研削法の一種。トラバースとは横断や横移動という意味で、加工物を固定し回転させ、研削砥石と工作物に相対運動を与え研削する加工法。砥石を取り付けた工具台を横移動させて研削することをトラバース研削という。

ドレッシング

ドレッシングとは、砥石の研削性能が低下したときに、切れ味を再び回復、向上させるために行う作業。砥石の目を立てる作業のため、目たてとも言われる。
これにより砥石表面上の目つぶれした砥粒に新しい鋭利な切刃を形成させたり、目づまりした気孔から切屑を除去し新しい気孔をつくる。
この砥石の表面を砥ぎなおすドレッシングでは、表面の目詰まりと、砥粒自体が摩耗して目つぶれ、砥粒が脱落している目こぼれがある。

内面研削

内面研削とは、円筒内に研削砥石を入れて行う円筒内面の研削加工。穴の内面を研削する際、工作物を回転させ、その穴に回転する砥石を挿入して研削する加工。
工作物回転方式と、大形工作物や、チャックでつかみにくい工作物を加工するときには、砥石軸に遊星運動を与えて研削するプラネタリ型の研削が行われる。 この研削では砥石軸を高速回転させるため、振動に注意する必要がある。

バレル加工

バレル加工とは、バレルと称する容器内に研磨材とコンパウンドを装入し、回転または振動させて表面の仕上げを行う加工のこと。
回転・振動などによってバレルと称する容器内の加工物と研磨材との間に相対運動を生じさせて、加工物表面の研削・研磨を行う方法。バレル加工の長所は、生産能率向上と表面の平滑化・加工硬化による機械的性質の向上が挙げられる。

プランジ研削

プランジ研削とは、プランジカットのことで円筒物研削法の一種。円筒研削で、研削砥石を工作物半径方向に送り、回転させている加工物へ砥石を当て、ワークに垂直に押し当てて研削する加工法。
砥石を数枚重ね合わせることによる数ケ所同時研削や砥石外周を所定の輪郭に成形することによる段付き円筒物の研削も可能。砥石を前後に動かしてワークを削る、一般的な加工方法である。

歯車研削加工

歯車研削加工とは、歯車の歯面を砥石で研削する加工のこと。成形砥石による歯溝の形に仕上げた成形砥石を用いて歯面を研削する成形研削と、インボリュート歯形の創成と同じ原理に基づく創成研削とがある。一般的には創成研削が多い。

平面研削

平面研削とは、工作物の平面を研削する加工のことで、用いる機械を平面研削盤という。工作物を保持するテーブルが、長方形で往復運動するもの、円形で回転運動するものがある。また、砥石軸の方向により、円筒形砥石の側面で研削を行う場合と、円筒面で研削を行う場合がある。
一般に、平形砥石の外周面、側面、カップ形、セグメント砥石の端面を用いて加工され、砥石側面での研削は面粗さ、寸法精度の良い仕上げ面が得られ、円筒面での研削は研削能率が良く粗仕上げに向く。

プレホーニング

プレホーニングとは、工具の刃先稜線に施す微小な面取で、とぎ上げともいう。数本の砥石片をバネや油圧を利用して加工物に押しつけ、回転運動と往復運動を同時に行わせて表面の加工を行う砥粒加工の一種。
超硬合金やサーメットのように、硬くて耐摩耗性に優れる刃先は、欠損・刃こぼれしやすいため、欠損を防ぐために行う。このプレホーニングは、高品質な表面が得られるため、精密部品などの最終仕上工程として用いられることが多い。

ペーパー仕上

ペーパー仕上とは、表面に砥粒を塗付した布または紙を用いたサンドペーパーによる表面仕上法。サンドペーパーの表面には研磨材が付いていてその粒度によって、番手という数字で表され目の粗いものから目の細かいものもであり、方向性のある荒れ面を比較的自由につくることができる。
研磨剤の目の細かいものなら研削工程での形状公差を崩すことなく表面仕上を行うことができ、さらには曲面を滑らかな面に仕上げることも可能。サンドペーパーは棒状のやすりと比べると用途が広く活用できる。

ホーニング

ホーニングとは、ホーン仕上げとも呼ばれる加工法で、円筒外周上に保持された数個の棒状砥石を強制的に加工物に押付け、回転と往復運動を与えながら、多量の研削液を注ぎ磨き上げ、工作物の穴内面を仕上げる工作法である。
円筒外周上に保持された砥石は、円筒状の保持具より外向きに力が加えられており、工作物の穴内壁に押しつけられる。 この砥石を回転させながら往復運動させることで、精密仕上げが行える。主に円筒内面に対して、前加工の真円度・真直度・平行度などの誤差を修正し、かつ高い径寸法精度を得る。

ラッピング

ラップ仕上げともいうラッピングとは、表面仕上げ法の一種で、ラップ板と呼ばれる加工機の平面の台上に工作物を置き、ラップと工作物下面間に、砥粒としてラップ剤を挟み、工作物に上から圧力を加え両面をすり合わせて仕上げる研磨方法である。
ラップ仕上げの特徴として、操作が簡単で、精度の高い加工が可能であるため、平滑な表面を得る仕上げ加工として、ゲージ類や軸受け用ローラ、電子部品などの加工に用いられる。

リード研削

リード研削とは、エンドミルカッターなど、外周切刃がねじれた切削工具で、外周切刃を研削するフライスの一種。ドリルに似ているがドリルの用途とは違い、側面の刃で切削し、軸に直交する方向に穴を削り広げたり、端面を平滑に仕上げる際にも用いられる。ドリルのように穴あけ加工には適さないが、下穴を開けておくことで、穴開けも可能である。
このリード研削は、ねじれ溝にそって被研削物を回転させながら、砥石または被研削物を長手方向に移動することにより行われる。

▶︎【洗浄加工】4種類

洗浄とは、水や洗剤などの洗浄液を用いて汚れを取り除くこと。

高圧洗浄

高圧水発生装置で、加圧された高圧水をノズルから高圧の洗浄液を噴射させ、その衝撃力を利用するによって洗浄する方法が高圧洗浄である。一般の洗浄圧力は0.2〜0.3MPaだが、高圧洗浄では10〜30MPaの洗浄圧力を使用。
洗浄作用とともに高い物理的衝撃を利用して、主としてアルミ部品などのバリ取りに用いられることが多く、外壁塗装工事では高圧洗浄機でチョーキング粉、汚れ、藻、苔などを落とすのの使用する。

シャワー洗浄

シャワー洗浄とは、洗浄方法の一種。ポンプで加圧された洗浄液をシャワーノズルから噴射させて洗浄を行う装置で、ノズルにてシャワー状にしてワーク表面の脱脂・異物除去を行う。
化学的な洗浄力と、シャワーの洗浄力を併用した洗浄手法。ダメージに弱い対象物を洗浄する方法で、すすぎ工程や仕上げ工程に用いる。

ディッピング洗浄

ディッピング洗浄とは、洗浄液の中にワークを入れ、一定時間浸しワークを揺すって洗浄する洗浄方法。その後、水洗などにより洗浄液を除去する方法が一般的に採用。非常に簡単な洗浄方法であるが、シャワー洗浄などに比べ洗浄の効果が低いので、あまり使用されていない。
洗浄の設備費は比較的安価であるが、洗浄液の汚れ、洗浄後の処理方法によっては確実性に乏しく、洗浄時間もかかり、高精度の洗浄には向かない。

防錆洗浄

防錆洗浄とは、防錆剤または防錆効果の高い洗浄剤を用いた防錆を目的とした洗浄。金属加工において、切削やプレス成形で出る切粉や金属粉、水溶性加工油剤の水分も防錆効果を妨げる要因となる。
そのため前処理の防錆洗浄で、溶剤脱脂やアルカリ脱脂、脱水防錆油(水置換性洗浄剤等)を使い、金属製品を洗浄して腐食要因を取り除くと、防錆油が最も有効に働く。
この防錆洗浄は、脱脂洗浄と呼ばれる、金属などの接着面に塗布する前に付着した防錆油、切削油などの不純物を取り除く作業と同時に行うのが一般的である。

▶︎【部品締結】4種類

カシメ

2つ以上の部品を締結するために、部品を、プレス機械などで塑性変形(部品に外力を加えて変形させ、その後、外力を取り去っても残る変形)させること。代表的なものに、リベットのカシメがある。リベットとは、頭部とねじ部のない胴部からなり、穴をあけた部材に差し込んで専用の工具でかしめることで反対側の端部を塑性変形させて接合させる部品。
特に、リベット継ぎ手からの流体の漏出を防ぐため,リベット締めをする方の鉄板の縁をたがねで打って地と密着させること。安価なことが特徴。

降伏点締付け

ボルトの締付方法の一つで、ボルトの降伏点を検知し降伏点まで締付ける方法。
今までの締付けトルク管理では、ボルト座面の摩擦係数のバラツキで、精度の安定する締め付けが難しかった。この降伏点締付けのメリットとして、トルク法のバラツキも半分以下になり、ボルトサイズも小さくできる。

レーザー加工

レーザー加工とは、工作物にレーザー光線を使用して加工する方法で、自由な曲線で切断したり、穴開け、溶接、表面処理などをすることが可能である。レーザー加工の特徴として、材料に接触せずに加工できるため、歪みが生じやすい薄い部品の切断ができるなどの長所があり、精密で複雑な形の加工や、狭い部分の溶接や表面処理にも適している。
固体レーザー(YAGレーザー)を用いて難削材料の微細せん孔や微細溶接などの微細加工を行うものと、ガスレーザー(炭酸ガスレーザー)を用いて、大容量の連続的な切断・溶接を行うものがある。

溶着

溶着とは、樹脂を接合する技術の一種。材料を加工する際、加工熱によって被削材が溶け工具に付着、堆積すること。熱可塑性の樹脂部材を融点を超えるまで加熱し、圧力を加えると分子レベルで結合する。
延性の高い軟鋼・ステンレス・アルミニウム・銅合金を加工する時ほど溶着しやすく、それを防止するため、加工時に切削油剤を使用したり、工具の切刃を鋭くしたりする。

▶︎【その他】3種類

クロスハッチ

クロスハッチとは、シリンターの内壁は、ピストンとピストンリングがすべりながら摺動するので、内壁がツルツルだと摩擦抵抗が少ないものの、潤滑性能で劣るため、内壁面にわざと傷をつけて、油膜を張りやすくして、潤滑性能を向上させる。
クロスハッチとは、円筒内面の精密仕上法であるホーニング加工により仕上面にできる斜交した平行線のことで、クロスは交差、ハッチは平行線のことである。シリンターの内壁にホーニングヘッドの回転と加工物全長にわたる往復運動との合成された軌跡を描くことにより砥石面上の砥粒で傷をつける。これがクロスハッチ。

ブランク加工

ブランク加工とは、プレス加工の基本とも言える加工法。精密板金加工で初めに行われる加工工程で、粗材の駄肉を機械加工にて、仕上げ寸法にする総称。ブランクとは、プレス加工に用いる板状の素材(鋼板)のことで、所定の形状、寸法に切断されているもの。
鍛造、鋳造品の粗材を、外径、内径、端面、穴明など焼入前に必要とする全ての機械加工を行ってしまう工程名称として使用する場合が多い。

ローラー仕上

ローラー仕上とは、表面をきわめてよく仕上げたローラーを、加工物の仕上面にローラーの荷重で強い圧力を押し付け、金属表面を押しつぶして、ころがり運動またはすべり運動を行わせることで、加工物の表面をなめらかに仕上げる塑性加工を応用した鏡面仕上げの一種。
ローラー仕上の特徴としては、短時間で表面粗さが向上し表面が加工硬化するため、残留圧縮応力が生じて、耐摩耗性の向上・疲労強度向上などの優れた仕上がり面を得ることができる。

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