金属加工の技術:めっき加工用語と解説

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▶︎【めっき加工】34種類

「めっき」とは、表面処理の一種で、材料の表面に金属の薄膜を被覆する加工法のこと。被めっき物の表面状態を改善する為に、表面を別の金属の薄膜で被覆する加工でもある。

「技術」とは、ものごとを取り扱ったり処理したりするときの方法や手段や技。ものごとを匠に行う技。何らかの目的を達成するために用いられる手段・手法のこと。

亜鉛置換

亜鉛置換とは、アルミ素材にめっきをするときの付着性を向上のために、アルミニウム素材に無電解ニッケルめっきする時の前処理として、酸化亜鉛を溶解した高濃度アルカリ溶液に浸漬して亜鉛を置換析出させる処理のこと。アルミニウムには自然酸化皮膜があり、酸化皮膜を除去すると同時に、新しく露出した表面に密着性のよい金属皮膜を形成し、再酸化を防ぐ。そのために一般的に亜鉛置換処理を行う。

アルカリ洗浄

アルカリ洗浄(アルカリ脱脂)とは、ワークに付いた油分の除去を目的とした洗浄方法である。焼入品、めっき部品などを苛性ソーダ、炭酸ソーダ、ケイ酸ソーダ、リン酸ソーダ、青化ソーダ等のアルカリ溶液にディッピング(浸漬)、電解、シャワリングして洗浄する。素材を動かしたり超音波を併用すると効果が増す。安価な方法であるが、非鉄金属の素材表面が溶解、変質など荒れやすいのが欠点でもある。

アルマイト処理

アルマイト処理とは、アルミニウムの表面に陽極酸化皮膜を作る処理のこと。アルミニウム専用のめっき加工処理で、白アルマイト加工処理と着色アルマイト加工処理がある。製品を陽極にして硫酸、しゅう酸、クロム酸等の浴中で電解。アルミニウムの表面に多孔質だが電気絶縁性が高く耐食性、耐磨耗性の酸化皮膜が形成される。耐食性、耐摩耗性の向上、装飾性の向上を目的に行う。

エッチング

エッチングとは、化学薬品などの腐食作用を利用し、金属または非金属表面を化学的または電気化学的に侵食させ除去する表面加工の技法である。使用する素材表面の必要部分にのみ防錆のレジスト処理を行い、不要部分を腐食剤で溶解侵食・食刻する。この技法は、プリント配線基板、ネームプレート等の製作に利用されている。

エッチング処理

エッチング処理とは、物体の一部を化学薬品などの薬液により腐食溶解させ、腐食作用を利用した塑形ないし表面加工の技法である。使用する素材表面の必要部分にのみ防錆のレジスト処理を施し、腐食剤によって不要部分を溶解侵食・食刻する。化学めっきをプラスチックに行う場合、素地とめっき層との密着性を増す目的で行う化学的表面粗化工程でもある。

逆電処理

逆電処理とは、めっき作業などで通常の極性を変えて電解すること。例えば硬質クロムめっきを処理する際、付着性改善のためめっき浴中で、被めっき物を陽極処理してから極性を切り替えて、めっきすることがあるが、これも逆電処理の一つである。また、めっき皮膜を剥離するとき、陽極処理して電解剥離する。これを逆電処理という。

黒色めっき

黒色めっきとは、黒色に仕上がるめっきの総称で、亜鉛めっき後の黒色クロメート・無電解ニッケルめっき加工処理後の黒色・黒染加工処理・リューブライト加工処理・ブラックステンコート・黒色ニッケルめっきや黒色クロムめっき等がある。亜鉛めっきではめっき後、黒色クロメート処理によって黒色化される。

クロムめっき

クロムめっきとは、電気めっきの一種。水道の蛇口に使われているホワイトシルバー色のメッキである。これは、クロム酸の溶液を使用し、鉛の陽極を用いて、液中のクロムイオンを製品に電解析出させるめっき方法である。非常に耐食性が良く、光や熱の反射性が良いため装飾めっきの最上層や耐摩耗性を必要とする部品に使われている。

クロメート処理

クロメート処理とは、六価のクロム酸を主成分とする処理液で表面処理する方法のこと。亜鉛やアルミ、マグネシウム等の金属を希薄なクロム酸を主成分とする液中に浸漬し、金属表面に薄いクロム酸クロムの皮膜を生成し防錆力・耐食力を向上させる。主には、ねじ類の防錆力・耐食力の向上が多い。

合金めっき

合金めっきとは、被覆する外層金属が単一ではなく2種類以上の金属の合金となっているめっきのこと。

硬質クロムめっき

硬質クロムめっきは、ビッカース硬度800~1000Hvと最も高い硬度を持つ比較的厚いクロムめっきである。耐候性や耐摩耗性に優れ、大気にさらされても光沢が保たれる。加熱するとめっき皮膜中の水素の放出が起こり硬度が低下する特徴がある。

高速度めっき

高速度めっきとは、電気めっきにおいて①めっき液を高速で流動させる方法、②めっき浴の温度を上げる方法、③被めっき物を浴中で動かす方法、④めっきしながら浴中で、めっき面を摩擦する方法等があり、これらの方法が併用される事が多い。高速度めっきの問題点は、①めっき皮膜の物性の変化、②電流分布の悪化、③めっき浴の管理などが挙げられる。

コンポジットめっき

コンポジットめっきとは、めっき皮膜中に微粒子を析出させ、めっき皮膜に微粒子の特性を加味させためっきのことである。不溶性の微粒子をめっき液中に分散させて共析させるめっきで、硬度や耐磨耗性を持たせるためにシリカ・アルミナ・フッ素等の微粒子が用いられている。

酸洗浄

酸洗浄とは、金属の熱処理、溶接、ロウ付けなどでできたスケール・酸化膜・不動態皮膜・錆等の酸溶解性物質を硫酸や塩酸などで除去と金属表面の活性化の為に行われる処理のこと。使用する酸は、酸と洗浄する金属の生成物が水溶性であり、次工程の水洗により金属表面に汚染物が残らない事、研磨作業の手間を省くことが重要。特に、酸処理が不十分だとめっきの密着不良につながる。

真空蒸着

真空蒸着とは、成膜技術の一つで、真空中で金属、酸化物、有機物等を加熱し蒸発した分子を、蒸気温度より低温の被処理物に付着させることにより、表面で蒸気が凝縮し、0.05〜0.1μmという極めて薄い膜が得られる、蒸着薄膜が形成される技術である。

ジュールニッケルめっき

ジュールニッケルめっきとは、複合めっきの一種である。ニッケルめっき浴中にシリカ・アルミナ・カオリン・硫酸バリウム等の非電導微粒子を分散させるめっき方法。上層にクロムめっきを0.25μm程度ほど薄く付けることにより、クロム表面が多孔性皮膜となり、耐食性が向上する。

スズ亜鉛めっき

スズ亜鉛めっきとは、金属の表面にすず70〜80%、亜鉛20〜30%の薄膜による表面の被覆。すずの割合が多い合金めっきで、有機カルボン酸浴とアルカリ性浴があり、はんだ付け性、塗料密着性、展延性など加工性がよいメリットがある。塩水、亜硫酸ガスによる腐食に対し優れた耐食性を示す。海洋機械、機器、自動車の地金属を腐食から守る塩害対策に有効である。

ストライクめっき

ストライクめっきとは、素地の不働態皮膜を除去、活性化しメッキの密着を向上させる下地メッキのことである。めっき素地への密着性を良くするために、銅、ニッケル、金、銀などの水溶液で、特別な浴組成で通常より高電流をかけ短時間でめっきが行われる。皮膜の均一性が良く素地の酸化皮膜を還元除去しながらめっきされる作用がある。処理が適切でないと、めっき密着不良になる重要な工程である。

装飾めっき

装飾めっきとは、製品に美観を与えることを目的としためっき法であり、 0.1~0.5µmと薄い皮膜である。外観性向上の他に防錆性能・耐磨耗性・光反射性・熱反射性・耐食性なども同時に要求される事が多いめっきでもある。外観は全光沢・半光沢・なし地・ヘアライン等が有る。

ダイレクトめっき

ダイレクトめっきの長所は、全ての無電解めっきの工程を省けることである。プラスチックを電気めっきする際、必要な導電化処理プロセスで従来の化学めっき、ストライクめっきを省略する代わりに前処理で弱い導電化皮膜を付与する事で直接、電気めっきを可能とするため、プラスチックめっきの不良原因となる無電解めっき工程が削除できる。

ダクロ処理

ダクロ処理とは、ダイヤモンドシャムロック社が開発した防錆処理法である。防錆を目的とした塗装・焼付処理で、主な用途は自動車用小物部品。錆落とし後、金属亜鉛フレークとクロム酸を含むダクロディップ液に浸漬・遠心振り切り後、焼き付け処理を行う。塗膜は亜鉛防食作用、クロムのよる抑制作用、バリアー効果など耐食性に優れ水素脆性の心配が無い。

電解脱脂

電解脱脂とは、浸漬脱脂だけでは除去できない汚れがある被めっき物を陰極、又は陽極として電解により洗浄することである。浴はアルカリ洗浄と同様だが発泡性の界面活性剤は使用不可。電流の方向を周期的に変えて、陰極・陽極で発生するガスの撹拌効果とガス膨張時の汚れの持ち上げ効果を利用して汚れ除去する。電解するPR電解法は洗浄速度が早く錆やスマット除去が可能である。

電気めっき

電気めっきとは、電流を使うめっき法で、電気分解による析出を利用して導体面の表面を金属薄膜で被覆する技術。めっきしようとする金属を含む電解液・めっき液を陽極、被めっき物を陰極とし、直流電流を流すことで、陰極表面に金属イオンから還元された金属を析出させた薄い皮膜を形成させる。電気めっきのメリットとして、耐摩耗性、耐腐食性、潤滑性、美しさなどを向上させることが可能である。

熱処理

熱処理とは、分かりやすくすると鋼を熱して冷やし、鋼の性質を変化させる処理のことをいう。金属材料を融点以下の高温に加熱する事で、 冷却速度を加減して組織変化や残留応力の除去、硬度アップ等の皮膜の改善を図る処理のこと。

半光沢ニッケルめっき

半光沢ニッケルめっきとは、装飾クロムめっきの下地ニッケルめっきである。半光沢ニッケルめっきには、めっき皮膜中の硫黄を少なく、めっき皮膜の内部応力を小さくすることなどが求められる。めっき表面の平滑性を目的としており、通常は上層に光沢ニッケルめっきが施される。

バレルめっき

バレルめっきとは、電気めっきの一種で、めっきをしたい製品をバレル内に入れ、めっき槽に投入して回転させながらめっきを行う方法。バレルとは、約2mm角程度の孔が無数にあいた角柱の容器のことで、バレル内側に配置された陰極にワークが瞬間的に接触してめっきされる。ボルトやナットなど細かな製品を大量にめっきする場合に用いられる。

封孔処理

封孔処理とは、金や銀、錫めっきにある、ピンホールをめっき後に封孔処理剤により埋める処理で防錆効果を高める。アルミニウムのアルマイト処理でもピンホールの処理として化学的、電気的方法で行う。処理剤は有機系(有機アミンの誘導体など)や無機系(重クロム酸塩など)がある。電子部品の接点などのめっきに封孔処理が実施されている。

部分めっき

部分めっきとは、コスト低減などから被めっき物の必要な表面の一部分にのみ、めっき処理する方法のこと。部分めっきは、被めっき物が金属の場合は不必要な部分に塗装・テープ・マスキング材で覆い、ブラシめっき(筆めっき)で行う。被めっき物が、非金属の場合は必要な部分にのみ導体化処理を施す。最も簡単なのは、めっきしたいその部分だけをめっき液に浸漬する方法がある。

マイクロクラックめっき

マイクロクラックめっきとは、腐食電流を分散させて耐食性を向上させる為に、微細な割れが均一に分布するように施すクロムめっきのこと。ポストニッケルストライク法(PNS法)と通常のクロムめっきを厚く(0.8μm以上)付ける方法があり、クラック数は一般に240~800クラック/cmと、直線を横切る数で表すことができる。

マイクロポーラスクロムめっき

マイクロポーラスクロムめっきとは、腐食電流を分散させて耐食性を向上させるめっき。非電導性微粒子を含有したニッケルめっきをした後、通常のクロムめっきを付け、微粒子を含有したクロムめっき液を使う方法もある。めっき装置の濾過器は専用を使う必要がある。

めっき

めっきとは、表面処理の一種で、材料の表面に金属の薄膜を被覆する加工法のこと。被めっき物の表面状態を改善する為に、表面を別の金属の薄膜で被覆する加工でもある。めっきの目的としては、装飾めっき、防錆めっき、機能めっきがあり、達成させる手段として電気めっき、溶融めっき、気相めっき、真空めっきなど様々なめっき方法がある。

無電解めっき

無電解めっきとは、電気めっきとは違い、還元剤を含む溶液に単純に浸すだけのめっき法である。金属イオンと還元剤との化学反応によって、素地上に任意の厚さのめっき膜を析出させる方法である。対象物が、非伝導体であっても活性化液での処理により、複雑な形状でも厚さ均一のめっきが可能である。

陽極酸化処理

陽極酸化処理とは、人工的に厚くて強固な酸化皮膜をつくる電気化学的表面処理のことである。防錆・装飾・耐磨耗等を目的に、弱い電量を流してアルミ、マグネシウム、亜鉛、チタンその他金属表面層を酸化皮膜に変える処理。処理液(硫酸、しゅう酸、その他の有機酸)で陽極での電気化学反応を利用して得られる。

溶融めっき

溶融めっきとは、防錆を目的として、鋼材を溶かした亜鉛に浸し、表面に亜鉛の皮膜を作る技術のこと。この溶融めっきは、亜鉛と鉄との間にできた合金層が強く結合するため、めっきが剥がれることがなく、錆びや腐食が発生しないことが特徴である。

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