金属加工の品質:機械加工用語と解説

▶︎【機械加工】52種類

「機械加工」とは、切削工具や工作機械を用いて素材を加工すること。 切削加工・研削加工・研磨などがある。 工作機械は、旋盤・フライス盤・ボール盤・研磨機・NC工作機械・マシニングセンタなどが使用される。

「品質」とは、工場で生産された製品や、サービス業が提供するサービスの特性をいう。

荒引き残り

荒引き残りは、前工程での寸法管理が悪かった場合、仕上げでの取代が無くなり発生する。機械加工にて、同一面を2工程以上で仕上げる場合、前工程での削り面が残ることを荒引き残りという。

一般公差

一般公差とは、公差の指示のとくに無いものなど、そういった箇所に適用されるのが一般公差。図面に支持する寸法は、それぞれ公差がある。JIS(日本工業規格)では寸法の普通許容差に規格化されている。部品機能上、特別な公差が必要な場合は、その要求公差が直接図面に指示されているが、そうでない寸法には一般公差が適用される。

うねり

うねりとは、機械加工時に加工表面に発生する凹凸の形状の一種。工作機械の振動などの影響により、広い範囲に規則的な間隔で繰り返される表面の起伏のこと。

円筒度

円筒度とは、円筒部分の幾何学的円筒面からの狂いの大きさ。JISでは「円筒形体の幾何学的に正しい円筒からの狂いの大きさ」と定義されている。

拡大代

拡大代とは、通常ドリル、リーマーなど工具で穴あけ、穴仕上加工を行うと穴径は工具径より大きくなる。この径差のことを拡大代という。

加工基準

加工基準とは、センター穴、外径、内径、端面などを加工する時の位置決めとなる部分のこと。安定した品質を確保する上で、最も重要な基準となる。

加工変質層

加工変質層とは、加工により表面に生じた内部と異なった層のこと。切削・研削加工された金属の仕上面で、切削抵抗により、内部組織の塑性変形・熱変質が生じ、結晶構造の破壊、乱れ、多結晶化、非晶質化、硬度変化や残留応力などが発生した表面変質層をいう。

加速面

加速面とは、歯車対において、駆動軸側(原動機側)歯車から動力を伝達している際にかみあう歯面を加速面という。

カッターフラット

カッターフラットとは、カッターの振れ合わせが悪いために歯切面にカッター軌跡が現れる現象のこと。

カッターリリーフ

カッターリリーフとは、フライス加工で加工完了後、軸頭が原位置に戻る際、カッターをワークから離して戻すこと。フライス加工完了後に軸頭を戻しながらワークを切削した場合には、ワークにリターンマークがつき、加工精度不良となってしまう。

かみあい誤差

かみあい誤差とは、歯面の形状誤差により発生する誤差量のこと。片歯面かみあいと両歯面かみあいの両方のパターンがあり、片歯面かみあいの場合は、一対の歯車に所定のバックラッシを与え駆動側歯車を定速回転させたときの被動側歯車回転角の進み・遅れ量。両歯面かみあいの場合は、ノーバックラッシでかみ合せて回転させたときの中心距離の変化量。

完成品チェック

完成品チェックとは、製造ラインで、最終工程を完了した製品の品質検査を行うこと。外観のキズ、誤欠品などの製造不良をチェックする。通常は、工場から流出しない頻度での品質チェックを行い、誰が、いつチェックしたかを明記する。

クラウニング

クラウニングとは、歯当たりを歯幅中央部に集中させ、工作物の面の形状を中高(凸面)に加工すること。実際の歯車加工では、加工上の誤差、歯車の負荷運転時の歯のたわみなどにより、歯車対は歯の片当りを起こす。このクラウニングは、この片当たり防止を目的とした加工である。

経年変化

経年変化とは、年月が経つうちに製品の品質・性能が変化し、摩耗・腐食などで性能が劣化し、金属の寸法が変化すること。焼入した鋼を長期間で放置する間に、金属組織の安定化により変化が生じてくる。

減速面

減速面とは、1対の歯車において、減速時あるいはバックの際にかみあう歯面のことを減速面という。逆に加速時にかみあう歯面を加速面と呼ぶ。

下限検知

下限検知とは、ナットを締め付ける際に利用するナット自動締結機ナットランナーで締付作業を行う。その時、ナットランナーの主軸に発生するトルクと本体側に生ずる反力を電気信号として取り出す装置のこと。一般的にはスプリングの強さを調整し、必要トルクの下限に設定し精度の保証を行う。

検査トルク

検査トルクとは、締付けられたねじのトルク検査した時のトルク値のこと。測定は一般的にはプレート型トルクレンチが使われ、事後測定法で締付けたねじをさらに少し締めた時のトルク値で表す。

研削割れ

研削割れとは、研削加工や研磨加工において、砥石やワークが割れたり亀裂が生ずる現象のこと。研削加工や研磨加工時、多量の火花を発するが、加工液などによって適当に冷却されれば問題はない。しかし、砥石の目づまり、研削液のかかり方不良などにより、冷却できなければワークは高温となり、急冷による割れが生じてしまう。

公差

公差とは、製品製造する中で、その工程で許容できる最大寸法と最小寸法との差などのこと。公差には寸法公差と、直角度、真円度、位置度などを指示する幾何公差がある。

工作図

工作図とは、精度・機能を満たした製品を高品質で効率良く造るために工程設計した内容のもの。粗材から完成品までのプロセスを各工程毎に、加工部位、形状、寸法、精度について記入していて、製造ライン・設備計画や号口管理に必要な情報が書かれている。

合否判定

合否判定とは、製品の寸法・形状・性能などが狙い品質である規格値・許容値を満足しているか?を定量的に計測し、良品または不良品を判定すること。

構成刃先

構成刃先とは、金属切削においてアルミニウムや軟鋼を低速度で切削すると、切削時の高温、高圧の影響で被削材の一部が刃先に凝着し、非常に硬い新しい刃先が出来たように見える。これを構成刃先という。刃先を欠損させるなど悪影響を与える可能性が高まる。

光明丹

光明丹とは、歯車などの歯当たり、テーパ当たりなどの当たりを明瞭に見るために、表面に塗付して用いる赤褐色のクリーム状の薬品のこと。当たりの状態を観察する。

誤欠品対策

誤欠品対策とは、誤品や欠品の不良をなくす対策のこと。誤欠品には、誤ったものを選択してしまう誤品と、あるべき必要な製品がない欠品がある。人が作業に関わる場合には、必ず発生するので、作業訓練などによる人側とポカよけなどシステム側、両方からの対策をしておかなければならない。

こば欠け

こば欠けとは、切削加工時に被削材の切り端が欠ける現象のこと。主として被削材の刃先離脱側に発生する欠けを”こば欠け”という。鋳鉄などのぜい性材料の加工時などで発生しやすい。

再研削

再研削とは、切削工具の、摩耗した切刃を砥粒の角で工作物を削って所要の形状,寸法,表面状態に研削して再び使えるようにすること。

残留異物

残留異物とは、機械加工時などに発生する異物のことでワーク自体に残った異物。残留異物といわれるものは、切粉、油、鋳砂、溶接酸化物、手袋の糸屑、化学反応物などが挙げられる。

仕上代

仕上代とは、仕上げ加工に必要な、仕上がり寸法よりも余分に大きくとる見込み代のこと。加工精度を必要とするものにおいては、加工プロセスを分割することで、目的を達成している。仕上精度をより安定させるためには、仕上代を必要最小限に留めることが重要である。

軸力

軸力とは、ボルトなどを締付けることにより発生する軸方向の引張り力で、部材が引っ張られたり圧縮された状態を表す値のこと。締結品質を表す。実際の日常管理ではトルク管理を行うが、摩擦係数が介在するため、トルク管理を行ってもバラツキは大きい。超音波(共振法、パルスエコー法)管理もあるが実用的ではない。

終物チェック

終り物チェックとは、工場製造部門が行う工程管理の品質チェックの一つで、作業の終了時に行う品質チェックのこと。一般的には、仕かかり時の初品チェックと最終チェックを通常の定期作業として行う。

粗材基準

粗材基準とは、粗形材を機械加工するに使用する粗材面や鋳抜き穴を加工基準に使用すること。粗材型設計段階には、加工後の偏肉を想定して基準位置を決定する必要がある重要なポイントでもある。

段付き

段付きとは、加工面が、加工の途中で切刃が欠損で折れたり、研削加工のスパークアウト不良などで、正常な面より一段盛上ったような面を生じること。

チッピング

チッピングとは、機械加工やプレス加工で、切削工具の刃先の一部が微細に欠ける現象のこと。靭性の低い工具にその発生頻度が高く、加工中に何らかの衝撃を受けたり、機械の振動が刃先に直接伝わり起きる。

直径法

直径法とは、真円度・円筒度の形状精度をエアマイクロメーターなどで、円形の最大直径と最小直径の差を測定する方法の一つ。

定期チェック

定期チェックとは、工場の製造部門が行う工程管理で、作業の仕掛りから終了までに行う定期的な品質検査のこと。

定量チェック

定量チェックとは、部品製造ラインで、一定数量を製造するごとに製造品質を検査すること。製造工場の自動ラインでは、一定数量で設備が自動的に停止し品質チェックを行う。手作業ラインでは、一定数量作るとランプ表示され、作業者やライン外作業が各工程の品質検査を行う。

データム

データムとは、測量・計測における基準面(線・点)や位置の決定に用いる基準となる点のこと。

取代

取代とは、加工前後の被加工物であるワークの寸法差、すなわち削り取る厚さ量のこと。削り加工方法、削り加工能力、製品加工精度、加工プロセスにより取代は決定される。

トルク

トルクとは、回転工具で切削を行う場合、工具にかかる切削抵抗のうち、工具の回転方向に働く分力。ねじりモーメント。

歯当り

歯当りとは、歯車の精度判定を行う際のチェック項目の一つ。一対のギアをかみ合わせ、歯面に塗られた赤褐色のクリーム状の光明丹の落ち具合で、歯形、ピッチ、振れなどの歯当り精度判定をする。

歯形誤差

歯形誤差とは、実際の歯形とピッチ円との交点を通る正しいインボリュート曲線、つまり基準歯形曲線を基準として、歯形検査範囲内における正(+)と負(−)の誤差の和をいうのが、歯形誤差である。

歯すじ誤差

歯すじ誤差とは、実際の歯すじと理論上の歯すじとの差のこと。なお、歯すじ誤差は「ねじれ角誤差」や「歯の歯幅方向に丸みを付ける修整クラウニング」を含んだ表現のことである。

初物チェック

初物チェックとは、工場の製造ラインで、毎日の仕事始めに行う製品の品質検査のこと。一般的には、自工程とともに最終検査工程や重要工程に指定されている工程で行う。

はめあい

はめあいとは、「軸と穴の組み合わせの関係」のこと。穴と軸が互いの間に適当なすきま、またはしめしろをもって、はまり合う関係。穴の寸法が軸の寸法より大きいときの寸法の差を”すきま”といい、穴の寸法が軸の寸法より小さいときの寸法差のことを”しめしろ”という。

バックラッシ

バックラッシとは、1対の歯車を噛み合わせたときの歯面間の遊びのこと。バックラッシには2つあり、かみあいピッチ円上の円弧の長さを円周方向バックラッシといい、歯面間の最端距離を法線方向バックラッシという。

歯面修整

歯面修整とは、インボリュートヘリコイドなど歯車の歯形や歯すじを定義された曲面から変化させ、歯面形状を微少に修整すること。歯にかかるたわみや軸受部の隙間の詰まり具合の影響によって発生する歯当り補正するためのもの。

バリ

バリとは、切削加工時の削り残し部分のこと。粘りけが多い材料の切削加工で、刃先が摩耗すると刃先の食い付き側と抜け際にしばしば発生する削り残しが多く発生する。一般的に、バリ除去には、砥石、金ブラシ、砥粒入りナイロンブラシ、ヤスリなどが使用される。

ピッチ誤差

ピッチ誤差とは、実際の製品ピッチと規定上のピッチとの差のこと。このピッチ誤差は、4種類に分類され単一ピッチ誤差、隣接ピッチ誤差、累積ピッチ誤差、法線ピッチ誤差などがある。

ビトウィーンボール径

ビトウィーンボール径とは、内歯車、内スプラインの互いに向き合う2つの歯溝にピンを入れた時の最小内径寸法のこと。一般的には、ビトウィーンボール径は歯溝幅の代用値として管理している。

平行度

平行度とは、平行であるべき二つの形状において、一方を基準とした場合、その基準に対するもう一方側のズレ量のこと。

またぎ歯厚

またぎ歯厚とは、その法線が常に一つの定円に接するような平面曲線であるインボリュート円筒歯車の何枚かの歯を平行測定片で、またいで測ったときの平行2平面間の距離のこと。

リターンマーク

リターンマークとは、刃物で被削材を切削後につく刃物傷のこと。リターンマークの原因は、切削抵抗の変化により、刃先と切削材との位置関係が変化するため起こる。

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