金属加工の品質:プレス加工用語と解説

▶︎【品質用語:プレス加工】25種類

「プレス加工」とは、上型下型が対となった金型の間に素材をはさみ、金型によって強い力を加えることで、素材を工具の形に塑性加工すること。一般には対となった工具のことを金型、加圧する機械のことをプレス機械と呼ぶ。

「品質」とは、工場で生産された製品や、サービス業が提供するサービスの特性をいう。

押キズ

押キズとは、プレス型で加工されたプレス製品に、鉄粉・油などの異物の挟まりなどによって生じるのキズのこと。

黒あたり

黒あたりとは、プレス加工で成形されたプレス品の表面が局部的に当りが強く、にぶく光っている状態のこと。プレス加工の絞り工程で、フランジしわの発生を防ぐしわ押え面にある場合、カジリ、割れが、抜き工程と曲げ工程では、成形面の母材から摩耗し切味不良やカジリが発生しトラブルの原因となる。

ブツ

ブツとは、プレス加工において加工面にできた点状の突起不良のこと。プレスブツは薄鋼板と金型ポンチ面との間に鉄粉、ゴム、紙など数ミクロン台の粒子が混入して成形された結果その部位が凸になったもののことである。

ダレ

ダレとは、プレス加工において製品の端末部の形状が、正規の形状に対してタレてしまう現象のこと。原因としては、パンチ(上型)のへたりによるポンチ端末部の形状不良や、曲刃による材料引き込まれ等によりダレが発生すると考えられる。

シャクレ

シャクレとは、プレスの絞り加工および曲げ加工時に、ポンチまたはダイスR部の材料が、はね戻る形状変化のスプリングバックによって発生する製品面の局部的なそり現象のことである。

穴まくれ

穴まくれとは、板金プレス加工時、穴抜ポンチで板材料を打ち抜き切断する、せん断加工後のポンチ抜き取りの際、切り口辺りが干渉により、もち上げられることによって生ずる不良現象のこと。

油砥石

油砥石とは、プレス加工に使用する金型製作および補正時、製品形状面あるいはしわ押え面の表面最終仕上げ用として、青砥石がけの後使用される砥石。プレス部品の外板のキズ、ヒズミ等を検査する面品質チェックにも使用する。

ウォールブレイク

ウォールブレイクとは、プレス加工で見られる壁割れ不良現象の一つ。薄板を深絞り加工する角筒や楕円筒などの容器を絞り成形した時、コーナーの立壁に発生する壁割れ破断のこと。

カジリ

カジリとは、絞り加工時に発生するすり傷のこと。通常、絞り加工時はダイと材料の間に加工油の油膜があり、直接当たらないが、素板がしわ押え面上のビードやダイRを通過するときに接触して生じた流れ方向の線状のすりきずの深いもの。

型当り

型当りとは、プレス上型と下型の製品形状面で、ポンチとダイスとの隙間クリアランスがきつく、局部的に小さい部分に発生する黒光りの当たりキズのこと。

スプリングバック

スプリングバックとは、プレス成形工程の最後に、部品が金型の荷重から開放された時に起こる形状変化のこと。弾性回復により元の状態に戻ろうとする現象をスプリングバックという。

ソリ

ソリとは、プレス加工で見られる形状不良の一つ。たとえばハット形断面の絞り成形では、ダイ肩Rやクリアランスなど成形条件の選定を誤ると生じる側壁部が直線とならない不良や、単純L曲げでは曲げ線に沿って生じる不良。ソリ防止には、金型内圧・肉厚部の冷却・金型冷却効率等様々な要素があり、防止は一般的には困難である。

ネジレ

ネジレとは、プレス加工において残留応力の影響で発生する形状不良の一つである。一般構造用鋼材よりも強度を向上させた高張力鋼板のように引っ張り強さの高い材料で特に発生する現象である。

バック代

バック代とは、製品形状とプレス型形状の差のこと。プレス加工における絞成形の場合、成形後に外形抜加工すると、外周拘束が弱まり製品が戻される変形量のことで、狙い値と出来栄え値の差のことでもあるので、プレス型はこの変形量を見込んで製作する。

面歪

面歪とは、プレス加工における絞り加工時に発生する外板面の微少な面の歪みや凹凸のこと。発生原因は、素材をしわ押え面でホールドした時の素板の変形や、成形途中の圧縮など様々な要因が挙げられる。

油歪み

油歪みとは、プレス加工の成形時、型あるいはパネルに付着した潤滑油の油溜まりが逃げ場を失い、油がパネルを変形させることによって生じる歪こと。

打ちキズ

打ちキズとは、プレス成形のプロセスにおける型へのパネル投入、取出し、搬送時に型の一部や設備等にパネルが当りできたキズのこと。

エア歪み

エア歪みとは、プレス加工時に型の上下動によりパネルとの間に生まれる負圧が、エア抜き不足によってそのエアがパネルを変形させてしまい外板面に生じてしまう歪みのこと。

寸欠

寸欠とは、プレス加工時において、素材の材料寸法が不足しているために、絞成形後に製品の材料端が正規の位置以上に入り込んでしまう現象のこと。寸法が足りない不良のこと。

耐デント性

耐デント性とは、プレス成形において、パネルに局部的な力が加わり、その部分にくぼみが残る現象をデントいうが、耐デント性とはパネルの剛性の度合い、つまりくぼみの起りにくさのことをいう。

ピンホール

ピンホールとは、鋼板をレーザー溶接や抵抗スポット溶接など、溶接を用いて結合する際、電圧過大、または電極チップの消耗や芯ずれ、母材の錆等のよごれが原因により、溶接結合部に生じる穴あき不良のこと。

押し不足

押し不足とは、プレス機械の生産能力が、プレス品成形に必要な成形力を下回る時、能力不足によりプレス型が下死点まで降りないために製品形状が狙い値通り出ない現象のこと。

ヒケ

ヒケとは、材料が起こす成形収縮によって生じるへこみ、窪みのこと。比較的平坦で滑らかな鋼鈑部品において、パネル全体の凸形状が不足する現象でわずかにへこむ現象。

ショックライン

ショックラインとは、プレスの絞り加工成形後の製品面に残った線状の板厚減少傷のこと。絞り加工の成形初期、ブランクホルダーにつかまれた素材に絞ポンチが当り、素板に張力がかかった時、ダイスR部の素板は、急激な引っ張りと曲げ加工を受けて板厚減少が起きる。

スプリングゴー

スプリングゴーとは、プレス加工後、工具が材料をはなれたときに生ずる弾性回復。曲げ角が小さくなる現象のこと。スプリングバックが成形後、製品形状が開く変化をするのに対し、曲げの過程で複雑な変形をするときに成形後、製品形状が逆に閉じる変化をする現象のこと。

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA