製造業におけるQC工程表の基本

QC工程表とは?

QC工程表とは、製品に関する品質管理の流れと品質の要求事項を記載した表のことです。各工程や各生産ラインの要求品質を明確にし、その要求品質を確保する為の作業方法・管理方法の品質保証方法を指示するものです。

日本品質管理学会(JSQC)では、QC工程表を次のように定義しています。

「製品・サービスの生産・提供に関する一連のプロセスを図表に表し、このプロセスの流れにそってプロセスの各段階で、誰が、いつ、どこで、何を、どのように管理したらよいかを一覧にまとめたもの」

確かな製品の品質を生産できるように、品質保証の管理ポイントを一枚の紙にまとめた製造プロセスです。特に大量生産する製造業では、このQC工程表の作成は必須です。

QC工程表で重要なこと

QC工程表で大事なことは「管理点」「管理方式」です。

2つの管理点

  1. 【管理特性】:工程の結果を表す特性のこと。それを見ていれば工程の管理状態を知ることができる特性」のこと。
  2. 【品質特性】:品質を構成する要素(特性)のこと。

管理方式

管理とは、「測る+判断する+異常にアクション」をとることです。各工程で、品質を保証するために「誰が、いつ、どのような条件を管理しているのか?」品質保証する一連の流れを一目で分かるように作られている表です。

QC工程表7つの目的

このQC工程表の作成段階は、設計・開発段階から製品やサービスをQCDを踏まえ、「どのように作るのか?」具体的な生産の工程設計を行う段階です。高品質で儲かる工程設計するために、作業標準を明確にしてバラツキを少なく効率よく生産できなければなりません。設計品質を達成させるための製造品質の向上のために、QC工程表はあります。

  1. 「作業標準書を作成するときの基準とする」
    QC工程表の管理項目や管理基準を満足させるように、各工程の作業方法を作業標準にまとめます。作業者は、その作業標準に従い作業を行うことで標準ができていきます。
  2. 「社内スタッフの教育資料になる」
    QC工程表には、製造の全行程が網羅されているため、自工程が製品の何を作っているのか?を把握できますし、仕事の位置付けをすることができます。すべての動作の意味を確認することができるため、各工程のスタッフの作業のため品質のための教育資料になります。
  3. 「社内に品質保証を実現する保証活動を周知させるため」
    品質管理の実施状況をチェックシートなどに記入し、工程の品質が管理されていることを確認します。
  4. 「品質不良の発生原因を調べるため」
    製品の不良が発生して原因を調べるときに、品質に影響を与える工程や品質特性などを調べます。
  5. 「変化点管理で履歴(記録)として残せる」
    設計変更、製造方法や製造条件が変更されるときの変化点管理としても活用できます。
  6. 「顧客や仕入先などに自社の品質保証状況や品質改善活動の説明ができる」
    購入する製品が、品質基準に合致しているのか、品質管理が正しく行われているのか心配ですので、確かな品質を提供している証拠の一つとして、顧客への品質管理の説明資料として使用します。
  7. 「仕入先や外注先の工程監査の資料として履歴を残せる」
    外注業者から購入する材料や部品が工程の品質基準を満たしているか?確認するときに使用します。

QC工程表に記載する事項

  1. 「製品・サービスの仕様書や図面を明確にする」
    「具体的に何を作るのか?」その仕様や機能や構造、配置を描いた設計図を明らかにする。
  2. 「製品・サービス提供プロセス仕様書を明確にする」
    QCDを踏まえ「どのように製造するか?」その製造順序などプロセスを明らかにする。
  3. 「作業方法を示した作業手順書や作業要領書を明確にする」
    各工程で「その製品をどうやって作るか?」の作業順序や要領を誰でもできるように明らかにする。
  4. 「各工程で使う機械設備や人員を明確にする」
    その工程で製品を作るために必要な使用する設備や人員を明らかにする。
  5. 「各工程で使用する測定機器や監視機器を明確にする」
    製造した製品が「品質が確かなものか?」を確認する測定方法や頻度、基準などを明らかにする。
  6. 「各工程で使用する部品や原材料を明確にする」
    製造に使用する「部品や原材料は何か?どのようなものなのか?」素材を明らかにする。
  7. 「いつまでに、どの程度の量を提供するのか?を明確にする」
    QCDを明確にするために、期限と数量を明らかにする。
  8. 「どのような判断基準で次工程へ引き渡すのかを明確にする」
    次の工程へ引き継ぐ時は「何を基準にするのか?」を明らかにする。
  9. 「問題や異常が発生した際の処置方法を明確にする」
    目的通りに生産できない場合、異常が起きた時の処置方法を明らかにする。

QC工程表の作成手順

QC工程表に掲載する項目は、「工程名・工程No・作業名・作業設備・管理項目・管理基準・管理方法・点検保守・検査・記録・異常処置・教育訓練」などがあります。

  1. 「作業の流れについてフローチャートを作成する」
    作業全体の流れを俯瞰できるように、フローチャートの作成を行う
  2. 「フローチャートから作業工程名を明確にする」
    全体から「各工程で何を行うのか?」を一工程ずつ明らかにしていく
  3. 「各工程の管理項目を明確にする」
    各工程で「何を保証するか?」その管理項目を明らかにしていく
  4. 「各工程の点検項目を明確にする」
    品質保証するために「具体的に何をチェックするか?」を明らかにしていく
  5. 「検査工程で行う検査項目を明確にする」
    品質不具合が流失しないよう「何を検査するか?」を明らかにしていく
  6. 「各工程の実施方法を明確にする」
    その品質保証するための頻度や回数などを明らかにしていく
  7. 「異常処置のやり方を明確にする
    異常があった場合などの対処方法を明らかにしていく

また、QC工程図の中に記載するQC工程図記号については「JIS Z 8206」で定義されている記号があります。

工程
記号

工程
名称

意味

加工

原料、材料、部品または、製品の形状、性質に変化を与える過程

数量
検査

原料、材料、部品または、製品の量、または個数をはかり、その結果を基準と比較して、差異を知る過程

品質
検査

原料、材料、部品または、製品の品質特性を試験し、その結果を基準と比較して、ロットの合格、不合格、または、個品の良、不良を判定する過程

貯蔵

原料、材料、部品または、製品を計画により蓄えている過程

滞留

原料、材料、部品または、製品が、計画に反して滞っている状態

運搬

原料、材料、部品または、製品の位置に変化を与える過程

作業標準の作成

次の段階は、QC工程表で明確になった各工程での作業内容を誰でもできるように標準書を作成する必要があります。作業標準書とは、誰が作業を行っても同じ結果が出るように、作業内容や動作や手順を、現状の最善のものとして定めた作業の仕方をまとめたものです。

この作業標準の目的は、安全・品質・コストを保証することであり、達成するための手段ですので、図表や写真などを使って作成するとよいでしょう。

  1. 「作業標準書に記載する内容」
    適用範囲・作業目的・材料(部品)・設備(治工具)・作業について(作業者・手順・時間・場所)・品質基準・測定方法・異常処置・品質や安全で注意するポイント
  2. 「作業者が理解でき、確実に実行できるものにする」
    「作業にどんな機能を持たすか?」を決めた上で、その機能を達成できる作業手順を決めていき、どの作業を誰が、いつ、どのように計測するかを決める。ムリ、ムラ、ムダのない作業で、安定した品質の製品を作れる作業の検証を行いましょう。
  3. 「作業標準書は、直感的にパッと見て理解出来るように」
    作業標準書は、OJT(On the Job Training)の現場教育教材としても使われますので、文字だけでなく直感的にパッと見て理解出来るように、図表や写真などを使って作成するとよいでしょう。

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