品質保証における製品設計5つの役割

品質保証における製品設計5つの役割

2.「製品設計」

品質保証プロセス図1112

目的

顧客のニーズを満たす機能や性能を実現させ、安全性・信頼を確保する活動

役割

市場の技術革新スピードは、ますます早くなるとともに、製造物責任(PL法)や環境対応が求められている。

顧客が求める市場調査の結果を踏まえ、新しい価値を生む製品・サービスの設計を行い、経済性が高く価格も安い、制作期間もリードタイムも短い設計を行うこと。

①製品設計のプロセス管理

製品設計の役割とは、顧客ニーズを満たす機能や性能を実現し信頼性や安全性を確保することであり、環境に配慮した製品を設計することである。

最近は、製品設計から製造するまでの大幅な開発期間の短縮とともに、品質保証が重要性を増しています。一般的に、設計プロセスは、概念設計(機能)、基本設計(製品形状・品質設計・原価設計)、詳細設計(精度設計)、信頼性設計、安全性設計などがあります。

設計品質においては「Quality(品質)」「Cost(コスト)」「Delivery(納期)」のバランスも考慮しなければなりません。その中で、DRなどの場で、既知の問題を未然防止することも重要です。過去の実績データを活用し、設計に必要な工数や人員把握なども含め、途中で起こりうるリスクも予測して対応できることが重要です。

②製品設計の品質マネジメント

品質マネジメントとは、製造物や提供されるサービスの品質を管理監督するシステムで、品質管理を中心とした組織の活動で、顧客満足を達成し継続的な改善を意図する。

製品設計では、材料や部品の選択や、製品の試作や実験、品質トラブルの原因解析、市場実験など広い範囲渡っての活動が必要になります。企画が定めた狙いを製品に反映するには、品質設計が必要になります。この品質設計では、顧客ニーズを言語化して、品質展開を行ない、設計上の詳細仕様や製造特性へ展開できるように品質機能展開を行ないます。

また、技術課題の解決が行えないため、ボトルネックになることがあります。ボトルネックの解決を行うには、思いつきで作業を進めるのではなく、事前に考えられるさまざまな要因・結果を予想し、作業を行うことが大切です。

製品設計の品質保証の段階では、製品を長く使っても故障しないように、製品の機能・性能に加え、信頼性と保全性についても検討することが重要です。

また、設計や試作や実験などの少量生産では品質の確保はできたが、量産に入ると製品精度のバラツキが生じたりします。このようなバラツキの問題に対しロバスト設計のパラメータ設計は、実験計画法を援用として「Quality(品質)」「Cost(コスト)」「Delivery(納期)」の最適化を図るために優れたツールです。

製品設計の主な達成目標は、品質(機能・性能・信頼性・安全性)・コスト・納期です。そのため製品設計では、新機構や新部品の設計にこだわらず、共通化の利用率を高めることも重要です。自社や仕入先が保有する生産技術で容易に加工や組み付けができる製品設計が求められます。また、最近では、消費者の環境配慮への要求、CSRなどの観点から、環境適合設計が求められています。

安全性設計においては、故障が起きても製品に影響が起きないようにするフェイルセーフ設計、間違えた使い方でも事故が起きないようにするフールプルーフ設計、故障してもシステム全体の機能維持できるようにする冗長性設計が不可欠です。

製品設計で、品質とともに重要なことが原価です。設計が完了してからコストダウン活動を行うのは、多くの面で制約があり、効果も小さくなるため、製品設計の初期段階でコストダウン活動を行うことが最も効率的です。原価低減活動としては、1.部品材料の改善、2.生産方法の改善、3.過剰担っている部分の排除、4.設計基準や企画の見直し、5.簡素化や小型化などがあります。製品に顧客が要求する機能を最小コストで取り入れるためには、価値工学でのアプローチによる製品設計が必要になります。

③トラブル予測と未然防止

製品設計は、すべてを一から設計する訳ではなく、流用・改良・転用などを行ないます。その中でトラブルは発生しますが、全く初めての新しいトラブルはほとんどなく、過去に似たようなトラブルが必ず発生しています。

トラブルを防止するためには、過去の失敗例を収集・分析・整理して、繰り返し発生するトラブルのパターンを見つけ、未然防止に繋げることが重要です。過去の失敗事例を製品設計に反映することが必要です。

DR(デザインレビュー)は、設計審査のことで、トラブル予測のために、企画→設計→試作→量産といった設計プロセスで、ポイント毎に製造に関わる各専門家が一堂に集合し、満たすべき項目をそれぞれの観点から評価し、確認してから次のステップに進む方法で、品質向上、コスト削減、サービス向上、開発期間短縮に繋がります。DR(デザインレビュー)は、信頼性能力、保全性能力など、設計中の不具合の検出や修正目的で行われます。

④標準化と再利用

製品設計では、設計者の経験知を体系的に組織的に活用できるように、設計の標準化を行うことが重要です。暗黙知となっているノウハウや知識や経験則などを製品設計プロセスの各段階で見える化(可視化)しましょう。

例えば、部品やコンポーネントの標準化、ものの標準化、設計手続きや方法の標準化、試験方法の標準化などがあります。設計方法を標準化するには、1.製図方法、2.設計標準、3.設計マニュアル、4.工作図、5.検図などがあります。

⑤試作による設計品質評価

試作は、新しい機能や材料など将来を見据えた研究開発のための試作と、企画や設計の目標に対して製品設計のための試作という、2つの種類があります。最近は、開発期間の大幅短縮のため、製造時の設計問題を極力減らすため、CAE・CAD・CGなど、デジタルエンジニアリング活用する企業が増えています。

設計部門と生産部門や外注メーカーで、フロントローディング設計を強化するために、仮想空間上で試作評価が行われ、製品設計プロセスの質向上が図られています。

まとめ

この品質保証における製品設計の役割は、顧客ニーズを満たす機能や性能を実現し信頼性や安全性を確保することであり、環境に配慮した製品を設計することです。

現代は、技術革新のスピードは速くなるとともに、製造物責任(PL法)や環境技術対応を強く求められています。

そのような中いかに顧客ニーズを満たしながら、QCDを追求し利益を出し続けていくことが求められます。

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA