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品質保証の基礎知識と考え方

2016年7月19日

品質保証の基礎知識と考え方

本日は『品質保証の基礎知識と考え方』をお伝えします。

品質保証とは何か?

品質保証とは、「消費者が安心して満足して買うことができ、それを使用して安心感、満足感を持ち、しかも長く使用することができるという、品質を保証すること」新版品質保証ガイドブックには定義されています。

これには、以下の4つが含まれています。

  1. 顧客・社会のニーズを把握し、それに合った製品・サービスを企画・設計する活動
  2. これを経済的に提供できるプロセスを確立する活動
  3. 顧客・社会のニーズが満たされていることを確認し、満たされてない場合には必要な処置をとる活動
  4. 顧客・社会に信頼感・安心を与える活動

つまり、品質保証とは「顧客・社会のニーズを満たすことを確実にし、確認し、実証するために、組織が行う体系的活動」のことをいいます。

品質保証を達成させる2つの品質

品質保証活動とは「製品企画→設計→製造→販売→サービス」に至る仕事の流れで、それぞれの品質保証責任者が保証事項を保証することにより、会社方針を達成するための体系的活動をいいます。

つまり「顧客のニーズ = 提供する商品やサービス」となることを確実にするための活動のことです。

この品質保証を達成させる場合、「設計品質(ねらい品質)」「製造品質(できばえ品質)」2つに分けて考えることが有効です。

品質保証
品質とは図
  • 【設計品質(ねらいの品質)】
    ねらいの品質を達成させるには、顧客のニーズを把握し、商品やサービスに反映することが重要。それが「新製品開発管理」
  • 【製造品質(できばえの品質)】
    できばえの品質を達成させるには、狙い通りの商品やサービスを作り続けることができるプロセスが必要。それが「プロセス保証」

品質保証のための3つの活動

①:プロセス保証

「顧客のニーズ = 提供する商品やサービスから得られる価値」を達成するための最も単純な方法は、全ての商品をチェックして手直しする。これでは経済性も効率も悪く利益が出なくなってしまいます。

これでは、同じ製品・サービスを繰り返し提供する場合、同じ失敗を何度も繰り返してしまうことになります。その場合は、調達・生産・営業などプロセスを決め、そのプロセスに沿って仕事を行うことで、結果として満足を満たせない場合は、そのプロセスを改善する方が効率が良いです。この繰り返しにより同じ失敗を予防できるようになります。

また、その製品が「どのようなプロセスで作られたか?」全く分からない場合、有限の検査やチェックでは、仕様通りにできているかどうかを確認することは不可能です。例えば、特定の部位を測定して仕様通りであるということを保証するには、測ってない部位が測った部位と”同質”であることが必要です。しかし、その製品が「どのようなプロセスで作られたか?」全く分からない場合、このような連続性を仮定することはとても危険な考え方です。

このように製品やサービスの品質を有限の検査やチェックが確認できるのは、プロセスにおいて何らかの前提があるからです。「プロセス保証」とは、その通りに行えば狙いとする製品・サービスが得られるようなプロセスを確立することによって、経済性も効率も高い品質を保証する活動です。

「プロセス保証4つの項目」

プロセスのためには、プロセスを構成する人・設備・資材などの要因系のバラツキを一定に抑えることが必要です。

  1. 「プロセスの条件を一体に保つ」
    要因系の個別管理(作業管理・設備管理・資材管理)、これらを組織全体として統合するための標準体系の構築が重要となります。
  2. プロセスの持つ工程能力を評価し、必要な改善を行う
    工程能力調査を行い、その結果に基づき必要なプロセスの解析・改善を行うこと。工程能力が十分確保できるようにプロセスを計画・設計することです。
  3. 工程能力から見て発生すると考えられる典型的な不適合に対する検査を行う
    プロセスを一定の条件に保っていれば、そこから発生してくる不具合品は特定の傾向を持ったものになります。これらの不具合品を確実に確実に検出できる検査・チェックの仕組み(QAネットワークなど)を作ることで、不具合品が後工程に流れることを防ぐことが可能になります。
  4. プロセスにおいて発生した異常を検出し、プロセスに対して処置をとる
    プロセス管理が完全でない以上、要因系の条件が変化し、異常が生じる場合が生じる場合が少なくありません。管理図など見える化を活用することで、発生した異常を早期に確実に検出できるようにし、その原因を追求することでより良いプロセスに改善するための活動です。

②:新製品開発管理

技術の高度化と市場の成熟度から、製品のライフサイクルが年々短くなってきています。市場や顧客のニーズに合わせた製品を投入していかないと、競合他社との競争に打ち勝つことも利益の確保も望めません。

この新製品開発管理は、「顧客ニーズにあった製品提供と技術革新」を同時に達成することを目的に、市場調査から企画、製造、販売までプロセスを構築・改善することで、正しい新製品開発をする活動のことです。

新製品開発では、「どのような節目を設けているか?」「プロセス間で受け渡す情報をどのように可視化するか?」の2つが重要です。幾つかの節目を設けて開発の進捗を確認するとともに、検出可能な問題を明らかにし、必要な処置を早期に行うことが大切になります。

【新製品開発のプロセス手順】

  1. 「製品・サービスの企画や計画(開発提案・製品構想)」
    【目的】:開発すべき製品・サービスの狙いを明確にする活動。
    【ポイント】:潜在ニーズの把握、商品コンセプトの発想と選択、戦略の立案が重要。潜在ニーズの把握は、顧客の行動・顧客インタビューやアンケート・活動の観察を行い把握する。この場合、ニーズを満たすことで顧客にとってどのような価値があるのかを明確にしておくことが重要。
  2. 「製品・サービスの設計」
    【目的】:製品・サービスの仕様やその実現方法など、製品・サービスそのものの細部をしだいに決めていく活動。
    【ポイント】:企画の設計への反映と、ボトルネック技術の予測と解決、トラブル予測と未然防止、設計の標準化が重要。顧客の言葉を設計・企画者の言葉に変換し、理解することが重要。
    設計に起因するトラブル防止には、今まで経験した過去トラの情報を蓄積し、体系的に活用することで失敗の危険性を洗い出し、あらかじめ必要な対策をとる未然防止の取り組みが大切。
  3. 「提供プロセスの設計」
    【目的】:調達・生産・物流・販売・アフターサービスや、それに伴う技術など、製品・サービスを提供するプロセスの細部を決めていく活動。
    【ポイント】:企画の設計への反映と、ボトルネック技術の予測と解決、トラブル予測と未然防止、設計の標準化が重要。顧客の言葉を設計・企画者の言葉に変換し、理解することが重要。
    設計に起因するトラブル防止には、今まで経験した過去トラの情報を蓄積し、体系的に活用することで失敗の危険性を洗い出し、あらかじめ必要な対策をとる未然防止の取り組みが大切。
  4. 「提供プロセスの施策・試験・評価」
    【目的】:提供プロセス設計の検証・妥当性の確認を行う活動。
    【ポイント】:デザインレビューでの検討結果と連動した施策・試験を行い、タグチメソッドなどを活用し、製造段階や顧客が使用する段階で生じるバラツキに対して最適条件を見つけることが重要。これにより、開発期間の大幅な短縮やトラブルの少ないより安定した製品や・サービスの開発が可能になる。
  5. 「製品・サービスの提供」
    【目的】:製品・サービスの提供を行いながら、判明した問題を処理して拡大を防ぐとともに、狙いの達成を行う活動。
    【ポイント】:初期流動管理やクレーム・苦情管理が重要。製品・サービスの設計や提供プロセスの設計をどれだけ緻密に行っても、実際に市場に出回ると様々な問題が出てきます。市場投入後は、不具合の流出を防ぐとともに問題の早期発見を行うために特別管理体制をとることが望ましい。
  6. 「新製品開発プロセスの見直し」
    【目的】:活動全体を見直し、次の開発がより効果的・効率的に行えるようにする活動。
    【ポイント】:今回得られた経験を次の開発に生かすために、市場による評価を踏まえ、顧客満足とトラブル防止の観点から見直すことが大切。

③:品質保証体系

新製品開発管理やプロセス保証を確実にするためには、企業の全部門のそれぞれの役割が明確になっていなければなりません。そのために、各プロセスにおける各部門の役割や関係を表したものが品質保証体系なのです。

その品質保証規定の一つに、日本で従来から活用されている品質保証体系図があります。品質保証体系図とは「製品企画→設計→製造→販売→サービス」に至る仕事の流れで、品質保証のために、どのような活動が、どのような順序で、どの部門が担当して実施するのかが一目で分かる図のことです。

つまり企業組織全体で「どのプロセスで、どの部門が、どの活動を、どんな目的で、どの規定や標準類に従って」品質保証活動が行われているのかが一目で分かる図です。

【品質保証体系図の4つのメリット】 

  1. 各部門の役割を明確にすることで、全体運営を効率よく、効果的に進めることができる。
  2. トラブルの責任部門別の層別が簡単にでき、トラブル解析と改修時間の短縮ができる。
  3. トップや第三者の品質保証診断や監査を実施する際の道しるべとなり、精度の高い診断が可能になる。
  4. 品質保証体系図を見れば一目で全体像が理解できる。
品質保証体系図

生産プロセスにおいて、どのような品質保証が必要か?

1.市場調査・企画

目的

情報を集めて顧客ニーズを把握し、新たな商品やサービスを作り出す活動

役割


品質保証活動の第一段階と位置付けられている重要な役割で「市場調査・商品企画・計画立案」などを行います。市場調査・企画は、すべての品質保証活動の最初のステップです。この市場調査・企画のタイミングで「どのような商品を作り、販売するか?」が決定されます。その後の開発→設計→生産→販売→サービスなどのあらゆるプロセスの方向性を決める非常に重要なプロセスになります。

市場調査・企画の3つの役割

1「市場調査」:市場や顧客の情報を集め、顧客のニーズを把握する

商品の販売促進、新製品の開発などマーケティング活動全般について、企業の意思決定に役立てるために、市場・製品・価格・広告・販売・販売経路などに関する情報を収集・分析することで、マーケティングリサーチともいいます。最も重要なことは、顧客が何を考え、何を求めているのか、を知ることです。

2「商品企画」:面白いアイデアで新たな商品を創造を行う

商品企画とは、今までにない視点で新たな価値を生む商品やサービスの提案を行うことです。市場や顧客のニーズを掘り起こし、それを具現化した商品やサービスを作ります。マーケティング、商品コンセプトの作成、商品の企画提案などを行います。顧客のニーズにヒットする商品をつくるため、クリエイティブ(創造的)でありつつも、マーケティングによって裏付けされた客観的な思考力が必要です。顧客の期待通りではなく、顧客も競合他社も思いつかないような独創的なアイデア商品を生み出すプロセスです。

3「計画立案」:この商品企画を実現する計画立案

計画立案とは、企画を実現するための設計・開発・生産・販売の計画を作ることで、この商品をヒットさせるために、効率良く生産する方法、ヒットさせるためのマーケティング方法など手順を考え、企てることです。

2.製品設計

目的

顧客のニーズを満たす機能や性能を実現させ、安全性・信頼を確保する活動

役割


市場の技術革新スピードは、ますます早くなるとともに、製造物責任(PL法)や環境対応が求められている。

顧客が求める市場調査の結果を踏まえ、新しい価値を生む製品・サービスの設計を行い、経済性が高く価格も安い、制作期間もリードタイムも短い設計を行うこと。

製品設計の5つの役割

1:製品設計のプロセス管理

最近は、製品設計から製造するまでの大幅な開発期間の短縮とともに、品質保証が重要性を増しています。一般的に、設計プロセスは、概念設計(機能)、基本設計(製品形状・品質設計・原価設計)、詳細設計(精度設計)、信頼性設計、安全性設計などがあります。

2:製品設計の品質マネジメント

製品設計では、材料や部品の選択や、製品の試作や実験、品質トラブルの原因解析、市場実験など広い範囲渡っての活動が必要になります。この品質設計では、顧客ニーズを言語化して、品質展開を行ない、設計上の詳細仕様や製造特性へ展開できるように品質機能展開を行ないます。

3:トラブル予測と未然防止

製品設計は、すべてを一から設計する訳ではなく、流用・改良・転用などを行ないます。その中でトラブルは発生しますが、全く初めての新しいトラブルはほとんどなく、過去に似たようなトラブルが必ず発生しています。トラブルを防止するためには、過去の失敗例を収集・分析・整理して、繰り返し発生するトラブルのパターンを見つけ、未然防止に繋げることが重要です。

4:標準化と再利用

製品設計では、設計者の経験知を体系的に組織的に活用できるように、設計の標準化を行うことが重要です。暗黙知となっているノウハウや知識や経験則などを製品設計プロセスの各段階で見える化(可視化)しましょう。

5:試作による設計品質評価

試作は、新しい機能や材料など将来を見据えた研究開発のための試作と、企画や設計の目標に対して製品設計のための試作という、2つの種類があります。最近は、開発期間の大幅短縮のため、製造時の設計問題を極力減らすため、CAE・CAD・CGなど、デジタルエンジニアリング活用する企業が増えています。

参照:『品質保証における製品設計5つの役割』

3.生産準備・工程設計

目的

ヒト・モノ・カネを最適に組み合わせ、製品やサービスの設計図を形あるモノに作りあげる活動

役割

生産の3要素「ヒト・モノ・カネ」を最適に組み合わせて、設計図の通りに製品・サービスを作る効率の良い仕組みを作ること。できばえの品質を保証できるようにすることが生産準備・工程設計での重要な役割になる。

また、不良品を作らない工法や工程、不良品を流出させない工法や工程を開発することでもある。

生産準備・工程設計3つの考え方

1:バラツキが少なく、信頼性の高い生産システム設計・工程編成の確立

完成度の高い加工技術やシステムを用いて、信頼性の高い生産システム設計や工程編成を行うことです。工場での実験を行い、加工条件の最適設計や工程能力の確保を行います。

生産システム設計・工程編成

生産システム設計・工程編成とは、設計図をもとにQCDの最適な生産システムや効率性の良い工程編成(加工順序・工法・設備など)を実現させる活動です。生産システム設計・工程編成の良否が製造品質を大きく左右しますので、バラツキが少なく信頼性の高いシステム・編成を計画し、品質問題の再発防止・未然防止に力を注ぐことが重要です。工程FMEAやQAネットワークなどを用いて予防にも力を入れましょう。

工程図の検討・作成

製造工程を管理するための作業標準類の基準となるのが工程図である。設計部門のアウトプットが設計図であるように、生産技術部門のアウトプットが工程図になります。工程図とは、設計品質の確保と製造品質の維持向上を図るために、製造工程の順序や工程を構成する管理方式を記したものです。工程全体の生産の流れが分かる工程図と各工程の詳細が分かるようにした工程図があります。工程図には、工程フロー図・QC工程表・工程管理表・工程保証一覧表などがあり、工程図が完備されることが生産準備・工程設計における品質保証の標準化と歯止めとなります。

  • 工程フロー図:工程フロー図は、材料や部品の受け入れから、製品の検査・出荷までの製造工程の流れを表した図です。
  • QC工程表:工程の流れに沿って、製品・サービスの生産・提供に関する一連のプロセスを図表に表し、このプロセスの流れにそってプロセスの各段階で、誰が、いつ、どこで、何を、どのように管理したらよいかを一覧にまとめたものです。QC工程表は管理方法を明示することにより、製品の特性値と工程の作業方法と加工条件を関連づける狙いがあり、作業標準類の作成が容易となります。

2:未然防止を軸にしたトラブル予測

迅速なトラブル事後対策も重要ですが、それ以上に過去トラブルの事例や工程FMEAやQAネットワークなどを用いてトラブル予測を行い、事前対策を行うことが重要です。

トラブルの予測と対応

生産準備や工程設計の段階において、トラブルの未然防止や再発防止の観点から、品質に影響を与える5M1E(人・方法・測定・材料・機械・環境)の要素を変化点と捉え、その変化点の影響によるトラブルをゼロに抑えるために、DR(デザインレビュー)・工程FMEA・QAネットワークなどを検討プロセスに組み込むべきです。

  • DR(デザインレビュー):企画→設計→試作→量産試作といった生産準備のプロセスで、各タイミングで企画、開発、設計、製造、品質などの関係者が一堂に集合し、それぞれの観点から評価・確認して次のステップに進む方法であり、後工程からの手戻りを防止します。
  • 工程FMEA(工程故障モード影響解析:PFMEA):製造工程における問題点、故障発生要因やメカニズムを追求し工程の改善を行うために使用されます。故障・不具合の防止を目的とした、潜在的な故障の体系的な分析方法で、設計の不完全や潜在的な欠点を見出すために構成要素の故障モードと、その上位アイテムへの影響を解析する技法です。不良やバラツキが、製品に対してどう影響するかを解析することで、事前に問題点を予測する手法です。
  • QAネットワーク:各品質特性に対する工程保証度をQA(quality assurance=品質保証)ネットワークにて発生、流出源別に解析することにより工程問題点を明確にし、それを改善する事によって工程保証度を向上及び確保することです。つまり、トラブル予測のために、仕入先から納入先までの工程全体の流れの中で品質保証レベルを検証することです。工程で保証すべき品質項目を洗い出し、評価すべき特性値を明確にして、発生防止、流出防止、異常処置の評価方法を決め、評価基準に基づいて総合判定を行います。

3:仕入先から完成まで一貫した品質保障体制の推進

製造プロセスの生産準備・工程設計の品質保証度を高めることです。「そのために、どこで何を作るか?」内外製の決定から仕入先、自工程、納入先にいたる一連のプロセスの検討が必要です。

内外製化

内製化の考え方として、「品質保証の重要工程・コアコンピタンスとなる技術を用いる工程・新加工技術を用いる工程」の3つの要素を含む工程は内製化にするべきです。外製化する場合は、「自社では持てない高度な専門技術がある工程・圧倒的なコスト競争力を持った外注先・内外製を柔軟に変更できる」などの3つの要素を含む場合は、外製化でもすることも検討しましょう。部品外製化の場合は、仕入先の技術力や工程能力、品質目標や原価目標などの達成可否を見極めることが重要です。あとは、仕入先の定期的な工程監査や品質データの定期報告を行いましょう。

コンカレントエンジニアリング

コンカレントエンジニアリング(CE)とは、商品企画から開発・設計・製造・販売に至るまでの開発期間(リードタイム)を短縮し、量産立ち上げをロスを最小化する管理技術をいいます。または、サイマルテニアスエンジニアリング(SE)と呼ばれることもあります。

生産準備・工程設計のCEでは、設計が終わって生産準備・工程設計に取りかかるのではなく、企画開発の段階からより早い段階での問題点の抽出や製造上の品質問題の未然防止を提案するなど、積極的に上流の段階から関わっていくことが重要です。また、デジタルエンジニアリングを活用することで、工程設計シミュレーションや作業シミュレーションを通して、効率化と確実性を高めることが重要です。

4.生産

目的

設計図と同じ製品・サービスを安く早く経済的に作る活動

役割


品質保証における生産の役割は、設計品質と合致する製造品質の製品を造り込むための、生産計画の作成〜製造〜出荷にいたるプロセスを行うこと。顧客が求める「Quality品質、Cost費用、Delivery納期」を満たす商品・サービスを経済的に作り出すために生産計画のプロセスを遂行すること。そのために工程を構成する4M「Man人、Machine機械、Material材料、Method方法」を管理して、できばえ品質とねらい品質を合致させる。

製造部門の役割はこちらを参照ください。

生産7つの考え方

1:工程管理計画の作成

目的は、要求されるQCDを満たす製品を安く製造するための工程管理計画を作成します。品質保証の基本である「品質は工程で造り込む」を実現するために、工程管理計画を作成して管理するためです。工程管理計画では、QC工程表と作業標準の作成があります。QC工程表の作成は、材料〜完成までの全ての製造工程において造り込むべき品質特性を明確にし、品質特性と完成品の特性を明確にします。作業標準の作成は、造り込むべき品質を達成させるために必要な作業を標準として「作業標準書・作業マニュアル」など文書化して教育を実施します。

2:生産準備・工程設計の妥当性確認

目的は、工程管理計画の予定通りに、QCDが実現可能か試作で検証することです。設計で指示されている技術的根拠のある方法や手順が、実際製造において確実に管理できるのかを確認する必要が有ります。生産準備・工程設計の確認では、QC工程表で定められた、原材料・部品・設備・作業方法・作業者の技術レベルなど試作品によって確認します。基準に達してなければ、設計変更・治工具の変更や追加・設備や工程の改善など、基準に達すべきための改善を行います。

3:初期流動管理

目的は、工程の潜在不具合は量産開始して開発・設計段階で見落とした問題が顕在化することがあるため、早期発見するための管理体制を構築します。初期流動管理では、新製品の製造立ち上がりの品質や生産効率が目標値に到達するまでの期間では、品質情報を収取して解析する特別な管理体制を作ります。品質情報を関係部署にフィードバックすることで、迅速に問題解決を行うことで、問題の拡大防止と再発防止を行うことが可能となります。

4:工程管理と工程改善

目的は、工程を管理状態に維持する活動が最も重要な活動で、工程を管理することで異常を検出した場合は、関係部署と情報共有して異常原因を追求し、原因と結果の関係を解析し工程改善を行うことで、再発防止します。工程管理と工程改善では、QC工程表にもとづいて工程を維持し、何か異常が発生した場合は関係部署に伝達。異常処置を漏れなく行える仕組みが必要です。その上で、品質を工程で造り込むためには工程改善が必要で、QC7つ道具やIE手法、統計的手法などの管理技術を活用して管理する必要があります。

5:作業管理

目的は、4M(人・機械・材料・方法)の人に起因するバラツキを抑える作業管理を行うためです。作業者が作業を確実に実行できる能力を獲得するため、作業マニュアルや作業標準にもとづく教育を行います。作業管理では、作業標準書や作業管理マニュアルを理解し実行できるまで訓練を行い、作業ミスをしても作らない・流出しない工程作りを行うことも重要です。

6:設備管理

目的は、4M(人・機械・材料・方法)の機械に起因するバラツキを抑えるため設備管理を行うためです。生産工程では、様々な設備や治工具を使い、それらが製品品質や生産性に大きな影響を与えていますので、設備に対する要求事項を明確にすることが重要です。設備管理では、設備に求める機能や性能だけでなく、操作性や信頼性や保全性などの要求する事項を明確に仕様書にまとめ発注にしましょう。その上で、設備の維持管理計画にもとづき、TPM活動にて、個別改善・自主保全・計画保全・MP活動・品質保全など総合的な設備管理活動を行いましょう。

7:計測管理

科学的管理の基盤は計測です。目的は、工程の的確な評価を行うための計測管理や計測作業を管理するを行うためです。計測管理では、計測機器が要求精度を維持し続けるために、定期的な点検を行います。また、計測する計測者の誤差もありますので、誤差を最小限に留めるために定期的に判定基準の訓練や調整を行なっていくことも重要です。

5.調達

目的

要求を満たす商品・サービスを調達先から効率的に調達する活動

役割


作り出す製品・サービスを全て内製することは難しく、調達先から購入することで、顧客が求める商品・サービスを作り出している。そういう意味でも顧客に提供する商品・サービスは調達先の大きな影響を受けている。調達の役割は、要求事項を明確にし、それに合致する商品を効率的に効果的に調達すること。

調達5つの役割

1:調達先の選定

調達要求項目を満たせる調達先を選定するのは、極めて重要なポイントです。新規の調達先を評価するための基準と選定方法を明確にし、そのリスクも考慮して選定する必要があります。まずは候補企業のホームページなどから、経営状況・類似製品の製造有無・生産場所・ISO9001やISO14001の取得状況などの調査を行った上で、現地での実地調査を行うようにしましょう。具体的には、経営状況や生産状況・生産プロセスにおける品質保証状況・品質管理能力などについて確認しましょう。

2:受入検査

調達した製品やサービスや要求する基準をクリアしているか評価するために受入検査が必要です。調達部品が多いほど、受入検査の工数も増えるため、検査基準を明確にする必要があります。受入検査には「間接検査・直接検査」という2種類の検査方法があります。間接検査とは「購入検査で、調達先が行った検査結果を必要に応じて確認することによって組織の検査を省略する検査(JIS Z 8102-2)」と言われ、その検査の中に書類検査があります。それに対し、全数検査と抜き取り検査があり、全数検査とは「製品またはサービスの全てのアイテムに対して行う検査(JIS Z 8102-2)」があります。

3:調達先の指導

調達先に品質向上を求めるならば、調達先の品質保証活動が行われ、改善が行われる必要があります。そのため継続的に、調達先の品質などに対する指導・育成を図っていく必要があります。調達先の評価方法はQCDに関する実績と、二者監査での評価があります。この二者監査の目的は、要求事項に従って管理運営され、その結果が出ていることを確認するためです。

4:品質の視点から見たSCM(サプライチェーンマネジメント)

我々は、顧客の要求を満たした製品やサービスを提供することで、会社の価値を高めています。全てを内製化できない以上、調達先の品質レベルを向上させるためにも調達先の品質保証レベルの把握する必要があります。顧客に提供する製品やサービスの品質は、自社の生産プロセスだけでなく、調達先の生産プロセスからも大きな影響を受けます。日々の品質実績の収集や解析を行い、多くの人に見える所に掲示するようにしましょう。そして、変化点管理で4M(人・機械・方法・設備)を把握しておくようにしましょう。

5:グローバル調達

競争社会において、顧客から評価される軸(品質・価格・生産数・納期など)は様々あります。従来の取引先だけではなく、選択肢を広げる活動はやっておくべきでしょう。特に難しいのが海外企業からの調達です。ですので、リスクを極限まで落とすために、まずは契約事項の明確化を行い、調達先の企業の品質確認はサンプルを用意したり、現物での品質確認や分析を行うようにしましょう。また、問題解決や処置の対処方法も調査の対象に入ります。

6.物流

目的

工夫してモノを流すことで物流コストを極小化し、顧客の受け取る価値を最大化する活動

役割


物流とは、材料の購入から製品完成に至るまでのモノの流れを扱うこと。

品質保証だけでなくコスト削減という意味においても、顧客が求める製品・サービスを、顧客の要求する時期・タイミングに、要求するだけの数量を的確にお届けするのが物流の役割である。

物流3つの役割

1:顧客が求める物流量と納期の保証

生産財などの企業間取引の場合は、顧客の真のニーズを聞き出しそれに応えていくことが重要なポイントです。生産財の購入ということは、新製品開発や元モデル製品の増産などが考えられますので、こちら側のスケジュールだけでなく、顧客が行っているプロジェクト日程に合わせることや、要望に沿う形で提供することが重要です。

2:物流プロセスで品質劣化の防止

一般的に市場で発生する品質問題は、出荷時にすでにあった品質問題・流通時にできた品質問題などが挙げられます。物流時のポイントとしては、品質を劣化させない取り組みと品質劣化を遅らせる取り組みを行うことで、商品としての価値を落とさない活動を行います。

3:品質トラブルへの対応

品質保証の基本として、トレサービリティ(追跡可能性)の確保は重要なポイントです。製品の製造・販売履歴が明確になることで、品質トラブルに対してプロセスのどこに問題があったのか、原因究明と適切な対策が行えるようになります。

7.販売

目的

商品・サービスを販売することで、顧客との友好関係を確立する活動

役割

「営業という仕事は、品質管理のスタートであり、ゴールでもある」と言われています。特に受注生産の場合は、顧客の要求事項を確実に把握することで、企画・設計部門へ伝え、より良い製品を作るための情報提供する役割。そして、販売を通して顧客との有効な信頼関係作りの構築を行う役割もある。

販売3つの役割

1:販売前の品質保証

製品やサービスの販売前においては、顧客への品質のPRとして、製品やサービスの品質や価値を正しく伝えるように様々なキャンペーンなどを行いましょう。製品やサービスの広告や宣伝において、品質や価格の情報は顧客が選択する際の重要な判断材料です。ですので、顧客に誤認を与えるような不当表示は景品表示法により禁止されていますので注意が必要です。

2:販売時の品質保証

どんなに素晴らしい製品やサービスであっても、顧客の要望に応えられないものであれば顧客満足は得られません。販売時においては、顧客からのヒアリングで適した製品やサービスを提供することが重要です。また、生産材の企業間取引はISO9000ファミリーの広がりとともに、欧米流の品質保証契約や協定を締結することを要求することが増えてきました。それに伴い、品質保証システムを公開する企業も増えてきました。

3:販売後の品質保証

顧客が、こちらが想定していた以上の思いがけない使い方をすることがあり、トラブルが引き起こされることがありますが、メーカー責任のトラブル出会った場合、保証や再発防止を行う仕組みを作ることも必要です。製品やサービスの販売後の品質保証として重要なのが、顧客情報にもとづく販売プロセスの管理と商品企画へのフィードバックです。品質保証の基本理念は、顧客の満足を通して企業経営の長期的繁栄を図ることです。ですので、販売情報を分析し売上アップを図るため販売と商品企画は密に繋がっていることが重要です。

8.アフターサービス

目的

製品・サービスの機能を発揮できるように、顧客や製品への支援する活動

役割

アフターサービスの役割は「製品説明・設置方法・操作方法・故障対応」などの説明サービスがある。最も大切なことは、顧客が購入した商品・サービスの機能を十分に使えるように支援すること。

【アフターサービス3つの品質保証】

1:製品の保守・保全の提供

商品購入して故障などしてしまう場合があります。無償交換や修理で対応する場合と、しない場合を明確な線分けをして分けて考えるようにしましょう。天災などは無償修理対象外となっていることがほとんどです。ただ、お客様の使い方で使い方が激しい人、丁寧に使う人それぞれいます。生産財であれば、日常点検は顧客でやることが置いですが、巡回点検を行うことで故障リスクが減ることから、提供側の定期巡回点検はできる限り行った方が良いでしょう。

2:クレームへの対応

クレーム情報は、お客さま対応をしている最前線のスタッフを通して入ってきます。クレームは宝の山と言われるほど、改善できるチャンスの情報が満載です。品質問題は原因分析のために可能なら現地現物で確認したいところですが、現物などをきちんと入手して、正しい対策や再発防止ができるように正確な分析を行いましょう。

3:市場品質情報の把握と活用

市場の品質状況は、顧客との直接対話ができるアフターサービスの段階で把握できるようになります。情報は「クレーム・事故・アンケート」など、様々な情報がありますが、その顧客情報の中から、品質向上とアフターサービス向上のための情報を収集・精査して、活用することが重要です。

9.サービス設計

目的

提供するサービスの企画や設計を行う活動

役割

製品設計の役割は「提供する製品を設計図面によって特定する」こと。一方、サービス設計は「サービス提供プロセスによって特定する」こと。

つまり、提供するサービスをどのような時系列の流れで提供するのかを、サービス提供プロセスとして明確にすること。

10.サービス提供

目的

サービスを確実に提供するための標準化やプロセスを管理する活動

役割

サービス提供は、サービス設計の計画に基づいて、サービスを確実に提供することが求められる。製品とは違い対象が人である場合が多いため、提供しながら設計を変更するということが求められる。

品質保証を行う上で、重要な12の考え方

仕事を効果的・効率的に進めるための手順のこと

品質管理

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