こんにちは。「見せれば売れる 会社事典」の(株)Happy Make Project 山下裕司です。
「マーケティングと言われても、言葉は知っているけど、その実態はよく分からない、、、」という方のために、マーケティングについて解説をしていきます。先日、コンサルティングの中で、クライアントさまである生産ライン制御システムや検査・計測装置の開発を長年やっている機械加工メーカーの社長さんより、このような質問を受けました。
【質問】:当社もwebマーケティング(marketing)に力を入れて取り組んでいる物の、webサイトでは問合せも資料請求も増えず、効果が上がらないですし、結局は営業マンに頼らざるを得ない、今までと何も変わらない状況になっています。どうすれば、ホームページで新規開拓できるのでしょうか?
という質問をいただきましたので、『成約率(CVR)を高めるマーケティングをしよう!』という内容でお伝えします。
【答え】:マーケティングとは、市場と連動して人間のニーズや欲求を満たすために製品やサービスなどの価値と交換することです。製品の価値を高めて顧客が欲しがるように価値を創り伝えることがマーケティングでは重要なのです。
もっとも重要なのは、日々培ってきた、お客さまとの信頼関係です。
成約率(CVR)を上げるwebマーケティングの基礎
マーケティングとは、何か?
私たちは、マーケティング・システムのおかげで今の生活水準を保っている。例えば、毎日着る洋服や、通勤に使う車や電車、毎日食べる美味しいお米や、食後のコーヒー、ワインやビールなど。素敵な彼女ができればプレゼント、結婚式、新婚旅行、出産、子どもを塾に通わせたり、親や祖父母のお葬式など、この世の様々なものはマーケティング・システムによって成り立っています。
世の中の経済は、企業のマーケティングスキルによって、成功・失敗の大きな差がつけられることは言うまでもない。今やマーケティングは、ビジネス成功の鍵を握っていると行っても過言ではありません。
経営学者のピーター・ドラッカーは、理想のマーケティングについて、このように言っています。
「販売とマーケティングは逆である。マーケティングの理想は、販売を不要にすることである」ピーター・ドラッカー
マーケティングとは、製品や価値の創造を交換することで、顧客のニーズや欲求を満たす社会的管理プロセスのことです。
マーケティング・コンセプト
【①:ニーズ】
マーケティングの第一の基本的なコンセプトは、ニーズです。ニーズとは、マーケティングの基礎となる重要なコンセプトは「ニーズ」であり、それはつまり欠乏感のことを指します。人間が行動する原則は、痛みを避けるか?快楽を求めるか?の二つのうちどちらか。人間の欲求には、大きく8つの欲求があると言われています。
- 長生きしたい
- 美味しいもの食べたい
- 恐怖や痛みから逃れたい
- 異性にモテたい
- 快適に暮らしたい
- 他人に負けたくない
- 愛する人を守りたい
- 社会的に認められたい
【②:欲求】
マーケティングの第二の基本的なコンセプトは、人間の持つ欲求です。欲求について分かりやすい話が、ドリルの刃を買いに来た顧客が本当に欲しいものは、ドリルの刃ではなく穴である。という話もあるように、よくあるパターンは自分の商品に惚れ込み、目の前の顧客が持つ欲求にのみ的を絞り、潜在的なニーズを見失っているパターンです。
あなたが売っている製品は、顧客の問題を解決するただの道具でしかありません。その欲求について、有名な人間の持つ欲求マズローの5段階欲求というものがあります。低次から並べると、以下の5つの順に並びます。
- 生理的欲求
- 安全の欲求
- 社会的欲求
- 承認の欲求
- 自己実現の欲求
【③:需要】
マーケティングの第三の基本的なコンセプトは、需要である。需要とは、人間の欲求には限りがないが、提供する資源には限りがある。そのため、人は自分で買える中で最高のものを選んで購入するので、欲求とは製品が購入できるときに「需要」となります。
顧客は、製品をベネフィットの集合体として考えるため、自分の予算の範囲内で、最高の満足が得られるベネフィットを与えてくれる製品を購入します。
【④:製品】
マーケティングの第四の基本的なコンセプトは、製品である。人間のニーズ、欲求、需要があることは、それらを満たす製品が存在することを意味する。つまり、製品とは顧客のニーズや欲求を満たすことができるものなのです。
製品というコンセプトは形のある具体的な物に限定される訳ではなく、ニーズや欲求を満たす物はっすべて製品と呼ばれます。
【⑤:価値の交換】
マーケティングの第五の基本的なコンセプトは、価値の交換である。マーケティングは、顧客が製品との交換を通じてニーズや欲求を満たす行動に移したときに生まれます。
人が欲しい物を得る方法にはいくつかあるが、お金やサービスなどの資源を生かして交換する。生産が価値を創り出すように、価値の交換も価値を創り出すプロセスのひとつ。
【⑥:取引】
マーケティングの第六の基本的なコンセプトは、取引である。取引は、顧客と提供者の当事者同士の価値交換から成り立っていて、マーケティングの交換測定単位は取引。
マーケティングは、ターゲットとなる顧客から、提供する製品やサービス、思想などに対する好ましい反応を獲得しようとする行動によって構成されています。
【⑦:市場】
マーケティングの第六の基本的なコンセプトは、市場である。市場とは、製品の購入者および潜在的な購入予定者のすべてのことをいいます。
市場は、製品やサービスやその他価値あるものの周囲で成長していきます。例えば、金融市場は人々がお金を借りたり、貸したり、守ったり、そういったニーズを満たすために、出てきたサービスです。
市場が持つ7つの需要
- 【負の需要】
例えば、歯の治療や予防接種など、顧客がその製品を嫌い、お金を払ってまでそれを避けようとすることさえあるもの。 - 【ゼロの需要】
例えば、顧客となるターゲットが、その製品に興味を示さない可能性がある製品など。 - 【潜在需要】
これは、顧客が市場に出回っている既存の製品やサービスでは、満たされない欲求を持つ需要など。 - 【後退需要】
すべての製品やサービスは、必ず顧客の減少など需要後退に直面する時期が来る。 - 【不規則な需要】
需要は、様々なタイミングがあり、季節やシーズンなどによって、暇になったり、忙しくなったり需要の変化がある。 - 【十分な需要】
これは、提供者側が取り扱える量と同等の需要が存在すること。 - 【過度の需要】
市場の需要が、企業の製品やサービスの提供量の許容範囲を超えてしまう場合で、夏休みのディズニーランドの長者の列が分かりやすい例。
マーケティング5つの概念
①生産志向
生産志向は「消費者は入手しやすい手頃な価格の製品を好む」ことを前提とした経営理念になるため、生産プロセス改善と流通効率の追求を行う。
この生産志向は、手頃な価格を実現するため、大量生産で生産量増加や生産性アップによるコスト削減を行う、大量生産・低コストを目指している。
②製品志向
製品志向は「顧客は製品の品質が最も良く、性能が良く、スタイルの良い製品を好む」ことを前提とした経営理念になるため、製品の改善に弛まないエネルギーを注ぎ込む。
多くの製造業に当てはまる志向で、より製品を作ることにすべての注力を注ぎ込むため、近視眼的なマーケティングに陥る場合がある。
③販売志向
販売志向は「提供者側が販促努力をしないと買ってもらえない」ことを前提とした経営理念になるため、セールス技術の向上に努める。
例えば、顧客が自ら欲しない保険や自動車などの商品を販売するセールスマンなど販売するプロフェッショナル。
④マーケティング志向
マーケティング志向は「市場にどんなニーズや欲求があるかを明らかにし、相手が望む製品やサービスを提供することで目標達成する」ことを前提とした経営理念になるため、顧客を満足させることを目的としている。マーケティング志向は、市場の明確化にし、顧客のニーズや欲求を満足させる製品やサービスを提供し、利益を生み出していく。
マーケティング志向は、生産材よりも消費財で、小企業よりも大企業で実践されている。
⑤社会志向
社会志向は「市場のニーズ・欲求・利益を明確にし、競争相手よりも効率的に顧客満足を提供する」ことを前提とした経営理念になる。
マーケティングの4つの目標
①消費を高める
これは消費を高めることにより、社会の生産・雇用・資産が最大化されると考えている。
この考えの前提は、人がより物を消費して購入すれば、世の中の経済がどんどん回っていくという考え方。
②顧客満足の最大化
例えば、車を買ったり、オシャレな洋服を買ったりする行動は、顧客が欲求を満たし満足するという考え方。
車という性能だけを購入するのではなく、人によく見られたいなど承認欲求を満たすために購入するとも考えられる。
③選択肢の最大化
顧客一人一人の嗜好が多様化しているため、顧客のライフスタイルに合った製品やサービスを提供することが求められると考えている。
選択肢の増大は、製造コストや在庫コストの問題にぶつかり、選択するときに混乱とフラストレーションを生み出してしまうことにもなる。
④生活の質の最大化
マーケティングの目標は生活の質を向上させると考えている。
生活の質の向上は、顧客一人一人により違うため測定は難しい。
ビジネスでのマーケティング活用
インターネットが普及し、ほとんどの企業がマーケティングにインターネットを活用している。日用消費財、耐久消費財、生産材産業など個人向けから法人相手のマーケティングにも広がっている。しかし、まだまだ鋼鉄、化学製品、など素材生産メーカーなどのインターネットマーケティングは遅れている。
当社もこれまでに、以下のさまざまな業種のコンサルティングを行ってきました。
- 治療院(整体院・カイロプラクティック・鍼灸整骨院・病院)
- 美容サービス(ジュエリー制作・ヘアサロン・フェイシャルエステ)
- スクール(ジェルネイル教室・ヘアメイク教室・エステスクール・学習塾)
- その他(経営コンサルティング・耐震、外構、外壁工事・不動産空室対策・フォト写真館)
- 製造業(産業用機械製造業・自動車整備鈑金塗装工場・サプリ製造・その他生産財など)
※製造業では、金型製作・金属加工・樹脂加工・機械加工・板金加工・プレス加工・プラスチック成形・バネ製造・バネ加工・研磨・研削・試作・溶接・鋳造・メッキ・塗装・精密機械加工など可能です。
価格戦略(Price)
「定価」という「発明品」
価格戦略とは、マーケティングミックス4Pのひとつ「Price」のことです。「顧客が購入する製品の対価として支払う金額」を決めることが価格戦略の基本です。
「定価」というのは、商品を売りたい人が発明した、本当に強力な発明品の1つです。言ってしまえば、占脳の一種です。調べてみると分かりますが「定価」という概念が生まれたのは、江戸時代くらいと、つい最近です。産業が発展して、商品の大量生産が可能になって、画一的な商品が生産、販売できるようになった近代の概念ですね。
すべての取引の基本は「相対取引」
すべては「相対取引」が基本です。「相対取引」とは、条件や金額などの、双方の同意に基づく取引です。「○○円でどう?」「OK!」みたいな感じの取引ですね。
最近だと定価を導入してきているところも多くなっていますが、法人取引だと相対取り引きが基本ですね。
海外の“ぼったくり”と「相対取引」
海外に行くと、特に発展途上国では、相対取り引きが基本ですね。タクシー乗るのもすべて相対取り引きです。よく日本人は「ぼったくられた」と言いますが、ぼったくられたのではなくて、「相低取引」です。
基本的に定価という概念が発達していないので、相手がOKと言った値段ですべて契約成立です。これが相対取り引きです。
もちろん、高めの値段を言っているとは思いますが、自分がOKだと思えば、気持ちよく高い金額を出してあげればよいと思います。「高い」と思う=気持ちよくないのであれば、別の人から買えばいいだけです。
これが「相対取引」ですので、相手も「ぼったくっている」意識もなければ、だましている感覚もなければ、悪いことをしている感覚もないのではないかと思います。
例外として、サービスを利用した後に高い値段を言われるのは、ぼったくりに近いと思いますが、最初に値段交渉をしなかった自分が悪いわけですね。ま、降りるときにもぜんぜん交渉できますが。
話を「相場」に戻しましょう。以上のように「定価」という概念が発展したのは近代で、「相対取引」が基本というお話をしました。
「相場」の形成
そして、「相場」というのも、主に「定価」が形成されたのち、発展してきた概念です。
逆に言うと、「相場」感を作るためにできたのが「定価」とも言えますね。
一種のバリアみたいなもんです。そこから割り引くと「安い」と思ってもらえる=ありがたいと思ってもらえるし、本当にものすごい発明品の1つです。
例えば、ホームページ制作が10万円という相場
さて、ホームページ制作は10万円が相場というのがありますが、確かにそういう面はありますね。
しかし、これは5ページ〜10ページ〜20ページ程度のホームページ制作した場合ですし、テンプレートに当てはめたものではなく、企画(コンサルティング)からレイアウト、デザインなど、すべて相談しながら作った場合の金額です。
法人向けのホームページなどでは、数百万、場合によっては、数千万というのもあります。
それはシステムが絡んだりして、ホームページ作成ではなく、システム開発の域までに行っているからというのや、責任の外注ということでもあります。
また「作る」ことが目的ではなく、「売上を上げる」ことまでを視野に入れたものであれば、それより高くなるのが通常ですね。払った金額より多く利益が得られるのであれば、100万円でも200万円でもバンザイなわけです。
「定価」と「USP」と「ブルーオーシャン」
さて、ここまで「定価」や「相場」についてのお話をさせてもらいましたが、「USP」という概念を学んだ方は、少し考えてもらうと、価格(=提供する価値)はいくらでも高くできるし、「相場」や「定価」というのは幻想だということが理解してもらえると思います。
「USP」というのは、「定価」や「相場」と言った、価格競争の土台に乗らない、というのが根幹にある最も大切な考え方の1つですね。
ビジネスを作るのはとてもカンタン
ビジネスを作るというのはとてもカンタンです。僕の商品は「自分がやりたくないこと」を商品化しただけです。なので、レターも自分のやっている作業がいかに大変なのかをつらつらと書きつづっただけです。
人のやりたくないこと⇒代わりにやってあげる、助けてあげる=ビジネスなんです。世の中、困っていることだらけなので、すべてがビジネスなんです。世の中、ビジネスチャンスは、本当にゴロゴロしています。
ところで、まったく売っているつもりはないのですが、サポートをしていると、勝手に相手から「買いたい」と言ってもらえるのですね。僕はセールス(売り込み)は苦手なので、基本的に待っているだけです。
人事を尽くして天命を待つ。そんな感じです。
みなさん、サポートが嫌いなので、サポート専用の会社を作ってもいいかもしれませんね。本当は「サポート」=人を助けることなので、「貢献したい!」って思っている人は、どんんどんやってあげたらいいと思うんですよね。いっぱい貢献できますよ。
まとめ
マーケティングとは、市場と連動して、人間のニーズや欲求を満たすために製品やサービスなのどの価値と交換することです。実は、このマーケティングというものは、提供者だけが行っているものではありません。顧客もまた「支払っても大丈夫!」という価格で必要な商品を見つけるときにマーケティングを行うものなのです。
つまり、ピーター・ドラッカーが伝えてくれているように、「マーケティングの理想は、販売(セールス)を不要にすることである」無理な押し売りなどで利益を圧迫するような売り方ではなく、価値を高めて顧客が欲しがるように価値を創り伝えることがマーケティングでは重要なのです。
PS:「見せれば売れる会社事典」のお客さまの声
大阪でパーツフィーダー製造を行う町工場の島原さんの会社「シマテック」には、営業マンは一人もいません。全て、webサイトからの受注です。今では、一部上場の大手一流企業や官公庁との取引を獲得するまでになっています。
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