Chateau talbot 1985(シャトー・タルボ)ワイン会

今日の写真は、Chateau talbot(シャトー・タルボ)1985でワイン会を開催し、参加者が来る前の準備を愉しんでいる時に撮影したものである。愉しんでいることが伝わるだろうか?

かつてはイギリスの英雄 タルボ将軍が治めていたサンジュリアン村で作られ、世紀の当たり年の1982年を小型にしたような良く出来た年のワインと評される特別なワインと愉しむ日常を手に入れた、世界を冒険するマーケター山下裕司です。

高い品質を誇る正統派ボルドー 〜Chateau talbot〜

Chateau talbot は、サン・ジュリアンに位置する4級シャトーで、所有するブドウ畑の面積は「110ha」と、メドックでも2番目の大きさを誇っている。

この Chateau talbot の名前は、15世紀のイギリス統治時代にサン・ジュリアン一体をタルボ将軍が治めていた。これが名前の由来で、1453年にカスティヨンの戦いで敗れた、イギリス人のギィエンヌ総督、英軍指揮官タルボ将軍、シュルベリー伯爵にちなんだものである。

Chateau talbot は、スペインのカタルーニャからフランス南西部を流れるガロンヌ川のほとりのなだらかな「サンジュリアンの丘」の上に位置し、地質は高級ワインを生み出す第四期のもの。現在のオーナーは、ロレーヌ リュストマン コルディエ氏と、ナンシービニョン コルディエ女史であり、特にサン・ジュリアン村の「王」とされるカベルネ・ソーヴィニヨンが主要品種である。

また、平均樹齢35年のブドウ樹から、手摘みで収穫されたブドウは、余分な水分を飛ばすために温風の出るトンネルをくぐる。本来は、デリケートなフルーツに施されてきた手法で、 ボルドーのシャトーで採用しているのはタルボだけである。ちなみにこのサン・ジュリアンの生産者は、以下の高い評価を得ている作り手がある。

  • シャトー・デュクリュ・ボーカイユ(Chateau Ducru Beaucaillou)第二級
  • シャトー・サン・ピエール(Chateau Saint Pierre )第四級
  • シャトー・タルボ(Chateau Talbot)第四級
  • シャトー・レオヴィル・ポワフェレ(Chateau Leoville Poyferre)第二級
  • シャトー・グリュオ・ラローズ(Chateau Gruaud Larose)第二級
  • シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ(Chateau Leoville Las Cases )第二級
  • シャトー・ラグランジュ(Chateau Lagrange)第三級
  • シャトー・ランゴア・バルトン(Chateau Langoa Barton)第三級

このサン・ジュリアン産のワインの特徴は、カシスやカカオの香りといわれ、それに加え、豊かなフローラルの香りに彩られた、バランスのよいスマートな印象である。

Chateau talbot 1985 と愉しむワイン会

本物のワインには、色んな表情があるものである。僕らが行うワイン会は、「人生を変える1本のワイン」をテーマに、購入準備する過程からすべてを愉しみ、当日はしっかり味わい、評価するのではなく、その1本について語り合い、ワインと一緒に愉しむというワイン会である。

今回は、この写真の仲間と1週間近くをかけて、ようやく見つけ出した Chateau talbot(シャトー・タルボ)ヴィンテージは1985年。この「Chateau talbot 1985」は、”ワインを楽しむ”というワイン人生だったものを、”ワインと愉しむ”という、ワインとともに人生を愉しむということを教えてもらった、僕のヴィンテージワインの概念を見事に崩してくれたワインである。ワインを楽しむのではなく、ワインと愉しむ!!である。

ワイン会という言葉を聞いて、あなたはどのような会を思い浮かべたであろうか?高級ワインがいくつか並び、飲み比べをするようなイメージだろうか?このワイン会は、そのイメージしているものとは全く違う。このワイン会の大きな特徴は、ワイン会を準備する過程からすべてを愉しみ、当日は一本のワインをゆっくりと10人ほどで味わうのである。750mlのボトルを10人くらいで飲むわけだから、最後の澱の部分を差し引けば、「一人あたりたった65mlぐらい(=ヤクルト1本と同じ容量)」を、2時間かけて飲むだけのワイン会なのである。

他との違いは、コレより先の文章を読んで頂ければ一目瞭然である。

ワインと愉しむ、この抜栓までの時間

僕らは人生を変えるワイン会を開催する。

ボルドー型のボトルとタルボのエチケットだけを見て、味や香りや口当たりやのどごしなど、あらゆることを想像し、飲む前からChateau talbot 1985 を愉しみ尽くすのである。そこで飲むワインは安いワインを飲んでも意味はない。そして一人で飲んでも人生は変わらない。またワインの雑学を知っているだけの人と飲んでも意味がない。

人生を変えるワインは、同じ志を持った仲間と一緒の空間で飲む。ワイン以外の冒険を愉しんでいる人と飲まないと、次のステージへは行けないのである。素敵な仲間と同じ空間でワインを愉しみながら、ワインのことについて語り合う。そこで仕事の話なんて全く出ない。ヨットの話や舞踏会の話、音楽の話など、今まで自分が全く経験してこなかったものに真剣にチャレンジしている話が中心である。

私もこれまで人生を変える何本もの、オールドヴィンテージワインに出会った。抜栓の前に、過去どんなワインたちと愉しんできたか、代表的なものを振り返ろう。

  • 1970 DOM PERIGNON(ドン・ペリニヨン)
  • 2007 Chateau LYNCH BAGES(シャトー・ランシュ・バージュ)
  • 1997 Chateau PALMER(シャトー・パルメ)
  • 1987 Chateau LYNCH BAGES Magnum(シャトー・ランシュ・バージュ・マグナム)
  • 1977 Chateau LATOUR(シャトー・ラトゥール)
  • 1937 Chateau RAUSAN SEGLA(シャトー・ローザン・セグラ)
  • 1967 Chateau CALON SEGUR Magnum(シャトー・カロン・セギュール・マグナム)

  • 1968 Château Calon Segur(シャトー・カロン・セギュール)
  • 1968 Château Petrus(シャトー・ペトリュス)
  • 1959 Bollinger(ボランジェ)
  • 1958 Château Lafite-Rothschild(シャトー・ラフィット・ロートシルト)
  • 1938 Château Lafite-Rothschild(シャトー・ラフィット・ロートシルト)
  • 1874 Château Lafite-Rothschild(シャトー・ラフィット・ロートシルト)
  • 1918 Château Latour(シャトー・ラトゥール)
  • 1918 Château d’Yquem(シャトー・ディケム)
  • 1811 Camus Napoleon Grandemarque Cognac(ナポレオン・グランコニャック)

・1971 Chateau Latour(シャトー ラ・トゥール)

「Chateau talbot 1985」抜栓から愉しもう

そして「なぜ、今日はこの一本なのか?」という話から「Chateau talbot 1985」ワイン会はスタート。

オールド・ヴィンテージのワインコルクはやわらかくなっており、オープナーをさせば崩れていく。プロのソムリエでも失敗することの多い古酒の抜栓。

これを僕らは、ゆっくりと優しく繊細に、1ミリずつ時間をかけてコルクを抜きながら、すべてを愉しむのである。その感触を愉しみながら、コルクを抜くって愉しいではないか。

彼女(Chateau talbot 1985)が「どう開けたがられているか?」を2時間以上、コルクの抜栓を通して、じっくり見てそして語り合う。まさに前戯である。

32年眠っていたコルクは、全体的に柔らかいコルクで、抜栓中に横に亀裂が入って伸びている感じであった。それでも慌てない慌てない。

1mmずつ、ゆっくりと1mmずつ、しっとりと32年間ワインに浸っていたコルクがボトルの内側を螺旋階段を登っていくような感じで、優しくエスコートしながら引き上げる。

ゆっくりと開かれていく、痺れるような美しい緊張感の中で、芳醇な香りを仲間と分かち合う。最高の時間。コルクは途中でちぎれたが、それもコルクとの対話である。実に愉しいではないか。

しかし、コルクが抜けるまでの間もジワジワと芳醇な香りを感じていたが、コルクが抜けた瞬間、濃厚で甘くフルーティな香りが強烈ににじみ出てくるのである。ずっと浸っていたくなるようなシャトー・タルボ1985の華やかな香りに包まれながらのテイスティングへ歩を進めようではないか。

いざテイスティングへ

Chateau talbot が、グラスに注がれはじめるその瞬間から、フレッシュな苺の果実畑の中に舞い降りたかのような、なんとも甘くて優しい、それでいてハッキリとした主張のあるブーケが漂う。華やかでフルーティーな香りと、予想を裏切るような渋みの無さとさっぱりとした飲みやすさ、そして、長くカラダに残る樽の香り。そして32年という少し哀愁を感じながらもエレガントで艶やかさがあるワイン。

オールド・ヴィンテージワインは、注いだら酸化する前にすぐに飲むということが鉄則。早く飲まないと、どんどん味が変わるのである。劣化は待ってくれないのである。

グラスに注がれた赤というより琥珀色のワインを見て、香りを嗅ぐと、さっきの注ぐ時よりは、少し収まっているものの、瞬時に渇望を与える香りである。そこから、グラスを回して再び香りを嗅ぐと、1回目に嗅いだ香りとはまったく違う、そして、ワインを注ぐ時ともパワーがまったく違う、ベートーベンの交響曲第7番の第1楽章の盛り上がる部分のような。

このカラヤン指揮のベートーベンの交響曲第7番の第1楽章の盛り上がる部分のような音楽が頭の中を駆け巡り、口の中に入ってくるこの Chateau talbot 1985 は、生まれて30年以上の月日が立っているとは思えないほどのフレッシュさに加え、なんともエレガントで艶やかな感じ。30年前に、この葡萄の木が育ったテロワール(土壌)の土の香りである。

そして、新酒の若々しいボジョレーヌーボのようなガチガチの固さではなく、30年の年月がとろけるようにセクシーで、魅力的な年代のせいか少し哀愁を感じるようなところもありつつも、でも、これから戦いに挑む私の背中を押してくれるような感じであるのだ。まだまだ全てを上手くは表現できないが、とにかく美味しかった。官能的であった。

ワイン探しから始まるワイン会

今回、Chateau talbot 1985ワイン会の前に、参加者全員が、事前にタルボについて学んできたことをシェアするという未知なる新たなる経験が、これまた深い時間にしてくれた。15人の参加だったので15人分の知識が同時に学べる訳である。参加者からは、以下のような感想が聞かれた。

  • 「美味しくてすぐ全て飲んでしまった。雨降った後の庭の土の香りがする」
  • 「こんなに余韻に浸れたワインは初めて。もっと浸りたい」
  • 「香りを形にして残しておきたい」
  • 「鼻から抜けていく香りが最高!樽の香りを感じる」

この Chateau talbot でも1985だけは特別である。赤ワイン(Red Wine)を初めて、美味しい!官能的と思わせてくれた秀逸なシャトー・タルボ1985。参加者の感想を見ても、人生を変えたワインになっていると感じて頂けるのではないだろうか?

そう考えると、ワインと人生とのマリアージュは、彗星の衝突のようなものかもしれない。奇跡の出来事なのだ。だからこそ「一期一会」を大切にしなければと思うのである。江戸幕府の大老であった井伊直弼は『茶湯一会集』という書物にて、茶道における「一期一会」の理念をこう書いている。

一期一会とは、「そもそも茶湯の交会は一期一会といひて、たとえば、幾度おなじ主客交会するとも、今日の会にふたたびかへらざる事を思へば、実に我一世一度の会なり、去るにより、主人は万事に心を配り、いささかも粗末なきやう 〔中略〕 実意を以て交わるべきなり、是を一期一会といふ」

一期一会とは、「一生に一度の出逢いを大切にしよう」という意味ではなく、何度も同じ人と茶会で同席したとしても、この茶会は一生にその日ただ一度のこと。二度と同じ時に戻ることはできないのだから、心を尽くしてもてなさなければならない。という意味なのである。

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