Chateau Latour 1971(シャトー ラ・トゥール)ワイン会

今日の写真は、Chateau Latour 1971 ワイン会でサーブしている様子である。フランスワインのボルドー五大シャトーのなかで、最も男性的なワインとされ、世界最高峰に君臨する偉大な、Chateau Latour(シャトー ラ・トゥール)1971を仲間と共に愉しんできた。いや、愉しんだというより「勝負してきた」かもしれない。また30年後に飲みたいと思わせるジェントルマンなワインだった。世界を冒険するマーケター山下裕司です。

世界最高峰に君臨する〜Chateau Latour〜

※画像は、http://www.chateau-latour.com/enより引用

ボルドー地方メドック地区にあるポイヤック。この地区は、ボルドーで最も良いアペラシオン(原産地)といわれている。1855年にナポレオン3世の要請により制定された「グラン・クリュ格付け」で、Château Lafite-Rothschild(シャトー・ラフィット・ロートシルト )、Château Latour(シャトー・ラトゥール)、そしてChâteau mouton rothschild(シャトー・ムートン・ロートシルト)の5つのグラン・クリュ・クラッセのうち、premiumの3つがこの土地から出ているのだ。

さて今回のワイン会は、フランスワインのボルドー五大シャトーのなかで、最も男性的なワインとされ、世界最高峰に君臨する偉大な、このChateau Latour(シャトー ラ・トゥール)である。ボルドー五大シャトーとは、フランスのボルドー・メドック地区の格付けで、以下の世界トップクラス・シャトーのことを指す。それが以下の五大シャトーである。

  • Château Lafite-Rothschild(シャトー・ラフィット・ロートシルト )
  • Château Margaux(シャトー・マルゴー)
  • Château Latour(シャトー・ラトゥール)
  • Château Haut-Brion(シャトー・オー・ブリオン)
  • Château mouton rothschild(シャトー・ムートン・ロートシルト)

今回は、Château Latour 1971 を愉しむワイン会。調べていくうちに、すごく気になったのが、シャトー ラ・トゥール 1971の「完璧なまでの品質主義から生み出す、”常に最高の品質、力強くタニックで荘厳”なスタイル」という点である。

そして、エチケットが素晴らしいのである。「象徴的な塔の上にライオン」まさしく男性的と称される Château Latour に相応しいエチケット。そして、それに違わぬ深い味わいは100年経ても色褪せることなく私達を魅了してくれる。ランクロと呼ばれる特別な土地で育ち綿密な管理のもと栽培醸造される。雄々しさのなかの繊細さは、まさにジェントルマンである。

葡萄のできが難しい年でも品質にバラツキが少ない技術とプライドが備わったシャトーと紹介されるほどである。

昔、トヨタ自動車で13年間、品質管理の仕事をしていた私は「どんな品質管理なのか?」と、気になってwebサイトを調べた。トヨタ自動車では「検査の理念は検査しないことにある」という考えのもと、品質管理の基本は、工程を良い状態に管理することであり、悪いものは造らない「品質は工程で造りこむ」自工程完結を目指していた。

ワインを作るのは機械ではなく、人なのである。データを鵜呑みにするのではなく、現地現物でしっかりと自分の目や感触という五感を使って確認する。私がトヨタで上司や先輩に教えられたのも現地現物だった。手を汚さないものはエンジニアではないと教えを受けていた。匠の職人が多くいそうな感じがするワイナリーである。

すると、そのwebサイトには、そこには整然とした美しいブドウ畑が広がっていた。これだけのブドウ畑を見ると、職人の手によって本気で一粒一粒、愛情込めて大切に育てられているのが十分に伝わってくる。それが顕著に見えたのがワインコルクである。今回のワイン会で参加者の感想で飛び交っていた、”堅牢さ”という言葉。しっかりできているという感じが、見事に当てはまるのである。

これは、you tube で、たまたま見つけた動画だが、こうやって Château Latour の最高のテロワール(土壌)を造り込んでいるのである。

完璧な品質管理から生み出す、最高品質のワイン!

※画像は、http://www.chateau-latour.com/enより引用

Château Latour に使われるブドウは、畑の中心部「ランクロ」と呼ばれる特別な区画で育てられることで有名である。ラトゥールでは長期的な品質管理のため、常にブドウの樹の入れ替えを行っており、十分な樹齢を重ねていない若樹にブルーのテープを貼り、それを目印に樹齢によって別々に収穫するのだ。通常のシャトーでは畝や区画まるごとを植え替え、管理するものだが、ラトゥールでは樹1本1本ごとに管理を行っているという、徹底された管理を行っている。

そして、シャトー・ラトゥールの品質向上に大きく貢献した支配人である、完璧主義といわれるフレデリック・アンジェラ氏は、トップレベルのワインを生み出し続ける秘訣をこのように言っている。

所有しているワイナリーは既に最高のテロワール(土壌)をもっているのでよいワインはできる。大切なのは人で、パッションがあり、仕事ではなくミッションとしてワイン造りに取り組んでくれる人を選んで育てている。そして彼らには、絶えず自己批判を行い、データを信用することなく常に畑に行けと叱咤している。安堵は許されない。

と、その厳しいワイン造りの哲学を語っていた。ちなみに、フレデリック・アンジェラ氏が勤めているのは、「アルテミス・ドメーヌ」である。「アルテミス・ドメーヌ」の傘下には、ケリングやクリスティーズ等がある。ケリングは、フランス・パリを本拠地とし、グッチ、ボッテガ・ヴェネタ、サンローランといったブランドを展開するコングロマリットである。クリスティーズは、1766年に創業した世界で最も長い歴史を誇る美術品オークションハウスである。

ワインと愉しむ、この抜栓までの時間

ワイン会という言葉を聞いて、あなたはどのような会を思い浮かべたであろうか?高級ワインがいくつか並び、飲み比べをするようなイメージだろうか?このワイン会は、そのイメージしているものとは全く違う。

このワイン会の大きな特徴は、ワイン会を準備する過程からすべてを愉しみ、当日は一本のワインをゆっくりと10人ほどで味わうのである。750mlのボトルを10人くらいで飲むわけだから、最後の澱の部分を差し引けば、「一人あたりたった65mlぐらい(=ヤクルト1本と同じ容量)」を、2時間かけて飲むだけのワイン会なのである。

他との違いは、コレより先の文章を読んで頂ければ一目瞭然だ。

さあ、いよいよ抜栓。一週間前から澱を瓶底にためるため保管していたが、さすがの Château Latour である。圧倒的な存在感。私もこれまで人生を変える何本もの、オールドヴィンテージワインに出会った。抜栓の前に、過去どんなワインたちと愉しんできたかを振り返ろう。

  • 1970 DOM PERIGNON(ドン・ペリニヨン)
  • 2007 Chateau LYNCH BAGES(シャトー・ランシュ・バージュ)
  • 1997 Chateau PALMER(シャトー・パルメ)
  • 1987 Chateau LYNCH BAGES Magnum(シャトー・ランシュ・バージュ・マグナム)
  • 1977 Chateau LATOUR(シャトー・ラトゥール)
  • 1937 Chateau RAUSAN SEGLA(シャトー・ローザン・セグラ)
  • 1967 Chateau CALON SEGUR Magnum(シャトー・カロン・セギュール・マグナム)

  • 1968 Château Calon Segur(シャトー・カロン・セギュール)
  • 1968 Château Petrus(シャトー・ペトリュス)
  • 1959 Bollinger(ボランジェ)
  • 1958 Château Lafite-Rothschild(シャトー・ラフィット・ロートシルト)
  • 1938 Château Lafite-Rothschild(シャトー・ラフィット・ロートシルト)
  • 1874 Château Lafite-Rothschild(シャトー・ラフィット・ロートシルト)
  • 1918 Château Latour(シャトー・ラトゥール)
  • 1918 Château d’Yquem(シャトー・ディケム)
  • 1811 Camus Napoleon Grandemarque Cognac(ナポレオン・グランコニャック)

・1985 Chateau Talbot(シャトー・タルボ)

「Château Latour 1971」いざ抜栓!

「なぜ、今日はこの一本なのか?」という話からワイン会はスタート。

オールド・ヴィンテージのワインコルクはやわらかくなっており、オープナーをさせば崩れていく。プロのソムリエでも失敗することの多い古酒の抜栓。

これを僕らは、ゆっくりと優しく繊細に、1ミリずつ時間をかけてコルクを抜きながら、すべてを愉しむのである。

「素晴らしく状態が良い!!」

しかし47年も経って、ここまでコルクの状態が良いのに初めて出会った。コルク上部のカビ状態も良く、コルクにしっかりと弾力が残っていたのである。保管状態がとても良かったのだと感じる。

ワインとして生まれて、47年後にこうやって仲間と飲むときのために、歴史を繋いでくれ、素晴らしいワインを継承してくれた人たちに感謝である。ワインこそ継承の遊びだと思う。大人の遊びが分かる大人が、時代を繋いで次の人と遊ぶ。なんとも愉しい遊びである。それを Château Latour でやるのだから”粋”である。

抜栓は、コルク抜きのコルクスクリューをコルクに差し込み入れたときの感触は、脆くなく柔らかいながらも、とてもしっかりしているという感覚。じっくりスクリューを差し込んでいくと、しっかりと包み込んでくれるような反応を返してくれる感触。まさにジェントルマン。

こういったところに、世界最高峰に君臨すると言われる Château Latour の品質管理力を感じることができる。コルクは上半分からちぎれてしまったが、この状態を見ると、しっかりしている感じが理解してもらえるだろうか。そんなこんなで、完全に抜栓するまで30分くらいかかっただろうか。この抜栓するまでもが愉しいのである。年季の入ったコルクとの対話もあり、そしてコルクが抜け始めると、少〜しずつボトルの中からジワリジワリと外へ溢れ出てくるブーケの香り。一人づつ持ち寄った、今回の Château Latour のうんちくを披露して、知識も深めながら、ワインを飲むまでも愉しいワイン会である。

飲んだ印象は「柔らかく穏やかなジェントルマン」

2年前に、Château Latour 1977 を飲んだことがあるので、その時と比べてどんな違いがあるのかも愉しみの一つでもあったが、全然違う印象であった。今回、サーブを担当したが、ブーケを最大限に香ってもらうために、非常に慎重になったし段取りを考えた。サーブも非常に重要な役割である。そして、いよいよChâteau Latour 1971 を飲んだ時の印象は、前回同様に豪腕な男性というよりは、鼻の奥に残るスモーキーな香りが残る感じが、エレガントな男性感を出していて、まさにジェントルマンをイメージさせるようなワインであった。時系列に表現すると、、、

  1. 抜栓直後の一口目:スモーキーな味わいとタンニンがまだ残っている若い味
  2. 5分経過:スモーキーな香りが強くなり、味に甘味が増す
  3. 7分経過:テロワール(土や空気)の味
  4. 15分経過:タンニンが強くなりすぎて、もうキツイ印象

しかし、まだまだ太陽の味を感じられる感度がなかった。男性的というキーワードに、力強いガツンとした果実味を想像していたが、拍子抜けするほど柔らかく穏やか。まさに、年齢を重ねつつあるジェントルマン。ノリや華やかさではなく、未来に向かって積み上げた人生で勝負する、私が目指すべきジェントルマンの方向性そのものに感じた。ヨハン・ シュトラウス2世が1889年に作曲した皇帝円舞曲(Emperor Waltz)のような音楽が頭の中を駆け巡る。

まだまだ伸び代をたっぷりと感じさせてくれるChâteau Latour 1971。私が70歳くらいになった時、あと30年後くらいが一番愉しめるワインではないだろうか?70年、100年と、さらにさらに長期の熟成が待てる、そんな期待感があった。時間への投資に耐えられる素質がこの Château Latour の価値をどんどん高めている理由の一つであろう。

Château Latour 1971 は、ジェントルマンとしての人生のモノサシになるワインだと感じている。20年後、また同じこのメンバーと一緒に飲んで、円熟味を増したChâteau Latour 1971に対して、どれだけ勝負できるか?そんな勝負がしたくなるワインであった。この一本と出会えて、Château Latour 1971 を飲んだこと、みんなで語り合えたことで、間違いなく私の人生の彩りが豊かになったのは間違いないのである。

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