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定性的に分析する考え方「新QC7つ道具:親和図法(KJ法)」とは?

2023年2月20日

新QC7つの道具 親和図法(KJ法)

親和図法(KJ法)とは?

親和図法とは、品質改善や問題解決に活用される手法で、原因が明確でない問題・課題に対する「事実(ファクト)・意見(オピニオン)・発想(アイデア)」を言語化し、それらの「親和性」を見出し統合図として、暗黙知となっている情報群を可視化することで問題・課題を整理する「新QC7つ道具」の手法の一つです。

「KJ法(川喜田二郎法)」とも呼ばれ、地理学者・文化人類学者であった故 川喜田二郎氏が考案した情報群を分類する手法の一つで、親和性が高い情報をグループ化することで、問題・課題について解決策を模索していくという考え方です。

この親和図法(KJ法)は、問題解決において、直感を大事にして問題の解決法を定義していくというのが、この方法の主な手法になり、ここかでが親和図法という方法になり、KJ法の場合、問題定義の解決法をさらにほかの提案からグループとしてまとめていこうと考えるのがKJ法です。

親和図法(KJ法)のやり方6ステップ

親和図法の6ステップ 画像説明

問題や課題に関連する言語データ収集

親和図法(KJ法)のやり方については、まずは課題である問題点や課題を見つけ、問題点をグループ化できる場合、一つのグループとして考えます。

この時グループになった問題点に共通点があれば、共通点で一つのまとめ上げた問題として考え、まとめ上げた問題が最重要課題になりますので、今度は、問題点について解決法を見つけるのがKJ法で、解決方法もまとめ上げていきまとめ上げた方法が最重要の解決法であると認識します。

この重要な解決すべき問題を解決する方法を作り上げることが最大の目標になります。

親和図法(KJ法)6ステップ

  1. データ収集
    親和図に使用するための、関連するデータを収集します。ここでいうデータとは、実験・調査・または過去の記録等を指します。
  2. 変数選定
    親和図を作成するに、2つの変数を選定します。これらの2つの変数を、縦軸と横軸に対応させます。
  3. データの数値化
    選定した変数を使用して、データを数値化する必要があります。この数値化されたデータを、親和図上の点として表示します。
  4. 親和図の作成
    縦軸と横軸に変数を設定し、点を描画することで、親和図を作成します。
  5. データの解析
    親和図上の点を見て、データの関連性を解析します。例えば、点が線形的に整列している場合、正の相関があることが示されます。点が散らばっていて規則性が見当たらない場合、相関がないことがわかります。
  6. 問題箇所の把握
    親和図上に強い相関がない点、または異常値を含む点などから、問題を把握できます。

親和図法(KJ法)の事例

親和図法(KJ法)の事例ですが、これは製造業において事例が多く存在しており、問題を定義して、問題の解決法を探していくうえで、問題の解決方法をグループ化していくことで一番の問題はどれかを探すために使用するという事例が多いです。

たとえば、「ISO9000認証取得後の問題点」という問題が出た場合、例えば、以下のように一次要因から二次要因と導き出します。

  • 一次要因1:職場での実践の環境が整わない → 【二次要因】:活動の偏りがあり全員参画になりづらい・レビューがうまく進まない
  • 一次要因2:ISO取得の成果が得られない → 【二次要因】:業務効率化が進まない・コスト低減や品質向上活動が進まない

【一次要因】:認証取得を有効にする方法論が整っていない → 【二次要因】:組織によって認識が違い効果的な監査ができない・社内の他活動とのシナジー効果が出ていない

という具合に、一次要因から二次要因を導き出し、そして二次要因から三次要因を導き出していきます。

親和図法は、データ関連性やトレンドを簡単かつ効果的に確認することができるため、多くの分野で利用されています。例えば以下のような事例です。

  1. 産業分野
    製造業の現場では、安全・品質・生産との両立が求められる中で、品質問題・生産ボトルネック工程の改善の中で、親和図を活用することは日常的にあります。「千錯万綜」に絡み合う問題原因を確認することで、品質向上・生産効率向上の実現が可能となります。
  2. 医療分野
    医療現場では、患者の病気と治療効果との関係を親和図で分析することがあります。これにより、最も効果的な治療法を確認できます。
  3. 金融分野
    金融市場では、株価や経済指標と株価変動との関係を親和図で分析することがあります。これにより、株価変動のトレンドが予測できます。
  4. 心理学分野
    心理学では、人々の行動・感情とストレス・不安など、なかなか言語化できない関係を親和図で分析することがあります。これにより、ストレスや不安による影響の大きさを明らかにすることができます。

親和図法(KJ法)のメリット・デメリット

マルとバツの札を持った作業員

親和図法(KJ法)3つのメリット

親和図法(KJ法)のメリットは、アイデアがすごく生まれやすいという点にあり、問題解決するアイデアを多数出したうえで、いずれかを採用したり複数のアイデアを採用することができるという利点があります。

複数の問題に対し複数の解決法を備えることができるため、製造業などでマニュアル化して問題の解決に取り組む場合、様々な方法で対応できます。

メリット1:相関関係の確認

親和図法は、2つの変数間の相関関係を簡単かつ明瞭に確認することができます。

メリット2:データの視覚化

親和図法はデータを平面図形で表現できるため、データの傾向やトレンドをわかりやすく確認することができます。

メリット3:分析結果の共有

親和図法の結果は分かりやすい形で表現されるため、他の人々と分析結果を共有することが簡単です。

親和図法(KJ法)3つのデメリット

親和図法(KJ法)は、問題解決方法が多いと標準化するためにマニュアル化する際に多くの時間がかかる点と、問題解決法が思いつかない場合に手詰まりになるというデメリットがあります。

デメリット1:相関関係と因果関係の混同

親和図法は2つの変数間の相関関係を確認できますが、相関関係と因果関係を混同してしまいがちなので、強く留意しておく必要があります。

デメリット2:外れ値の影響

親和図法では、グラフに外れ値が含まれてしまうことがあります。この場合、相関関係を大きく誤って示す可能性があります。

デメリット3:変数の限界

親和図法は2つの変数間の相関関係に限られ、3つ以上の変数間の関係を確認することはできません。

親和図法(KJ法)と連関図法の違い

親和図法と連関図法は、共にデータを平面図で表現するためのツールですが、それぞれ異なる特徴を持っています。

親和図法(KJ法)の特徴

親和図法は2つの変数間の相関関係を表現するためのツールであり、相関関係とは、2つの変数が同時に変化するか、変化する方向が同じかどうかなど、変数間の関係を意味します。相関関係が詳しく表現されるので、データの傾向やトレンドを確認することができます。

品質改善や問題解決に活用される手法で、原因が明確でない問題・課題に対する「事実(ファクト)・意見(オピニオン)・発想(アイデア)」を言語化し、それらの「親和性」を見出し統合図として、暗黙知となっている情報群を可視化することで問題・課題を整理する手法の一つです。

連関図法の特徴

一方、連関図は、要因の相関関係、たとえば原因と結果、目的と手段といった千錯万綜している、それらの相互関係を図で整理して分かりやすく表現するものです。

連関図法は、複数の変数間の関係を表現するためのツールであり、連関図法では、変数間の相関関係だけではなく、変数間の因果関係も確認できる方法です。連関図法でもデータを平面図で表現しますが、様々な変数の間にある関係を視覚的に理解することができます。

利用する場面や目的に応じて、適切なツールを使用することが求められます。


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