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品質改善の考え方「重点指向」とは?

2015年12月27日

品質改善の考え方「重点指向」とは?

重点指向とは?

『複数の問題から重要問題を選定し、優先的に取り組むこと』

考えられる限りある資源(人・モノ・金・時間など)を有効に使い、最大限の効果を得るために、様々ある問題の中から、重要問題を選定し、これに優先的に取り組むという考え方です。

つまり、結果に大きな影響を与えているもの、効果の大きい重点問題に着目することで、効率的な仕事の進め方をするという考え方です。この重点思考を実践するには、上位目標(会社や部署)とあなたの活動の因果関係を理解し、結果に大きな影響を与える原因の優先順位を決めることが重要となります。

重点指向の必要性とは?

「時間・人・金をかけて一生懸命にやったが結果が伴わない・・・」大阪府守口市にあるクライアントの製造工場の工場長の言葉です。

一生懸命やった割に、小さな効果しか得られなければ、社員のやる気の問題だけでなく、工数、費用などの損失が発生します。赤字が続けば会社の存続問題になってきます。

考えられる資源を有効に活用し、最大限に効果が出る対策を行う必要があります。そのためにも結果に大きな影響を与えている原因を追求し、優先順位をつけて重点的に対策していくのが重点指向の考え方です。

重点指向

重点思考の背景

重点思考の背景には「パレートの法則」という考え方があります。

パレートの法則とは、、、

イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した冪乗則。経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという理論。80:20の法則、ばらつきの法則とも呼ばれる。

Wikipediaより引用

パレート図とは

パレート図の見本

「上位20%が全体の80%を占める」という法則です。例えば、上位20%の顧客が売り上げの80%を占めるなど。各工程に問題がいろいろあっても、本当に重要な問題は不良の多い一部の工程なのです。

「結果を出す改善」には重点指向の考え方が必要

今まで、22業種100社以上の集客・品質改善サポートを行ってきた中で、言われてきたのは「重要と思われる問題は山ほどあるので、優先順位が付けられない・・・」「どうしても目の前に起きている問題に取り組んでしまう・・・」ということをよく言われました。

複数の問題があれば優先順位が必要

重要な問題が複数あったとしても、その中で優先順位を付け、一つの問題解決にフォーカスすることが必要です。同時にいくつもの問題を解決しようとしても、中途半端に力が分散しては解決もできません。現状の問題を見える化してリストアップ・整理した後、問題の重要度、拡大傾向、緊急度などから総合的に決める必要があります。

優先順位を決める3つのポイント

  • 「緊急度」
    『すぐに対策をとらないと重大な結果を招く問題』
    早急に対策しないと、どんな不具合になるのか?を確認する。その数字の大きさや、対策しない場合の結果の深刻さから判断する。
  • 「影響度・重要度」
    『影響の範囲と程度が大きい問題』
    問題が影響を及ぼす範囲の大きさ(自社内で済むのか?社会全体に影響するのか?)
  • 「拡大傾向」
    『放置すれば、その影響や程度が拡大する問題』
    この問題を放置すると、どれだけ問題が大きくなる可能性があるのか?現在の傾向だけでなく、過去から現在までのデータの経過を見て判断する。

まとめ

品質向上を図り、利益を高めていく経営をするためには、重点思考という考え方は大切です。今、目の前で起きている問題、まだ見えてない問題を見える化し、優先順位を明確にし、限られた資源でフォーカスして問題解決に取り組むことが必要です。

また、重点指向では問題を見える化するため、自社内の他部門などの第3者と比較することで、自部署の重要問題を客観的に評価することができます。

目の前で起きている問題だけが、重要な問題ではありません。まだ見えてない大きな問題がどこかに潜んでいるということは、十分に考えられます。重点指向の考え方で、解決していきましょう。


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