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品質管理の考え方「ファクトコントロール」とは?

2015年12月24日

品質管理の考え方「ファクトコントロール」とは?

ファクトコントロールとは?

『事実に基づいて、できるだけデータでものをいうこと』

 経験・勘・度胸(KKD)に頼って仕事を進めるのではなく、可能な限りデータなどの客観的事実に基づいて仕事を進めることをいいます。
ファクトコントロールとは、データでものをいうことであり、主観的判断を客観化することです。

ファクトコントロールの必要性

ファクトとは事実。つまり、ファクトコントロールとは、事実に基づいて仕事を進めるコトです。

KKD(経験・勘・度胸)だけに頼った仕事は、大きなリスクを伴います。もちろん、ビジネスを進める上で「経験・勘・度胸」は必要ですが、これだけに頼りすぎると判断を間違えてしまうことがあります。

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例えば、「突然、ブログから製品が売れ始めたから、このブログの進め方で間違いない」と思い込んでいたら、実は「知り合いが勧めてくれていただけだった」とか、「次の企画は、今までの経験からいって大ヒット間違いなし」と自信があったのに大ハズレだった、などということは珍しいことではありません。

それは、KKD(経験・勘・度胸)だけでは、事実を正確につかむことが困難だからです。
逆に、事実を正確につかむことができれば、現状把握ができ効果的な改善ができるので、成功する確率は上がるものです。さらに、KKD(経験・勘・度胸)のプロセスは個人の中で完結する場合が多く、客観的な表現が困難である傾向が強いく、再現も難しいため、関係者の共有化を図る場合は、ファクトコントロールの考え方が必要となります。

事実を正確に掴むための6つの手順

事実を正しく把握し、正しく判断するためには、三現主義(現地・現物・現実)やQC手法が必要です。プロセスの結果は、必ずバラツキがありますので適切に統計的手法を活用することが重要になってくるのです。

  1. 現地・現物で、物事を観察し、事実・現象を捉える
    憶測ではなく、事実を掴むため、現地現物で物事を確認しましょう。
  2. どのようなデータを収集すればいいかを決める
  3. そのデータを、何のために、どう使うのかを明確にする
    「とりあえずデータをとってみる」ではダメ×
  4. 正しいデータをとる
    ・サンプリングは、全体の姿を反映しているか?
    ・測定方法は適切か?
    ・測定精度は適切か?
    ・測定器具の信頼性は大丈夫か?
  5. QC手法などの科学的手法を活用して、データを解析する
  6. 考察し正しい情報を得る

やっぱりKKD(経験・勘・度胸)の方が仕事が早い?

 今まで、22業種100社以上の集客・品質改善サポートを行ってきた中で、言われてきたのは「KKD(経験・勘・度胸)の方が、てっとり早い」「データを取るのは時間がかかって面倒」ということをよく言われました。

【本当にKKD(経験・勘・度胸)の方が、仕事は早く終わる?】

▶︎【KKD(経験・勘・度胸)で取り組む場合】

 仕事を進める上で、経験、勘、度胸は必要です。そちらの方が早い場合もあります。しかし、KKDでは仕事のモレがあったり、やり直しが発生しやすく、仕事にかかるトータル工数という視点で見ると、かえって時間がかかる傾向にあります。とくに、経験が浅い経験不足の新しいことに取り組む場合は、その傾向は顕著になります。

▶︎【データ取りの注意事項】

 データを取ることは一見、面倒のようにみえます。しかし、主観的な感情を省き、客観的な事実を正確に掴むことができるため、正しい判断ができるというメリットがあります。判断を間違えて、再度やり直すということを避ける可能性が高くなります。

正しい判断をするために”事実”と”経験”を活用する

経験が尊いのは当然のことです。KKD(経験・勘・度胸)は、全く否定される必要はありません。とても素晴らしい資産です。新規受注獲得のためのコンサルティングを行い際も、事実を重要視します。データでものをいうために、googleアナリティクスや顧客データを活用します。ただ、過去の経験を無視しているかと言えば、そうではありません。

経験や勘は、問題点の抽出や、要因の洗い出し、アイデア出しなどの段階では、とても重要なもので、それがないと仕事が進みません。そして、いくらデータを集めて事実を確認したとしても、最後に決めることを後押しするのは、KKD(経験・勘・度胸)です。

しかし、全てをKKD(経験・勘・度胸)で解決しようというするのは危険です。使うタイミングや使い方を間違えないようにしましょう。経営には、落とし穴にハマってしまわないようにデータで事実確認も必要ですが、最後の決断は、KKD(経験・勘・度胸)も必要なのです。

まとめ

データほど、事実を客観的に表しているものはありません。“データ”という“事実”によって現象を把握することにより、的確な判断ができます。つまり、ファクトコントロールとは“データでものをいう”ということ。

データから得られる事実と今までの経験を、上手く使いこなすことで、効率的に短時間で、最大の結果を手にすることができるようになるでしょう。使い方を間違えないように使いましょう。

品質保証を行う上で、重要な12の考え方

  

内容

1

PDCAサイクル

「仕事を効果的・効率的に進めるための手順のこと」

2ファクトコントロール

「事実に基づいてデータでものをいうこと」

3

プロセス重視

「結果でなく、仕事のプロセスを管理していくこと」

4

標準化

「標準を作り、守り、それを活かしていく」

5

源流管理

「プロセスの下流でなく、プロセス上流で管理すること」

6

現地現物

「問題が起きた現地に足を運び現物を見ながら考えること」

7

品質第一

「品質優位により利益確保を目指すこと」

8

顧客志向

「お客様の真に要求するモノ・サービスを提供すること」

9

後工程はお客様

「後工程に喜んでもらえるモノやサービスを提供すること」

10

重点指向

「複数の問題から重要問題を選定し、優先的に取り組むこと」

11

再発防止

「根本原因を見極め対策することで問題を再発させないこと」

12

未然防止

「先を読み、想定される問題に対してあらかじめ手を打つこと」