本日は『問題解決手法「評価(効果の確認)」』をお伝えいたします。
評価(効果の確認)とは?
評価とは「どれだけの価値・価格があるかを見定めること」です。
立てた目標に対し、どの程度達成できたかを把握し評価する。つまり、対策を実施した結果、変化や効果があったかどうか確認することが必要です。
評価(効果確認)5つのポイント
①:評価基準は目標値に対して比較する
目標設定で行った「何を・どれだけ・いつまでに」 が、目標の3要素です。評価の基準もこの3要素で比較する必要があります。評価基準が明確でないと、正しい評価ができないからです。
悪い例え、、、「途中から評価項目が変わったけど、改善前よりは良い傾向だ・・・」「対策期間が1ヶ月延びたが予定通りの効果が出ているからOK」という評価です。
これでは、評価基準が変わったり、期間が1ヶ月も延びては、正しい評価はできません。もちろん、効果が出るということは大事なことですので、良いことでああるのですが、このような評価を続けているとすぐに暗礁に乗り上げてしまいます。
②:有形の付随効果も確認する
品質不良低減活動で品質改善を行い不良数が減った場合、手直し品や廃品の低減と共に、手直し工数補助材料費(加工油、接着剤等)や、エネルギー費も付随的に減っていることが多いですので、補助剤なども調べてみましょう。
その際に、必ず調べておきたいのは「どれだけの金額の原価低減ができたのか?」ということです。品質管理の目的は、ムダのないシンプルな生産ですので、原価低減した金額は明確に見えるようにしましょう。
【有形効果の確認のポイント】
- 現状レベルで把握したQC手法を活用し、”同じ尺度で比較”する。
- 可能な限り最適策の内容ごとに把握する。
- 目標未達成の時は再度挑戦する。
- 最適策で費やした時間、費用、他への悪影響等も把握する。
- 狙った有形効果以外の波及効果も把握する。
③:無形の効果も確認する
改善を進めると、想定している有形効果以外にも、数値化できない目に見えない無形の効果も何かしら出ています。数値以外の効果にも目を配ってみて、どのような効果が出ているか?把握してみてください。
例えば、コミュニケーションが良くなりチームの結束が高まった。改善の知識や経験が向上した。チームメンバーの向上意欲が高まったなど。
【無形効果の確認ポイント】
- レーダーチャートでチームの成長を評価。(チームワーク、役割分担、解決能力など)
- 個人の成長を評価する。(手法の修得、改善意識、固有技術など)
- チームの目標とする成長度と比較。
- チームで活動の評価項目と尺度を設けて効果を把握する。(改善意識の向上、提案件数など)
④:マイナス効果も出ていないか?忘れずにチェック
一生懸命に取り組んだ問題解決ですから、頑張りを認めて欲しいものです。報告の時は、効果が出たことを強調したいと思いますが、改善によって出たマイナスの面も把握しておきましょう。プラス・マイナス共に、正しい評価をしておかないと、次回からの活動に活かせませんので、キチンと把握しておきましょう。
例えば、生産性向上のために設備改造費用がかかった。部品の強度アップのために専用部品新設による外注品費増。刃具の切り替えタイミングを早めたので工具費が増加など。大きな改善効果が出て品質向上に繋がったとしても、その分時間がかかるようになったということは、よくある話です。プラス面だけでなくマイナス面も把握しておくようにしましょう。
⑤:改善結果が目標を達成しなかった場合
頑張って改善しても思うような改善結果が出ないこともあります。目標値が達成できなかった場合は「これは、どこかで何かが間違っていた」ということですので、原因がどこにあったかを探り、再アプローチをかけていきます。もう一度「現状把握」からやり直しましょう。
目標値が達成できなかった原因は、例えば改善策が非現実的で実施ができなかったのか?もしくは、原因に対して対策が合ってなくて改善効果がなかったのか?によって、再アプローチの方法を検討していく必要があります。前回の失敗(見逃していた点・検討不足・調査不足)は、必ず今回の糧になりますので、良い反省点として捉え、結果が出るまでチャレンジしましょう。
また今回、改善効果が出たことで目標が達成できたとしても、実は運が良かっただけなのでは?ということもありますので、それが本当に対策の実施による効果なのか?を見極める必要があります。
まとめ
評価(効果の確認)とは、「どれだけの価値・価格があるかを見定めること」です。つまり、立てた目標に対し、どの程度達成できたかを把握し評価します。今まで頑張って改善した結果を評価する段階です。
修正しながら結果を出していくということは、よくある話です。この評価では、目標達成の為に計画した実施事項が、思った通りにうまくいったかどうかをきちんと評価するステップです。
もし期待通りに結果が出てない場合は、すぐに原因を探り、第2〜3案を実行するなど、柔軟に変更し、結果を出していきましょう。