ものづくりにおける品質保証の基本

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ものづくりにおける品質保証の基本

ものづくりにおける品質保証の基本

品質保証とは、「消費者が安心して満足して買うことができ、それを使用して安心感、満足感を持ち、しかも長く使用することができるという、品質を保証すること」新版品質保証ガイドブックには定義されています。詳しくは、こちら品質保証の基礎知識と考え方を参照ください。

例えば、家具通販の場合、

  • 通販で商品を購入する時に「大丈夫かな?」と不安にさせたり、、、
  • 商品が手元に届いたが箱がボロボロだったり、、、
  • 組立てようとするも部品が足りなかったり、、、
  • 商品を使っていたら途中で壊れたり、、、

こういうことがあると、その商品の品質は保証されてないと言えます。

家具は、お客さまの理想の部屋作りのためのツールです。言うなれば、人生の質を向上させるツールでもあります。家具を造る一人の作業者にとって、その作業は1日数百回の内の一回かもしれません。しかし、お客さまにとってみれば、それが全て1/1=100%であります。

従って100%の品質保証は、商品やサービスを提供する企業にとって至上命題ということです。この品質保証を進める上での源流となるのが「不良を造らない」を実践する事にあるのです。

そう考えると品質保証の考え方は「100%保障」だといえます。商品を提供する企業としては、当たり前のことですが、この「100%保証の意味」とは何か、ご存知でしょうか?

100%の品質保証を可能にするのは?

そして「100%品質保証」するために、最も重要な活動である 「不良品を造らない」とは、どういうことか、ご存知でしょうか?そして、不良品を造らないために 「どういう取り組みをすればよいのか?」をお伝えします。

この100%の品質保証を可能にするのが「工程でのつくり込み」です。「後工程はお客さま」と考えると、自分が担当する工程の中で100%の品質を保証し、次の工程に渡さなければなりません。そのためには、自分の担当する工程の工程能力を正確に把握し、その工程能力に合致した品質チェック体制の整備が必要です。

工程能力のある工程は、工程能力と定量チェックで確保された標準ロットで全数保証し、工程能力のない工程は不良品が後工程へ流出しないように100%のチェック(人、自動機を問わず)をしなければならないのです。それが工程でのつくり込みということです。

品質を100%保証する工程を作る3つの活動

①:情報収集のため「現状の視える化」を行う

視える化とは、目で見る管理のことで、職場の全員が目で見て仕事の進み具合が「正常か?異常か?」の判断を素早くでき、対策につなげていくためのものです。一目でパッと見て職場の実態を正しく把握でき、かつ全体の中の自分の位置・役割も理解でき、自主管理を可能とするものです。

視える化の役割は、アクションに繋げる為のものです。視える化は一つのツールであって、行動に繋がらなければ意味は全くありません。自分で気付きを得るためのツールとして、使う立場で使えるものにしていくことが大切です。

●【準備するもの】

製品図、部品図、粗材図の準備

図面とは、何かの機能や構造、配置を描いた図です。機械設計分野では、、、

  • 製作図:素材から加工して部品を作るための指示を行う。
  • 組立図:部品を組み合わせて機械装置をまとめるための指示を行う。

例えば、自動車の車両の場合は、多数のプレス加工された多岐多様の薄板成形機を組み合せ、スポット溶接等の接合によって車両の形に組み立てられます。 車体部分は400点以上の部品から形成されており、一個一個の部品の形状が決められています。製品図とは、それらの部品を個別に又は、assy(アッシー)別にと、それぞれ車輌状態での部品図として作成されており、 前後(L)左右(W)上下(H)方向の寸法等、記入してあり部品形状を図示したものになります。

過去の品質不具合情報の準備

「過去トラ情報をどのような方法で、整理&把握していますか?」通常、品質管理部が過去の品質不良に関する履歴を保管しているはずです。過去5年分程度の過去トラブル履歴を入手し、工程別にそれらの品質不良対策で、品質不良を造らないようになっているか?品質不良を流出しないようになっているか?を確認しましょう。

また、人の技能不足、注意力不足により発生した品質不良もありますので、ポカヨケの有無や、品質知識の教育に活用しましょう。職場管理者であれば、少なくとも過去の各工程別、あるいは組付け部品別の品質不具合の知識は持ち合わせたいものです。年に一度くらいは、過去の不具合の対策が維持されているかを点検したいところです。

品質会議で横展情報を準備
  • 後工程まで流出した不具合:市場クレーム、後工程流出、品質保証部の定常監査結果
  • 自工程内で発見した不具合:手直し品

以上の2つの不具合の対策、再発防止を報告し、関係者全員で協議しましょう。このためにも事実に基づいた「現状調査」「再発防止対策」が重要です。この不具合解析が甘いときは、関係者全員で現場に行き現地現物で討議しましょう。

 

②:不良品を造らない活動「工程能力を確保」する

工程能力とは、製品規格に対する能力が十分足りているか、否かを表すものです。設備工程、手作業工程によらず、工程能力を確保することが、工程での造り込みの原点です。設備は、工程能力Cp>1.0を目指してつくり込み、量産体制後は抜き取りチェックで工程能力を確認します。この工程能力を数値に表したものに、「工程能力指数:Cp」と「工程能力指数:Cpk」というものがあります。Cpは、バラツキの幅と規格幅を単純比較したものですが、製品データ平均と規格中心がずれていたり、意図的にずらしている場合、Cpkも考慮する必要があります。

手作業工程の「工程能力」はうまく保証されていないのが現状ではないでしょうか?手作業工程の「工程能力=技能」を定量的に評価し、未達成工程がないようにしなければなりません。手作業工程の工程能力の視点から定量的な技能評価と、ワーキングライフプランの提示が「技能育成制度」での2本柱です。その中では「必ず要領書で教える」「計画的な技能育成」「技能者の一人前とはどのような姿か?」が提示することが重要です。

また、QAネットワークで各工程の品質保証度を診断して改善活動に繋げているが、未だ手作業や人による品質保証に頼らなければならない工程があるのではないでしょうか?これらを工程で保証するのが「技能」でなのです。

どの企業でも不良品は発生します。それでもできるだけ不良ゼロに近付けるために、品質管理活動を行っています。「なぜ不良が発生したのか?」その原因を突き止め、根本的なところから改善していくことが不良品を造らない活動となります。品質不良が発生するのは、工程で品質を作りこむ要素4M(作業者:Man、機械設備:Machine、材料:Material、加工方法:Method)が何かしらの理由で変化するからです。確率以上に不良があらわれる場合は、工程管理に問題が生じていることを意味します。

 

●【準備するもの】

工程能力を示す基準書の整備
  1. 全数チェック:工程能力が無い工程で全数行われる品質チェックは、ゲージまたは訓練された目視で行います。
  2. 定量チェック:定量(定められた間隔)での標準ロットを確定するための抜き取りチェックです。
  3. 終物チェック:標準ロットの考えから刃具や溶接チップなど交換直前のワークをチェックし、その前の定量チェックとの間のワークの品質を確保する品質チェックです。
  4. 初物チェック:刃具や溶接チップなど交換、修理など工程能力に変化を与える作業のあと、最初の1本目を加工し品質を確認するチェックです。次の標準ロットの開始点のチェックとなります。
  5. 定時チェック:時間を定めて行う品質チェックで、通常は部品単位のライン最終工程で製造責任者の出荷チェックがこれに当たります。品質保証残しワークと併用されます。
  6. 条件チェック:例えば、車両のような溶接などは全数全打点検査することはできず、外観目視チェックしかできません。このため加工条件(電流値、圧力など)をチェックし工程能力を保証します。なお定期的に内部を破壊検査(内部精密測定)を行い確認します。
  7. マスターチェック-:自動測定機(径、高さ、重量)など、全数自動検査工程はマスターでゼロイング、倍率、機能の良否をチェックを行います。
  8. 初品チェック-:設変、設備改造、工程変更(加工条件、検査条件変更)など工程能力が変更する時は、立ち上がりの個別工程整備と同様品質チェックを行います。
人の工程能力(技能レベル)を確保する
  1. 「教える」と言うことは「一人でできるようにする」ことです。多くの企業がやっていることは、まだまだ「頭で理解させる」でやめている状態です。教えた相手の「定期的な評価確認」なしでは教えたになりません。
  2. 「知った」と「理解できた」というのは全く違うことです。特にエンジニアであれば「現地現物で手を汚さずに理解はできません」。さらに言えば「理解できた」と「実行できる」には、汗と涙というほどの大きな隔たりがあります。
  3. 「経験者」と「技能者」というのは大きく違います。「経験者というのはデータ数が多いだけ」と言われ、一方で「技能者はその技能をマスターしており、理論(一般解)を持っている」基礎知識のない人は技能者になれないのです。
  4. 「基礎知識」を教えないと「経験者」は育っても本当に育てたい人材である「技能者」は育たちません。この基礎知識がない経験者は100年経っても「人に教えることはできません」。
  5. 「人に教えれるレベル」とは「基礎知識を持って使いこなしているレベル」の人のことです。この「使いこなすと」は「一般解」「目的」「ムダ」を知って「自ら改善して現状を変えられる」レベルの人を言います。
  6. 教える最低ラインと言えるレベルの人は「できる」+「技能者」でなくてはなりません。結果を急ごうと「経験者」や「経験中」の人に教えさせ流ことで失敗しているマネージャーが非常に多いのです。
  7. すごく重要なことで「作業要領書」をベースに教えるのが基本ですが、「作業要領書」の中に「標準時間」が設定されていないものがあります。これでは一向に「経験者」は育っても「技能者」は育たないのです。
  8. 作業には、「知的作業」や「肉体的作業」がありますが、どちらも「ある作業ができるマスター」というレベルまで到達するには、作業の「時間軸」「精度軸」を満足させることが重要です。

③:不良品を流さない活動「品質チェックによる検出力の確保」

トヨタの品質保証は100%全数保証です。工程能力がある工程は工程能力と定量チェックで確保された標準ロットで全数保証を行います。一方、工程能力のない工程は100%チェックを行います。

組付けは技能レベルが工程能力となります。残念ながら組付け不良については、ポカヨケを工夫されるも充分でないのが現状です。これらは組付け工程の工程能力としての作業技能、不良検出技能が充分であることが求められます。ですので、技能が一定に達していない作業者は指導者の作業フォローで工程能力を確保が必要です。

●【準備するもの】

  • 品質チェック基準書の整備
  • 品質チェック体制の構築と要領書の整備
  • 重要工程の指定、要領書の整備、品質チェック訓練
  • 品質基準書に基づきゲージ設定、ゲージ取扱い要領書の整備
  • 工程検出力の整備
  • 工程管理チェックシート類と要領書の整備
  • 人による検出力を確保

「異常が見える」仕組みを作る

「異常がわかる」、「異常が見える」仕組みを各所に工夫して、異常を管理するのが基本的なマネージメントとなります。生産中に発生した品質異常は即座に発見され、決められた正しいルールによって適切に処置されなければなりません。そのためには、事前に「正常な状態」と「異常な状態」の境界(変化点)を確認しておく事が不可欠となります。

その変化点を管理するためには、「人・モノ・設備・作業方法」4Mの変化情報ならびに期間の指示は、朝のミーティングでメンバーに情報伝達を行います。また現場の管理者は、自ら現場観察時に重点チェックする必要があります。一方、作業者は職務終了時には申し送り帳で、次の作業者へ確実に伝達をする必要があります。

3つの異常管理

①:情報収集「異常の視える化と対応」

異常の視える化というのは、「異常があればラインを止める」といった、問題の所在を「誰もが一目で理解できる」ように見える取り組みのことです。トヨタ生産方式が、視える化を行っているのは「問題をきちんと見えるようにして問題を解決するため」です。異常が見えないと、どこに手を打てばいいかが分かりませんが、異常が見えるようになっていれば、みんなで知恵を出すことができ、すぐに問題解決できます。

大切なのは「問題を解決したい!」「現場を改善したい!」という強い欲求です。その欲求を生み出すのは、視覚的に表し、メンバーの気付きを生み出すことから始まります。

●【準備するもの】

  • 変化点の確認と対応(人・モノ・設備・加工/作業方法の変化情報と品質チェック方法、期間の指示)
  • 品質情報を収集

②:処置「異常発生時の確実かつ速やかな処置 」

「発生したトラブルの改善処置は行ったのに、また同じトラブルが発生した、、、」こういうケースは意外と多くあります。この原因は、トラブルの原因究明が不十分で、原因まで辿りつかず、原因の手前で是正処置を行ったこと、そして高級的な対策を打ててなかったことなどが挙げられます。

その時に、「異常があれば止める」のルールを作り、異常処置マニュアルがあれば、異常発生時に混乱せず、冷静かつ正確に対応できるようになります。経験や主観による処置を排除し、原因究明、復旧に必要な処置を適切に行うことができます。

●【準備するもの】

  • ライン停止と上司・関連部署への連絡
  • 不良範囲とレベルを特定し、ライン稼動または停止判断を仰ぐ
  • 不良品の100%後追いとラインから除去
  • 不良品の識別と隔離
  • 廃却または手直しの決定
  • 手直しの方法、品質チェック方法を決定
  • 手直し流動品の記録と保管

③:再発防止と恒久対策

再発防止や恒久対策とは、二度と同じ問題が発生しないようにする対策のことです。「品質不具合が減少しない、、、」「似たような問題が再発してしまう、、、」こういうことが起きているのは、対策が不完全だったからだと考えられます。

●【準備するもの】

  • 対策会議を行い恒久対策実施
  • 対策会議内容に基づき部下への情報伝達及び教育実施
  • 類似職場への情報横展
  • 対策ノウハウの蓄積活動

最後に

品質というのはお客さまが決めるものです。社内規格をクリアしていれば問題ないわけではありません。企業は商品やサービスを通して、お客さまのニーズを満たし、人生の質を高める活動を行っています。品質不良があってはマズイのです。品質不良が発生してしまうと、お客さまの人生の質が下がってしまうのです。

だから企業は、必死に品質保証活動を行い、お客さまに満足して頂ける活動を行うわけです。商品やサービスを通してお客さまの人生の質を向上させているわけですから。

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