本日は『統計的な考え方「QC7つ道具:チェックシート」』をお伝えいたします。
チェックシートとは?
チェックシートは、データの取得・整理を容易にし、また点検・確認項目がもれなく行えるように、あらかじめ設計された様式・フォーマット。
Wikipediaより引用
チェックシートは、不良数・欠点数などの数えるデータ(計数値)が、分類項目別の何処に集中しているかを見やすく表した図、または表であり、チェックシートは毎日の記録用紙にもなります。
また記録の終わった後はデータが何処に集中しているか一目ですぐ分かるので、どこから対策をとるべきかも一目で把握できます。
チェックシートを使って何をする?
チェックシートとは、あらかじめ必要な項目の表や図が作成された用紙に簡単なマークを記入することによって、整理された分かりやすいデータが簡単に得られ、製品や作業などの点検・確認項目を漏れなくチェックできる便利な手法です。
このチェックシートには、特別なフォーマットや作り方などはありません。重要なことは、何のためにデータを取得するのか?そのデータを使って何をするのか?を明確にさせることです。その中で、データをまとめにくいだとか、把握しにくいだとか、チェックシートを試行錯誤して”集計しやすいチェックシート”に作りこんでいきましょう。
2種類のチェックシートがある
①:「調査(記録)用チェックシート」
データを採取する際にデータを手軽に抜け落ちなく、解析しやすいようにするチェックシート。データをいくつかの項目別に分類して、チェックできるように表のこと。毎日の記録用紙となるとともに、記録が終わった後はデータが俯瞰できるようになっており、何が問題がどこに集中しているかが一目で分かるように表す。
「特別調査用」・・・特別に何かの目的のため、必要な時に調査・解析する。不適合項目調査用、不適合要因調査用、度数分布調査用、不適合位置調査用、ムダ・ムラ・ムリ調査用、QCサ-クル発表評価用など。
②:「点検(確認)用チェックシート」
製品の検査、設備の点検、5Sや安全などの活動状況の点検、検査や点検の忘れ防止のために使う。確認しておきたい項目を書き並べて表のこと。このシートに書かれた項目をチェックすることで、間違いを予防することができるようになっている。
「日常管理用」・・・日常の仕事管理や職場管理のため、チェックをする日・週・月など、定期・定時に行う。設備点検用、安全作業点検用、4S点検用、検査用(材料・仕掛品・製品)など。
チェックシートを活用するメリットとは?
今まで、22業種100社以上の集客・品質改善サポートを行ってきた中で、言われてきたのは「チェックシートは付けているけど、付けてるだけで解析に使われてない」「チェックシートが飾りになっているだけになっている」ということをよく言われます。
チェックシートを上手く活用すると?
チェックシートを活用できると、種類別にデーターを取ったり、毎日やらなければならない事の確認の抜けや落ちをなくすために、チェックするだけで簡単に、結果が出るようになります。つまり、『データが、分類項目別にどこに集中しているか?視覚化ができる』ので、見る角度を変えることで知恵が出て、問題を効率的に発見することができます。
●【注意するポイント!】:チェックシートにチェックされたデータは、その履歴がはっきりしていなくてはならない。後でチェックシートをまとめて解析するときに履歴がないと役に立たないデータになってしまうため。チェックシートの設計するときに、日付など必要な記入欄を設けておくようにしよう。
効果を出すためのチェックシートの作り方「7つの手順」
- 【問題を調べ具体的に掴む】
関係者全員で、職場・仕事の問題をよく調べ具体的に掴み、何がしたいのか?目的を明確にしておきましょう。それらをどのように「改善すればよいか?管理すればよいか?」チェックの目的を明確にします。 - 【チェック項目の整理・選定】
目的を達成するためには、どのような情報が分ればよいか?そのために何をチェックすべきか?を検討します。今までの経験と培った知識を活用して、チェックすべき項目をリストアップします。 - 【データの収集方法を検討】
収集するデ-タを、どのように記録を取ればよいか?を検討。必要なデ-タの取り方、計算方法を決めましょう。データ収集は、生産の4M・時間別・現象別・作業別・行動別などの切り口があります。 - 【フォーマット下書き】
欲しい情報だけをできる限り簡単に書き込めるようにした用紙を準備してチェックシ-トの様式(フォーマット)をデザインし下書きを作成しましょう。 - 【作成】
チェックシ-トの作成。 - 【使って検討】
狙い通り役に立つか、使いやすいか、記録しやすいか、デ-タ整理・計算しやすいか、得たい結果が得られるか、使って検討する。 - 【改善】
使いにくい点を改善してチェックシ-トの再作成する。
まとめ
チェックシートを活用できると、「データが、分類項目別にどこに集中しているか?視覚化ができる」ので、見る角度を変えることで知恵が出て、問題を効率的に発見することができます。
チェックシートも上手く活用できなければ”宝の持ち腐れ”になってしまいます。毎日、収集しているデータや情報も、活かされることがありません。何のためにチェックシートを付けているのか、目的が明確になってないのかもしれません。部署によってはチェックシートにチェックすることが仕事になっている従業員もいるかもしれません。そうならないためにも、「何のために、どのようなデータを収集する」と明確にしておきたいですね。