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統計的な考え方:QC手法とは?

2015年12月30日

統計的な考え方:QC手法とは?

本日は『統計的な考え方:QC手法』をお伝えいたします。

品質管理(QC)とは何か?

品質管理(Quality Control)とは「顧客の要求品質を満たす製品作りのマネジメント活動」のこと。つまり、「顧客の要求を満たす製品やサービスを経済的に作り出すための手段の体系」ということです。

QC手法とは?

職場の仕事をうまく進めていくには、“データによって事実を正しく知る”ことが非常に大切です。たくさんのデータ、たくさんの意見をうまくまとめて、この中から正しい情報を引き出すために、QC手法が使われます。

また、QC手法は簡単で気軽に使え、しかも書いた結果がみんなにたやすく受け入れてもらえるのが特徴で「何が?」「どうなっているのか?」一目でわかる手法なのです。

QC七つ道具・新QC七つ道具が代表的である。他にも製造段階・開発設計段階・商品企画段階での質向上のための方法がある。

「QC七つ道具」とは、管理を行うにあたり、現象を数値的・定量的に分析するための技法。いずれも可視化によって、誰にでもすぐに問題点がわかったり説明を容易にすることを狙っている。

Wikipediaより引用

『仕事を効率的に進めるための手法』であり、データや思考を見える化するためのツールです。仕事を効率的に進めるために問題解決の各ステップで使うと便利な手法で、品質管理(QC)で使われ始めたため、QC手法と呼びます。

QC手法の必要性とは?

QC手法とは、品質管理活動において、問題を発見し、原因を追求し、対策立案して改善するという、管理の定着化を図っていく手法のことです。事実に基づく管理を行うため、経験や勘や度胸だけに頼るのではなく、客観的な事実に基づいて科学的に判断し行動することを基本としています。

しかし、たとえ計測したデータが手元にあったとしても、そのデータを上手く使えないと意味がありません。例えば、日常管理で計測している数値データをまとめても、その数値から、何がどのようになって、どうすればいいのか?分からないものです。その判断を助けるために、データを見える化して整理しやすくする道具がQC手法と呼ばれるものです。

QC手法

QC7つ道具

道具

内容

チェックシート

データが分類項目別にどこに集中しているか?視覚化する
データの取得・整理を容易にし、また点検・確認項目がもれなく行えるように、あらかじめ設計された様式・フォーマット。(QC7つ道具の一つ)

パレート図

「原因を分類して視覚化。重点指向、優先順位を付けやすい」
パレート図とは、値が降順にプロットされた棒グラフとその累積構成比を表す折れ線グラフを組み合わせた複合グラフ。(QC7つ道具の一つ)

特性要因図

「要因解析の時に使う特性と要因の関係を線で結んで表した図」
この特性要因図は、問題解決の7ステップの中の「要因解析」で“原因と結果との関係を明らかにする”一番重要になるステップの一部です。(QC7つ道具の一つ)

管理図

「工程の品質特性が規格に対して安定状態にあるか?を見るツール」
時系列に得られるデータをプロットし、点の位置や並び方からデータの変動が偶然原因なのか?異常原因なのか?を判断するためのものです。(QC7つ道具の一つ)

 ヒストグラム

 「データのバラツキの姿を把握するために活用するツール」
集めたデーターを幾つかの区間に分け、この区間に入るデーターの数を数えて度数表を作り柱状に表したものです。(QC7つ道具の一つ)

散布図 

 「2種類のデータの関係を視覚化して整理するためのツール」
特性とその要因とを対にしたり、関連のありそうな二つの特性や要因同士を対にしてとったデータを、二つの軸の交点にプロットした図です。(QC7つ道具の一つ)

グラフ

「二つ以上の数量や関数の関係を図形に示したもの」
グラフはあらゆる場面で使われ、あるデータを図表に表し、その状態が目で見て解るようにしたものです。(QC7つ道具の一つ)

バラツキ管理

「バラツキに注目し、ばらつく原因をつかむこと」
製品の品質を保つためには、このバラツキを管理していくことが重要であり、品質を一定の水準に安定させることを品質管理といいます。

層別

「データを何らかの基準(尺度・視点)によって分類すること」
データの共通点や特徴に着目して分類することで、複雑な事柄を解きほぐし問題点を具体化していくことです。

データ

「それをもとに推理し結論を導き出す、行動を決定するための事実」
連続的に変化する計量値データや断続的に変化する計数値データがあり、正しいデータ収集が重要になります。

新QC七つ道具

道具

内容

連関図

「図解により重要な要因を特定するための手法」

問題点から始まり、その問題を引き起こしているの原因は何か?を探るために原因と結果などの複雑に絡み合った問題を要素間の因果関係を論理的に繋いで、メカニズムや因果関係を通して原因を追求する手法です。


系統図

「連関図で抽出された問題を解決するための方法を出す手法」

連関図で抽出された問題解決の阻害要因を把握して、具体的な改善方法を上げて改善するために活用する手法です。問題を「〜を〜するために」と表現して、「〜を〜する」という表現で提案します。

マトリックス図

「問題解決の糸口になる重要項目の洗い出しに優れている手法」

重要項目の選定のため、課題を構成する事象の中で、対となる2つの要素を行と列の2次元に配置し、交点に着目して、関連性を評価し問題解決の糸口を見つける手法です。

親和図

「錯綜している複雑さの中から問題点を整理し発見する手法」

問題が錯綜している複雑な状況の時、事実・発想を言語データで捉え、それら相互の親和性(共通度)により統合し、解決すべき問題点を明確にするための手法です。

アローダイヤグラム図

「プロジェクトの最適な日程計画を立て進捗管理する手法」

プロジェクトを達成させるために必要な作業の相互関係や順序を矢印で示すことにより、プロジェクトを達成させるための最適な日程計画を立て進捗を管理する手法です。

PDPC法

「プロジェクトで不具合が発生しても望ましい結果に導く手法」

PDPC法(過程決定計画法)はプロジェクト計画時に、事前に想定できる不具合や問題を予測して、プロセスの特性をできる限り好ましい方向へ導く手法です。

マトリックス・データ解析

「多数のデータを多次元的に整理する手法」

評価を基準化し、評価尺度を集約することで、サンプル間の差を明確にさせることが可能になります。 

統計的手法

道具

内容

検定・推定

推定とは、統計である母集団から取り出された標本をもとに、その母集団の平均・分散などを算出すること。

実験計画法

実験計画法とは、効率的かつ経済的に、妥当で適切な結論に到達できるような実験を計画し、また実験によって得られたデータをどのように解析して結果を予測していくかを効率的に求める統計的実験手法である。

相関分析

相関関係とは、2つ以上の変量の間で、一方の変量が変化すると、他方もそれに応じて変化する関係をいい、これを統計的に分析するのが相関分析である。

回帰分析

相関関係や因果関係がある2つの変数のうち、一方の変数から将来的な値を予測するための予測式(回帰直線)を求めるための手法。

直交多項式

直交多項式列は、どの二つを取っても互いに直交するような多項式の集合を直交多項式という。

二項確率紙

二項確率紙は、不良率などの係数値に関する検定や推定に利用される。

簡易分析法

簡易分析法とは、短時間、低コストで目的とする化学物質を検出できる手法。

多変量解析

 多変量解析とは、複数の結果変数からなる多変量データを統計的に扱う手法。 


【その他】

①サンプリング法 ②抜取検査法 ③官能検査 ④信頼性工学(FTA・FMEA・ワイブル確率紙など)

QC手法を活用するメリットとは?

 今まで、22業種100社以上の集客・品質改善サポートを行ってきた中で、言われてきたのは「QC手法は手間がかかって時間のムダ」「QC手法は発表のための手法で実務で役に立たない」ということをよく言われます。ここで、QC手法を活用した場合としなかった場合をご紹介します。

QC手法を活用すると・・・

  • パッと見て一目で状況が判断でき、ポイントや問題点を把握することが可能になります。
  • 思考が見える化でき、問題点が他人に説明しやすく有識者の意見も聞きやすくなります。
  • 何を問題として、どう分析し対策するか?その考え方と計画の組み立て方が明確になります。

QC手法を活用しないと・・・

  • 伝える側の表現力によって、伝わり方が異なり、伝えることに労力が必要です。
  • 考えやポイントがまとまらなかったり、判断が見えないため困ったりします。
  • 「この山積みの問題を、どう解決すればいいか分からない・・・」状態から抜け出せない。

まとめ

QC手法を活用することで、データの層別、重点指向、バラツキ管理が容易になります。「何のためにデータをとるのか?何が得たいのか?そのデータをどう生かすのか?」という目的を持ってQC手法を活用すれば、より効果的・効率的に解決策が見えてきます。それにより仕事を効率的に進めることが可能になります。

データや思考を見える化することで、一人で悶々と悩んでいた解析も、周りに協力してもらいやすくなり、とても仕事が進めやすくなります。


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