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定性的に分析する考え方「新QC7つ道具:系統図法」とは?

2023年2月12日

新QC7つの道具 系統図法

系統図法とは?

系統図法とは、複雑な問題を分析するための手法で、目的を達成するための手段や方法を系統的に展開し、その体系を枝分かれにさせて理論的にわかりやすくツリー状に図式化したものになります。

系統図とは?

この方法は、問題をシステムやプロセスとして捉え、視覚化することによって、根本的な問題点を特定し、解決策を提案することを目的としています。

系統図法は、製造業界だけでなく様々な分野において利用されており、ビジネス、経営、教育、医療などにおいて有用なツールとして使われています。

系統図で何ができる?

系統図って何ができるの?画像説明

系統図法は、単純な問題ではなく、複雑な問題に対して特に有効で、複雑な問題を明確な形式にまとめることができ、根本的な問題点を特定することができます。

系統図法は主に二種類あり、課題解決に特化した図法の「方策展開型」と、改善に特化した「構成要素展開型」があり、製造現場の課題を発見に重きを置くなら方策展開型が適していますし、改善目的であれば構成要素展開型が適しています。

系統図法には、いくつかの基本的な要素があります。まず、問題を定義し、問題を構成する要素を認識し、問題の成因や影響を明らかにしていきます。さらに、影響を与える情報の流れや、相互の関係性を視覚化します。これらを使って、問題の根本的な原因を特定し、解決策を提案することができます。

系統図法を使う5つのメリット

問題の根本原因を把握できず、誤った箇所をボトルネックとして定義してしまうと根本原因は解決できません。

系統図法は問題の要因を正確に把握しやすくなりますので、ボトルネックとなっている問題点の洗い出しと、その問題解決方法を導き出すために活用されます。

その系統図法を使うメリットは、大きく5つあります。

  1. 複雑な問題の視覚化
    系統図法は目的と方法を明らかにしますので、それぞれがどのように関連しているのかを一目で把握することができます。また問題現象をグラフ形式で視覚化することで、複雑に複合的に絡み合って発生する問題をシンプルに明確に表現できるため「何が原因で問題が発生しているのか?」が理解しやすくなります。
  2. 問題根本原因の特定
    系統図法を使うことで、問題が可視化されることにより根本的な原因を特定することができますので、根本原因に対して効果的な対策案・解決策を提案することができます。
  3. コミュニケーションの改善
    系統図法を使うことで、現場の部署やプロジェクトのチームなどの認識が、それぞれ共通しているかどうかを確認するためにも役立ちます。
    系統図法を使わない場合、お互いの認識が共通しているのかを確認するのは簡単ではありませんが、グラフ形式で問題が可視化されることで暗黙知となっていた事項を多くの仲間と共有できますので、問題の共通理解を持って解決することができます。
  4. 学習の促進
    系統図法を使うことで、問題現象が発生する考えられるプロセスを把握できることで、設計や設備や工法に対する理解を深めることができます。また、問題をグラフィカルな形式で表現することで、記憶に残りやすくなります。
  5. 時間の節約
    系統図法を使うことで、複雑に絡み合った問題を視覚化してシンプルに表現することで、情報を頭で整理する時間が短縮されるため、問題の理解に必要な時間が短縮、問題を効率的に解決することが可能となります。

系統図の活用例

系統図法はさまざまな場面で、問題解決のフレームワークとして活用されてます。

  • ビジネス:系統図法は、ビジネス環境において、複雑な問題の視覚化や根本原因の特定、効果的な解決策の提案などに利用されます。
  • 教育:系統図法は、教育環境において、学習者が問題を理解しやすくするために利用されます。また、教師が学習者に問題を理解してもらうためにも利用されます。
  • 医療:系統図法は、医療環境において、病気の原因と症状を視覚化したり、治療方法を提案するために利用されます。
  • 地理:系統図法は、地理学において、自然現象や社会現象の原因と結果を視覚化するために利用されます。
  • 製造・開発:系統図法は、製造開発において、設計や開発の過程を視覚化したり、問題点を特定するために利用されます。

ビジネスなどの問題解決のために活用されていて、会社の利益を上げるためにどうしたらいいかを考える場合、収益を増やす、もしくはコストを減らすという大枠から、各問題点を派生させていき、ボトルネックを追求する形で活用していきます。

収益を増やす、という場合、そこからまた、営業に問題があるのか、製品に問題があるのかなどいくつも要素を分解していき、最終的に改善すべき箇所を洗い出していく、といった形で活用できます。

系統図の書き方

系統図の書き方は、下記の5ステップで書いていきます。

  1. 【問題の把握】:系統図を作る前に、問題を明確に把握します。これには、問題の概要や根本的な原因を特定することが重要です。
  2. 【ブロック図の作成】:系統図の中心となるブロック図を作成します。このブロック図には、問題に関連する要素を描画します。
  3. 【矢印の作成】:各ブロック間の関係性を示す矢印を作成します。この矢印には、影響関係や因果関係などを記述します。
  4. 【詳細情報の追加】:各ブロックに対して、詳細な情報を追加します。この詳細情報には、ブロックの説明や数値などが含まれます。
  5. 【調整】:系統図を見直し、修正することが必要な場合は調整を行います。

以上の5ステップが、系統図の書き方ですが、部署やプロジェクトのチームなどの認識を共通させることが大切ですので、系統図を書く際には、目的に応じて適切な図形や記号を選択し、わかりやすい形式で描画することが重要です。

イメージとしては、初めに解決したい問題やテーマを設けて、それに対して大枠の一次手段を考えていき、その後に細分化して展開していく形です。

問題解決のため各方法を実現するためには何をすれば良いのか?を、さらに右へと展開し、どんどん枝分かれしていくのが系統図法の特徴で、必要な分だけ枝分かれさせますので、最終的には方法がいくつも並ぶことになります。

「連関図」と「系統図」の違い

「連関図」と「系統図」は、問題解決のためのツールとしてよく使われますが、異なる特徴を持っています。

要素の違い

まず要素として、「連関図」は因果関係、要因が構成要素であるのに対し、「系統図」は目的、手段が主に構成要素となります。

「連関図」は、問題の根本的な原因と結果を関連付けて表現する図ですので、問題に対して複数の要因が影響を与えていることを明確にすることができます。何が原因で課題となっているのか課題設定にとても役立ちます。

一方、「系統図」は、問題を複数の要素から構成されるシステムとして表現する図です。系統図は、問題の要因がどのようにシステム全体に影響を与えているのかを明確にすることができます。

目的の違い

結論として、「連関図」は問題の根本的な原因を特定するためのツールであり、「系統図」は問題をシステム全体として理解するためのツールです。どちらを使うかは、問題解決のための目的やアプローチによって異なります。

「連関図」では、ゴールが課題の明確化であるので、物事の原因を特定するためのものになります。それに対して、「系統図」は問題の事柄に対して解決策を出していくことがゴールとなります。

そのため、課題やボトルネックを追求した先に、どうやってその問題を解決していくのかを考えるための手段であるということが、大きな違いです。

手法要素目的
連関図因果関係、要因が構成要素ゴールが課題の明確化であるので、物事の原因を特定するためのもの
統計図目的、手段が主に構成要素問題の事柄に対して解決策を出していくこと

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