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品質管理の考え方「プロセスコントロール」とは?

2015年12月24日

品質管理の考え方「プロセスコントロール」とは?

プロセスコントロールとは?

『結果でなく、仕事のプロセスを管理していくこと』

「良い結果は良いプロセスから」とも言われるように、良い結果を出すために、プロセス(モノごとが進む過程・仕組み)を管理することで、仕事の質を向上させる考え方です。

プロセス重視の必要性

良いプロセスが確立されていないと、良い結果を継続的に得ることは難しいと言われます。ビジネスをやっている以上、結果を求めるのは当たり前のことですが、このプロセス重視とは、結果のみを追うのではなく、結果を生み出すプロセスに着目し、これを管理し、向上させることで得たい結果を得るということです。

【事例で解説:結果とプロセスの関係】

▶︎【事例1】:直感でホームページの内容を変更したら、売上げが倍増した

『 プロセス × ⇒ 結果

「次もこの調子で、もっと大々的にやろう!」これでは次回も成功するとは限りません。

※「集客できない、、、」と悩んでいる、継続的に新規受注が獲得できない企業がやっている事です。何の根拠もなく、今までの経験で行うと継続的な受注は獲得できません。なぜなら、再現性がないからです。この方は次回も気分次第で内容を変えるコトでしょう。しかし、次回の変更は上手くいくかどうか分かりません。

この場合は、アクセスの内容や訴求内容をテストしながら最も反応の高いものに作り込んでいくべきです。前回のテストの結果を踏まえて、今回は表現を変えてみるパターン①とパターン②の比較でコンバージョン率(CV率)の良い方を選ぶという、何かの根拠を明確にして作り込んでいくと着実に過去のプロセスが結果に反映されていきます。

 

▶︎【事例2】:規格外れの製品精度向上のため、日常管理データを元に修正したが変化なし

『 プロセス  ⇒ 結果 ×

ある製品精度が規格外れのため、製造プロセスにおける製造工程の各工程間の変化を見直した結果、ある工程の対策が必要と判断し実施。精度向上が認められたがまだ規格外れ。今回は、狙い通りの精度規まで修正するコトができませんでしたが、どこの工程のどの部位が影響しているというコトが明確に分かっているので、修正も間違えるコトはありません。あとはどの程度の修正量を行えばいいのかという問題だけです。各工程で、さらに原因を特定すれば、次回に成功する確率が高まります。

この場合は、きちんと解析していった結果からの修正でしたので再現性があります。結果重視の方は、プロセスよりも結果だと言いますし、プロセスを重視するのは大企業だけしかできないとも言います。しかし、そうではありません。人や資本が少ない中小企業だからこそ、無駄な時間を使わないためにも、確実な全身につなげるためにもやるべきです。

プロセスコントロールの考え方

例え、結果が良くても今後ずっと結果を出し続けられるのか?それとも今回、たまたま良い結果が出ただけのか?を考えると「結果さえ良ければいい」とはいい切れません。

逆に、今回の結果が悪かったとしても、きちんとプロセスを踏んだ仕事は、どういう手順・どういう過程で製造したのかが明確なため、問題の特定がしやすく、改善が容易なため次の手を打ちやすいと言えます。

プロセスコントロール

つまり、たとえ今回の結果は良くなかったとしても、キチンとプロセスを踏んだ仕事をすれば、必ず結果は出せる。プロセスが明確になっていれば良いというのがプロセス重視の考え方の一つです。また、プロセスが明らかであれば、いつ、誰がやっても同じような良い結果を出すことができ、誰でもできる作業になり、作業訓練の時間短縮にも繋がるという利点があります。

私が以前勤めていたトヨタ自動車では、良い結果が出てきた時こそ、もう一度そのプロセスを振り返ってみる。つまり振り返りのチェックこそ反省だというコトを教えられました。失敗には原因があり、成功には要因があるというコトです。なぜ上手く行ったのか?というコトを振り返るコトが、成功を当たり前にさせていく習慣だというコトです。

結果で管理するのはダメなのか?

今まで、22業種100社以上の集客・品質改善サポートを行ってきた中で、言われてきたのは「結果を出さなきゃ仕事じゃない」「今まで、結果を出してるからいい」ということをよく言われました。

しかし、確実に言えることは、プロセスをコントロールしてないマーケティングやブログ集客は、たまに運良く受注できることはありますが、新規受注を継続的に獲得できない。ということです。

【結果が重要であることは間違いありません。が、、、】

▶︎【プロセス重視の考えが重要な2つの理由】

  1. 結果が良かった場合、そのプロセスを同じように踏めば、別の人がやっても同じように良い結果を出すことができます。結果を出すプロセスが明確でないと、何度も同じように良い結果を出す保証はありません。
  2. たとえ結果が良くない場合でも、そのプロセスが明確であれば、過程のどこにどういう問題があったかを反省・改善することで、次は今回よりも良い結果を期待することができます。

▶︎【仕事のやり方を変えるだけで良い結果を出せる】

  • どういう過程で仕事を進め、その結果どうなったのか?そのプロセスが財産です。
  • そういう意味でも「問題は宝の山」ともいえます。

まとめ

良い結果・悪い結果に関わらず、そのプロセス(過程)を明確に押さえることが重要です。

PDCA(計画・実施・確認・処置)の“C(確認)”に絡めていえば、“結果”をチェックするだけではなく、その結果を出した“プロセス”をチェックすることが重要です。

作るたびに結果が大きく変わってしまっては、コストの削減は絶対にできません。安定して良い結果を出すために、プロセスを明確にすることで、問題を一つずつ見える化して改善していく。「プロセス重視」という品質管理では重要な考え方の一つです。

品質保証を行う上で、重要な12の考え方

  

内容

1

PDCAサイクル

「仕事を効果的・効率的に進めるための手順のこと」

2ファクトコントロール

「事実に基づいてデータでものをいうこと」

3

プロセス重視

「結果でなく、仕事のプロセスを管理していくこと」

4

標準化

「標準を作り、守り、それを活かしていく」

5

源流管理

「プロセスの下流でなく、プロセス上流で管理すること」

6

現地現物

「問題が起きた現地に足を運び現物を見ながら考えること」

7

品質第一

「品質優位により利益確保を目指すこと」

8

顧客志向

「お客様の真に要求するモノ・サービスを提供すること」

9

後工程はお客様

「後工程に喜んでもらえるモノやサービスを提供すること」

10

重点指向

「複数の問題から重要問題を選定し、優先的に取り組むこと」

11

再発防止

「根本原因を見極め対策することで問題を再発させないこと」

12

未然防止

「先を読み、想定される問題に対してあらかじめ手を打つこと」